前場に注目すべき3つのポイント~売り一巡後の押し目狙いの動きも限られそう~
15日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:売り一巡後の押し目狙いの動きも限られそう
■クミアイ化、21/10営業利益2.1%増 84.56億円、22/10予想 6.4%増 90.00億円
■前場の注目材料:トヨタ、30年にEV350万台、電池合わせ4兆円投資
■売り一巡後の押し目狙いの動きも限られそう
15日の日本株市場は、こう着の強い相場展開になりそうだ。14日の米国市場はNYダウが106ドル安だった。製薬会社ファイザーやジョンソン・エンド・ジョンソン製の新型コロナウィルスワクチンがオミクロン株感染における重症化を防いでいるとの南ア調査結果に加え、ファイザーのコロナ経口治療薬も入院や死亡リスクを大幅に低減させるとの治験結果を好感する場面も見られた。しかし、11月生産者物価指数(PPI)が予想を上回り、連邦公開市場委員会(FOMC)がよりタカ派に傾斜することが警戒され下落に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円安の28270円。円相場は1ドル113円70銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行の展開になりそうだ。FOMCではテーパリングの加速を決める公算が大きく、これ自体は相当織り込まれていると考えられる。ただし、パウエルFRB議長の記者会見とともに内容を見極めたいとのムードは強く、売り一巡後の押し目狙いの動きも限られそうである。日経225先物はナイトセッションで一時28110円まで売られる場面も見られており、薄商いのなかで短期的には売りを仕掛けてくる動きも意識しておく必要はありそうだ。
もっとも、売り方にとってもオーバーナイトでのショートは避けてくると考えられるため、大きく調整する場面においては、押し目狙いのスタンスに。また、これまで相当織り込んだ格好であることから、FOMC通過後のアク抜けへの思惑から下値を拾う動きも意識されそうである。
また、中小型株の弱い値動きが目立っている。マザーズ指数は節目の1000ポイントを割り込んできており、個人投資家の需給状況は思わしくない。短期的なリバウンドを想定したとしてもIPOラッシュのなかでは資金流入は広がりづらいため、一部の強い銘柄に短期資金が集中しやすい需給だろう。そのほか、FOMC通過後はいずれにせよ個人主体の売買に向かうと見られるため、長期目線であれば政策テーマなどに関連する銘柄への押し目狙いになりそうだ。
■クミアイ化、21/10営業利益2.1%増 84.56億円、22/10予想 6.4%増 90.00億円
クミアイ化<4996>は2021年10月期決算を発表。営業利益は前期比2.1%増の84.56億円だった。国内では新規水稲用殺菌剤「ディザルタ剤」の販売が好調。海外では、畑作用除草剤「アクシーブ剤」が米国、オーストラリア、ブラジル及びアルゼンチン向けの出荷が好調に推移した。2022年10月期の営業利益は前期比6.4%増の90.00億円を計画。
■前場の注目材料
・1ドル113.70-80円
・米国景気の拡大
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・トヨタ<7203>30年にEV350万台、電池合わせ4兆円投資
・花王<4452>防錆洗浄剤を市販、金属部品用、工程コスト75%減
・住友大阪セメント<5232>静電チャック生産2倍、半導体装置向け
・日本製鉄<5401>M&Aで一貫生産、タイ電炉2社買収、年産300万トン
・パナソニック<6752>テレビ事業「規模追わず価値追求」、高付加価値製品にシフト
・トヨタ<7203>田原工場・トヨタ九州を3日間停止、5000台影響見込む
・日野自<7205>古河工場を来月3日間停止、半導体不足影響で
・丸紅<8002>高たんぱく食品増強、米で雑豆由来製造
・日立造<7004>農畜産廃棄物処理、中国に実証プラント
・NTN<6472>本社売却、入居継続、財務体質を改善
・栗本鉄工所<5602>鉄管2工場で従業員を多能工化、全工程習得へ
・日本ゼオン<4205>技術動向の予兆分析、AI活用システム稼働
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・11:00 中・11月鉱工業生産(前年比予想:+3.7%、10月:+3.5%)
・11:00 中・11月小売売上高(前年比予想:+4.7%、10月:+4.9%)
《ST》