話題株ピックアップ【夕刊】(1):フロンテオ、田中化研、レーザーテク

注目
2021年11月17日 15時13分

■FRONTEO <2158>  4,145円  +700 円 (+20.3%) ストップ高   本日終値

FRONTEO<2158>が連日のストップ高。株価は前日と合わせて1200円の上昇、未踏の4000円大台ラインを一気に上回り、青空圏を舞い上がる展開となっている。15日取引終了後に発表した22年3月期業績予想の上方修正が引き金となっているが、既に収益面の評価を超えて需給相場の色が濃い。市場では「浮動株比率は決して低くはないが、ここまでの過程でかなりの水準の流通株式が吸い上げられ、実質的に品薄状態になっている。資本移動絡みの思惑などは今のところ見えないが、外資系を通じた貸株調達による空売りなども考慮され、踏み上げに近い形となっている」(中堅証券ストラテジスト)という。PERは既に150倍近くに達している。いずれ反動が出るにせよ、現状はバリュエーションでは語れない株価形成となっている。

■田中化学研究所 <4080>  1,812円  +196 円 (+12.1%)  本日終値

田中化学研究所<4080>が急騰、4月22日につけた高値1695円を一気に上抜け年初来高値を更新した。17日付の日本経済新聞朝刊で「政府は車載用を中心に先端電池工場の建設を支援する新たな補助金をつくる」と報じられており、これを受けて田中化研をはじめ、ダブル・スコープ<6619>、戸田工業<4100>など2次電池関連株の一角に思惑的な買いが向かった。記事によると、車載用や再生可能エネルギー向けなどの蓄電池工場の誘致を目指す方針にあり、電池・材料メーカー、リサイクル企業が対象として想定されているという。2021年度補正予算案に1000億円程度を計上する予定で、国内で安定して生産・調達できる体制を整える狙いがあるという。

■アトラエ <6194>  2,612円  +246 円 (+10.4%)  本日終値  東証1部 上昇率5位

アトラエ<6194>が3連騰。午前9時ごろ、観光庁が推進する「新たな旅のスタイル」の企業と地域によるモデル事業に静岡県中部地域局とともに採択されたと発表。観光庁が推進する「新たな旅のスタイル」では、テレワークが浸透し、働き方が多様化していることを踏まえ、ワーケーションやブレジャーなどの仕事と休暇を組み合わせた滞在型旅行を、働き方改革とも合致した「新たな旅のスタイル」と位置づけて、旅行機会の創出と旅行需要の平準化に向けて普及を促進する。今回の事業でアトラエは、静岡県内各地域の特色を生かしたワーケーションを3回実施する予定で、さまざまな人が同地域をワーケーションで訪れるよう、地域の特色を生かしたモデルプランを検証し、コンテンツの磨き上げや情報発信の強化を図るとしている。

■長野計器 <7715>  1,641円  +126 円 (+8.3%)  本日終値  東証1部 上昇率10位

長野計器<7715>の上値追いが鮮烈だ。業績は好調を極めており、22年3月期業績は従来予想を増額し、営業利益段階で33億9000万円(前期比2.4倍)予想と大幅な伸びを見込んでいる。株価は今週になって上げ足を加速させ約14年ぶりの高値圏を走っているが、PERは13倍前後と割高感に乏しい。同社は圧力計と圧力センサーの専業メーカーで世界トップクラスの実績を有し、特に水素ステーション向け圧力計測器はほぼ独占供給の状態。会社側でも政策後押しによる水素ステーションの普及に期待を寄せている。また、圧力計と圧力センサーは半導体業界向けでも引き合いが旺盛で、世界的な半導体設備増強の動きが強力な追い風となっている。

■FFJ <7092>  3,280円  +210 円 (+6.8%)  本日終値

Fast Fitness Japan<7092>が3日続伸。16日の取引終了後、10月15日付で東証1部への市場変更申請を行ったと発表。社会的信用力を向上させるには「プライム市場」への移行が重要と判断したためで、申請が承認され、東証1部へ市場変更された場合、「プライム市場」の選択申請を行う予定という。なお、承認の可否や時期は不確定としている。

