来週の株式相場に向けて=新年も「オミクロン株」注視の展開か
「大納会」となった30日の日経平均株価は115円安と続落。21年の年間では4.9%高で3年連続の上昇となったが、終値では2万9000円に届かなかった。今年は2月に31年ぶりとなる3万円に乗せ幸先の良いスタートを切ったものの、その後は概ね一進一退の展開が続いた。
新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミック下での2年目の相場となったが、依然として相場の基調は新型コロナに一喜一憂する状況が変わらない。「オミクロン株」は、感染力は強いが弱毒化したともみられる。しかし、パンデミック収束に向けての展望はまだ見えない。日本国内でもオミクロン株の感染拡大が本格化するのか、それとも抑え込めるのか。新年の株式市場はその動向を注視しそうだ。
一方、21年のNYダウの上昇率は前日までで19%、ナスダックは同22%を記録している。東京市場もTOPIXは10%の上昇となったが、米国には見劣りする。新年は出遅れ日本株の巻き返しに期待したい。
21年は寅年。「寅千里を走る」というが、1949年以来の寅年の上昇率は2%程度。十二支の中では、上昇率は下から3番目だ。ただ、翌年の卯年は16%、その次の辰年は28%上昇している。新年は、安値があれば絶好の拾い場との見方もできそうだ。足もとの相場は、田中化学研究所<4080>や日本電解<5759>、戸田工業<4100>など電気自動車(EV)関連株などに物色の矛先が向かっている。この流れはまだ続きそうだ。
1月第1週は、海外での重要経済指標が目白押しだ。4日に米12月ISM製造業景況感指数、5日に米12月ADP雇用統計、6日に米12月ISM非製造業景況指数、7日に米12月雇用統計が発表される。5日には12月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。国内では4日が大発会で、7日に良品計画<7453>やローソン<2651>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは2万8500~2万9100円。(岡里英幸)