今週の【早わかり株式市況】3週続伸、オミクロン株とインフレに警戒も買い戻し優勢

市況
2021年12月25日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は3週連続上昇、週初に急落もその後は買い戻しで急反発局面に

2.オミクロン株を巡る思惑とインフレに対する警戒で不安定な相場環境続く

3.米株市場は新型コロナ経口薬の緊急使用承認などを追い風材料に上値指向

4.週後半は複数の半導体主力銘柄が買われる展開となり全体相場リード役に

5.週末は海外投資家がクリスマス休暇で商いが薄く日経平均も小動きに終始

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比236円(0.83%)高の2万8782円と3週連続の上昇となった。

今週は前週を引き継ぎ上下にハイボラティリティな相場展開となった。新型コロナの変異ウイルスであるオミクロン株を巡っては警戒感の後退と再燃を繰り返し、一方でインフレを懸念する動きが相場をかく乱した。しかし、今週は週初を除けば空売りの買い戻しなどが作用し、相場は結局バランスを取り戻す格好となった。

週明け20日(月)は前週末のNYダウ急落を受けてリスク回避の売りがかさむ展開となり、日経平均は前週末に続き大幅続落となった。オミクロン株への警戒も重しとなり600円あまりの下落となり終値で2万8000円台を割り込む波乱の出足。この日、中国人民銀行が利下げを発表したが、これが好感されずにむしろ下げを加速させた。21日(火)は一転して急反発。直近2営業日の急落の反動で空売りの買い戻しが全体相場を押し上げる形となった。半導体関連株などが買われたことも市場のセンチメント改善につながった。22日(水)は小幅続伸。前日の米国株市場で主要株指数が揃って急反発したことを受け、東京市場も買いが優勢となったがその後はいったん値を消す展開に。大引けはプラス圏を維持した。23日(木)は前日の米国株市場が新型コロナ経口薬の緊急使用承認などを材料にリスクオンの地合いとなったことで、これを受け主力株中心に買いが優勢だった。海運や機械株など景気敏感株が買われ全体指数を押し上げた。半導体の主力銘柄も買われ日経平均は高値引けに。そして週末24日(金)は海外投資家がクリスマス休暇で薄商いのなか、日経平均は狭いレンジでの値動きに終始した。朝方は買いが先行したが上値も重く、結局小幅ながら前日終値を下回って引けた。この日は複数の半導体主力銘柄が最高値に買われるなどで全体指数を支えた。

■来週のポイント

来週は海外勢など市場参加者が少なく商いがさらに薄くなるとみられることから不安定で方向感に乏しい展開になりそうだ。

重要イベントとしては、国内では28日朝に発表される11月の完全失業率や有効求人倍率、鉱工業生産が注目される。海外では31日発表の中国12月製造業PMIに注視が必要だろう。

■日々の動き(12月20日~12月24日)

【↓】  12月20日(月)―― 大幅続落、米株安や中国利下げで2万8000円割れ

日経平均 27937.81( -607.87)  売買高11億4233万株 売買代金 2兆4541億円

【↑】  12月21日(火)―― 3日ぶり急反発、欧米株安もリバウンド狙い買いが優勢

日経平均 28517.59( +579.78)  売買高10億1566万株 売買代金 2兆3405億円

【↑】  12月22日(水)―― 小幅続伸、米株高を好感も買い一巡後は伸び悩む

日経平均 28562.21(  +44.62)  売買高 8億7492万株 売買代金 1兆9894億円

【↑】  12月23日(木)―― 3日続伸、欧米株高を受け景気敏感株中心に買いが優勢

日経平均 28798.37( +236.16)  売買高 8億1350万株 売買代金 1兆8853億円

【↓】  12月24日(金)―― 4日ぶり反落、薄商いのなか膠着状態に終始

日経平均 28782.59(  -15.78)  売買高 7億4672万株 売買代金 1兆6165億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、11業種が上昇

(2)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運が値上がり率トップ

(3)JAL <9201> など空運、任天堂 <7974> などその他製品、リクルート <6098> などサービスが買われた

(4)輸出株は東エレク <8035> など電機、オリンパス <7733> など精密機器が高いも

トヨタ <7203> など自動車、ダイキン <6367> など機械は低調

(5)ニトリHD <9843> など小売り、JR東日本 <9020> など陸運、NTT <9432> など情報・通信といった内需株は総じて安い

(6)金融株は日本取引所 <8697> などその他金融が値を保つも

三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険、野村 <8604> など証券は軟調

(7)東電HD <9501> など電力・ガスは値下がり率トップ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(1) メタバース ── 「AR/MR」に膨らむ新成長期待感、メタバース絡みでも注目の特選7銘柄

2(2) 半導体 

3(5) 電気自動車(EV)

4(3) 2021年のIPO

5(7) リチウムイオン電池

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.