■メック <4971>  3,990円  +255 円 (+6.8%)  本日終値

メック<4971>は大幅高で上場来高値を更新。同社は電子基板向けの薬品会社で、旺盛な半導体・電子機器需要を捉え業績が急拡大している。半導体を搭載するパッケージ基板向けで高いシェアを持つ超粗化系密着向上剤などの好調により、直近10日に発表した1~9月期業績は売上高28%増、営業利益72%増と大幅増収増益で着地。あわせて通期予想の上方修正も発表し、売上高・営業利益ともに過去最高を見込む。決算発表翌日こそ材料出尽くしの売りに見舞われたものの、その後急速に切り返しに転じており、きょうは9月高値の3890円を上抜け一気に上場来高値を更新した。

■レーザーテック <6920>  32,510円  +1,640 円 (+5.3%)  本日終値

レーザーテック<6920>の上げ足が止まらない。前日まで4連騰でこの間に4300円あまりも株価を上昇させているが、きょうも買い優勢の展開で3万2000円大台ラインに乗せた。株価だけでなく商いもここ活況を極めており、前日も全上場企業を通じて売買代金トップとなっている。検査・計測装置を主力とする半導体製造装置メーカーで、マスクブランクス検査装置では世界シェア100%というグローバルニッチトップ企業として名を馳せる。22年6月期第1四半期(21年7~9月)は営業利益が前年同期比55%減と大幅縮小したことで株価は一時不安定な動きとなる場面もあったが、大幅減益は売上高計上のタイミングが10~12月期にずれ込んだことによるもので、EUV露光装置など最先端半導体向け検査装置の受注自体は旺盛であり、株価もその後大きく上昇に転じている。時価は連日で過去最高値を更新中。時価総額は遂に3兆円大台に乗せた。

■サンバイオ <4592>  1,280円  +59 円 (+4.8%)  本日終値

サンバイオ<4592>が4連騰。16日の取引終了後、同社のMSC2細胞を利用したヒトの食道組織の再生を目的とする食道再生インプラントの開発及び商業化に関して、米再生医療企業のD&Pバイオイノべーションズ社(カリフォルニア州)と業務提携契約を締結したと発表。この契約により、サンバイオはD&Pに対し、D&Pが研究している食道再生インプラントの開発及び商業化のためにMSC2細胞を使用するライセンスを非独占的かつ譲渡不可の条件で供与する。その対価としてサンバイオは、将来にわたって食道再生インプラントの日本における商業化の権利とアジア地域における商業化の優先交渉権を取得する。また、日本国外でのD&Pによる販売が実現した際には、サンバイオがその売上高に応じた段階的なロイヤルティーを受け取るほか、D&Pがこの食道再生インプラントのライセンスアウトを実施した場合、ラインセンスアウトにより得た収益に対し、一定の利益分配を受領することになるとしている。なお、MSC2細胞の製造プロセスの開発にかかる費用はサンバイオが負担し、食道再生インプラントの日本以外での各地域での開発にかかる費用はD&Pが負担する。

■BEENOS <3328>  2,989円  +123 円 (+4.3%)  本日終値

BEENOS<3328>は5日続伸。同社は正午ごろ、連結子会社で越境ECやジャパニーズコンテンツの海外進出をサポートしているBeeCruiseがJTB(東京都品川区)と連携し、兵庫県鞄工業組合(兵庫県豊岡市)の「豊岡鞄」についての海外販売を包括的にサポートする取り組みを行うと発表。「豊岡鞄」は豊岡産の鞄の中でも同組合が定めた基準を満たす企業によって生産され、厳しい審査に合格した優良品のみ名乗ることができる地域ブランド。今回の取り組みでは、JTBが企画・コンサルティングを担当し、BeeCruiseが海外向けアンケートの企画・実施やSNS広告運用などの施策の実施を行うとしている。

■Speee <4499>  5,740円  +230 円 (+4.2%)  本日終値

Speee<4499>が6日続伸し年初来高値を更新。同社は16日取引終了後、12月17日開催予定の株主総会に定款の一部変更に関する議案を付議すると発表した。商品メニュー・サービスの拡充に対応するため、現行の「不動産関連事業」を「不動産の売買・賃貸及び仲介業」へ変更し、加えて「不動産の有効活用のための企画及びコンサルティング」を新設するとしており、材料視されているようだ。あわせて、資本政策及び配当政策を機動的に行えるよう、剰余金の配当などを取締役会決議により行うことができるようにする条文を新設するとしており、これを好感した買いも入ったもよう。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.