話題株ピックアップ【夕刊】(2):キッコマン、日本製鉄、タカラバイオ
■ユアテック <1934> 654円 +17 円 (+2.7%) 本日終値
ユアテック<1934>が3日ぶりに反発。14日の取引終了後、10円を予定していた22年3月期の期末配当予想を14円に引き上げると発表しており、これが好感された。中間配当と合わせた年間配当は24円となり、前期実績に対しては4円の増配になる予定だ。
■キッコーマン <2801> 8,980円 +190 円 (+2.2%) 本日終値
キッコーマン<2801>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が14日付で、投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を8400円から9000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。新型コロナウイルス感染症による巣ごもり消費の拡大をきっかけに、欧米の家庭において、同社の本醸造醤油の普及を加速させたと評価。また、上期決算で業務用市場の回復や卸売事業の高い市場競争力が再確認できたほか、既に米国と日本でしょうゆなどの値上げを発表済みで、原料高に対する対応力も十分にあるとしている。これらを織り込み、事業利益予想を22年3月期480億円から500億円へ、23年3月期490億円から530億円へ上方修正している。
■日本製鉄 <5401> 1,888円 +36 円 (+1.9%) 本日終値
日本製鉄<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など大手をはじめ鉄鋼株に買いが優勢。東証1部の業種別騰落率でも「鉄鋼」は値上がり上位に食い込んでいる。景気敏感セクターの側面から、新型コロナウイルスの変異株で世界的に感染が拡大しているオミクロン株の影響は警戒されているものの、今年度の粗鋼生産量はコロナ禍で落ち込んだ昨年度から大きく回復する見通しにあることで、足もと見直し買い機運にある。日本製鉄はPERが3倍台でPBR0.5倍台、またJFEはPERが3倍台でPBRは0.4倍台といずれも株価指標面から割安さが際立っており、金利上昇局面で相対的にディフェンシブ性を発揮しやすい強みも指摘されている。
■タカラバイオ <4974> 2,659円 +32 円 (+1.2%) 本日終値
タカラバイオ<4974>は反発。同社が手掛ける新型コロナウイルスPCR検査関連製品が伸びており、11月には今期2度目となる通期業績予想の上方修正を発表。売上高が前期比28.7%増、営業利益が同43.3%増と大幅増収増益の見通しを示した。きょうは、新型コロナのオミクロン株に特徴的なE484A変異とG339D変異を検出するPCR試薬を販売開始したと発表しており、これを好感した買いも入ったようだ。
■第一生命HD <8750> 2,469円 +26.5 円 (+1.1%) 本日終値
第一生命ホールディングス<8750>が全体軟調地合いのなか頑強な値動き。きょうで5日続伸と上値追い基調を強めており、日経平均とは異なった波動を示している。前日の米国株市場では、FOMCの結果発表を前に長期金利が上昇したことなどが追い風となり、大手金融株が堅調な値動きをみせた。米10年債利回りだけではなく30年債利回りも上昇に転じていることで、同社のように長期運用を手掛ける大手生保にとっては株価にポジティブに働いている。また、同社は来年4月に「クオンツ」と呼ばれるアクティブな運用手法に特化した独自の運用会社を設立する方針であることが一部で報じられており、これも株価の刺激材料となっているもようだ。
■上組 <9364> 2,189円 +21 円 (+1.0%) 本日終値
上組<9364>は続伸。14日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を157万株(発行済み株数の1.35%)、または33億円としており、取得期間は21年12月15日から22年3月24日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするためとしている。
■ベース <4481> 4,055円 +25 円 (+0.6%) 本日終値
ベース<4481>が6日ぶりに反発。14日の取引終了後、40円を予定していた21年12月期の期末配当予想を50円に引き上げると発表。22年1月28日に創立25周年を迎えることを記念して10円の記念配当を実施する。中間配当と合わせた年間配当は80円となり、前期に比べて20円の増配になる予定だ。
■メディアドゥ <3678> 4,470円 +5 円 (+0.1%) 本日終値
メディアドゥ<3678>は反発。同社は14日取引終了後、ミュージックビデオ、ライブ映像、ショートフィルム、ライフスタイル番組などあらゆるジャンルの「公式映像」をオンライン上映会で鑑賞できるソーシャル映像視聴アプリとして、「GREET(グリート)」の提供を開始したと発表した。「GREET」は、上映会開催に掛かる費用は映像提供元のコンテンツホルダーにも還元される。さらに、アーティストなど著名人が主催する場合は、価格を設定して上映会チケットを販売でき、ファン向けに新作やグッズの告知、SNS誘導など幅広いコミュニケーションも可能としている。
■エニグモ <3665> 784円 -217 円 (-21.7%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
エニグモ<3665>は急落。同社は14日取引終了後、22年1月期単独業績予想について、売上高を81億3900万円から88億4600万円までのレンジに対して75億2100万円(前期比6.3%増)へ、営業利益を30億6300万円から35億1900万円までのレンジに対して28億円(同7.7%減)へ、純利益を21億1700万円から24億3500万円までのレンジに対して19億2000万円(同8.5%減)へ、それぞれ下方修正すると発表した。緊急事態宣言の長期化による消費活動の低迷や、気温上昇による秋冬アイテム需要の初動が鈍かったことなどの影響を受けたため。あわせて発表した22年1月期第3四半期累計(2~10月)単独営業利益は19億7400万円(前年同期比4.9%増)だった。緊急事態宣言長期化による消費低迷、気温上昇による秋冬物の初動が鈍いなど外部環境は厳しいが、成長領域であるGLOBAL BUYMAやライフスタイル分野への積極的なコスト投下は継続し、両事業ともに高成長を続けているとした。
■関西スーパーマーケット <9919> 1,104円 -285 円 (-20.5%) 本日終値 東証1部 下落率2位
関西スーパーマーケット<9919>が急落。最高裁判所が14日、同社とエイチ・ツー・オー リテイリング<8242>傘下の食品スーパー2社との経営統合を巡り、統合手続きの差し止めを求めていたオーケー(横浜市西区)の許可抗告を棄却する決定をした。決定を受けてオーケーは同日、関西スーパーの買収を断念すると発表した。また、これを受けて東京証券取引所は14日、関西スーパ株式を15日から25年3月31日まで合併等による実質的存続性の喪失に係る猶予期間入り銘柄に指定した。12月15日付でイズミヤ(非上場)及び阪急オアシス(非上場)を同社の完全子会社とする株式交換を行った場合、関西スーパは実質的な存続会社でないと認められるとし、株式交換実施日から猶予期間に入るとしている。関西スーパはオーケーによる買収思惑などから急騰していたが、買収思惑がなくなったことに加えて、東証による合併等による実質的存続性の喪失に係る猶予期間入り銘柄への指定が嫌気されている。
株探ニュース