【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─逆風を好機に転じる!狙いは売り込まれた主力株
「逆風を好機に転じる!狙いは売り込まれた主力株」
●週末890円超安の背景、何が起きたのか?
26日の日経平均株価は、下げ幅が一時890円を超す下落となった。株価指数が大きく上下した場合、当然なぜだろうと思い、要因を探すことになるが、必ずしもそれが明確に分かるとは限らない。大きな変化なのだから、はっきり分かるような要因があって当然ではある。しかし、それがはっきりしないことがあるのだ。
26日の下げもそんな下げだった。
分かりやすい要因はある。南アフリカの国立伝染病研究所などが25日、同国で新型コロナウイルスの新たな変異ウイルスが確認されたと発表したのだ。従来のウイルスに比べて複数の変異が生じており、免疫反応をくぐり抜けて高い感染力を持つ恐れがあるという。これは確かに分かりやすいし、怖くもある。
しかし、このニュースで890円以上も下落することは、私に言わせると下げ過ぎになる。
では、他になにがあるのか。前日、米国市場が感謝祭の休日で、外国人投資家たちの日本株買いがなかった。これが大きいと見る。
改めて書くまでもなく、東京市場は外国人投資家たちが買い越しに転じてくれない限り、上がりにくい。米国市場が休場となると、頼りの彼らの買いが激減してしまう。
それがリアルに表れるのは、トヨタ自動車 <7203> やソニーグループ <6758> 、キヤノン <7751> 、日立製作所 <6501> などの主力株。どの企業も今期増収増益が予想されており、業績に問題はない。それでも株価は軒並み安に陥ってしまった。それもあって日経平均は25日移動平均線だけでなく、75日線も一気に割り込んでしまった。
2つの移動平均線が下値支持線にならなかったとなると、次の支持線は日経平均の2万8500円ラインになる。
このラインは、10月25日、同29日の下げでも支持線になっているので、今回も当てにできる。もちろん、絶対ではないため、最悪割り込むこともないではない。しかし、そうなっても一時的なものにとどまるだろう。
●市場急落の中で無傷を保つ強者にも注目
さて、こんな状況での投資だが、ここはもう折角(?)主力株が下がっているのだから、業種、テーマの別なく、売り込まれた主力株と指数関連銘柄を拾っておきたい。
まずは、ソニーグループだ。現在の東京市場の大黒柱株は私はソニーグループであると見ている。それが急落しているのだから、ごくシンプルに投資しておけばよい。
同様の観点から、このところハイテク株の中では異例ともいえるほど堅調な値動きになっていた日立製作所も拾いどころになる。
もちろん、トヨタ自動車も同様の対応でよい。指標関連銘柄では、NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 <1321> [東証E]、日経平均ブル2倍上場投信 <1579> [東証E]、NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]なども魅力的だ。なお、これらへ投資する場合は、資金を2~3回に分けて買い下がりたい。
視点を変えると、市場全体が大下げしているのに、ほぼ無傷の銘柄もある。それは基本的に強い銘柄となるので、そんな銘柄の中からメタバースへの展開に積極的なグリー <3632> だ。
SNSマーケティング支援に強いホットリンク <3680> [東証M]も現在の足踏み状態は魅力的だ。
最後にソフトクリエイトホールディングス <3371> を。ECサイト構築エンジン「ecbeing」の提供で知られ、クラウド機能の強化も加わることで利用企業は今後着実に増加すると見てよく、株価も期待が持てる。
2021年11月26日 記
株探ニュース