今週の【早わかり株式市況】続伸、衆院選での自民健闘とFOMC通過後の米株高でリスク選好
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週連続上昇、週初の急騰がモノをいう形で週間700円強の上昇
2.週初は前日の衆院選で自民党が想定以上に健闘し、これを好感した買いが集中
3.2日(火)は祝日前でFOMCの結果発表も控え、買い手控えムードが強まる
4.休み明けの4日(木)はFOMC通過後の米株高を受け、リスク選好の展開に
5.週末は買い気盛り上がらず、2万9000円台後半は戻り売り圧力の強さ確認
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比718円(2.49%)高の2万9611円と2週連続の上昇となった。
今週は衆院選通過後の週明けと、週央の米連邦公開市場委員会(FOMC)を経て株式市場がどういう動きを見せるかが一つのポイントだった。東京市場が休場だった3日(日本時間4日未明)に金融政策の結果発表とパウエルFRB議長の会見が行われたが、米株市場はFOMC後に主要3指数が揃って最高値を更新、これを受けて安心感が漂った。
名実ともに11月相場入りとなった週明け1日(月)は大きくリスクオンに傾き、日経平均は750円あまりの急上昇をみせた。前日の衆院選で自民党が単独で絶対安定多数を確保したことから、空売りの買い戻しを誘発し、先物主導で大きく水準を切り上げた。しかし2日(火)は反落。前日の急騰の反動が出たほか、3日に予定されるFOMCの結果とパウエルFRB議長の記者会見を見極めたいとの思惑から持ち高を軽くする動きが強まった。ただ企業の決算発表が本格化するなか、個別に好決算銘柄を買う動きが全体を支え、下げ幅は限定的だった。3日(水)は文化の日で休場。4日(木)は再びリスク選好の流れに傾いた。注目されたFOMCではテーパリング開始を正式決定したものの、パウエル氏がインフレは一過性との見方で利上げについて慎重な姿勢を崩さなかったことで安心感が広がり、前日の米国株市場ではNYダウをはじめ主要3指数が揃って最高値更新を続けた。この地合いを東京市場も引き継ぐ格好となった。しかし、週末5日(金)はまたも売りに押される展開に。前日の欧州株市場は総じて上値指向となり、独・仏の両市場が最高値に買われた。また、米国株市場でもNYダウが小反落したとはいえナスダック総合指数やS&P500指数は最高値更新が続くなど強い動きを続けた。ところが、日経平均の2万9000円台後半は戻り売り圧力も強く、アジア株安を横目に東京市場の買い気は盛り上がらなかった。
■来週のポイント
今週は週末に3万円目前で跳ね返された形となったが、来週は3万円大台乗せをうかがう展開が期待される。
重要イベントとしては、国内では8日発表の9月景気動向指数が注目される。海外では10日に発表される中国10月の消費者物価指数と生産者物価指数や米国10月消費者物価指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(11月1日~11月5日)
【↑】 11月 1日(月)―― 続急伸、衆院選の結果受けリクスオンの流れが加速
日経平均 29647.08( +754.39) 売買高12億8590万株 売買代金 3兆2825億円
【↓】 11月 2日(火)―― 3日ぶり反落、前日急騰の反動で利益確定売りが優勢
日経平均 29520.90( -126.18) 売買高11億8356万株 売買代金 2兆7777億円
【↑】 11月 4日(木)―― 反発、米株高を受けてリスク選好の動きが優勢
日経平均 29794.37( +273.47) 売買高14億8277万株 売買代金 3兆6854億円
【↓】 11月 5日(金)―― 反落、為替の円高進行で利益確定売りが優勢
日経平均 29611.57( -182.80) 売買高12億6664万株 売買代金 2兆9916億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、23業種が上昇
(2)東エレク <8035> など電気機器が値上がり率トップ
(3)HOYA <7741> など精密機器、SMC <6273> など機械、スズキ <7269> など自動車といった輸出株が高い
(4)ファストリ <9983> など小売り、リクルート <6098> などサービス、ZHD <4689> など情報・通信業といった内需株も堅調
(5)ANAHD <9202> など空運は大幅高
(6)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行が上昇も
かんぽ生命 <7181> など保険、日本取引所 <8697> などその他金融、野村 <8604> など証券はさえない
(7)郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼が売られた
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) 半導体
2(28) 仮想空間
3(8) 脱炭素 ─── COP26に岸田首相が0泊2日で電撃参戦
4(5) デジタルトランスフォーメーション
5(4) 再生可能エネルギー
※カッコは前週の順位
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