前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

注目
2022年1月20日 5時20分

■ソニーG <6758>  12,410円 (-1,820円、-12.8%)

東証1部の下落率2位。ソニーグループ <6758> が続急落。前日18日終値は1万4200円台だったが、19日は10%を超える下げで1万3000円大台をも一気に割り込んだ。売買代金は全上場企業のなかで群を抜いた。全体相場がリスク回避に傾くなか、米長期金利上昇などを背景に日米ともにハイテクセクターには向かい風が強い。同社株はこれまで半導体関連のニューシンボルとして頑強な値動きを続けてきたが、19日は空売りも交え売り注文が集中し、マドを開けて75日移動平均線を下抜ける形となった。米マイクロソフト <MSFT> が18日、ゲーム大手の米アクティビジョン・ブリザードを買収すると発表したが、これによるゲーム分野での競合激化の思惑もネガティブ材料視されたもようだ。

■太陽誘電 <6976>  6,000円 (-420円、-6.5%)

太陽誘電 <6976> が急反落。全般相場の下落に加えて、SMBC日興証券が18日付で、投資評価を「1」から「2」とし、目標株価を7800円から7400円へ引き下げたことが売り材料視されたようだ。同証券によると、自動車用MLCC(積層セラミックコンデンサ)における顧客のBCP在庫積み上げ需要が22年3月期業績を押し上げており、23年3月期にその反動が現れると予想することや、パソコン向けMLCCにおける巣ごもり需要の減速を予想すること、それらに伴うMLCCの需給緩和を予想し、業績鈍化を見込むことが要因としている。

■東エレク <8035>  61,590円 (-3,970円、-6.1%)

東京エレクトロン <8035> が急反落。そのほか、レーザーテック <6920> など半導体製造装置の主力株やシリコンウエハー大手のSUMCO <3436> など半導体セクターへの売り圧力が強まった。前日18日の米国株市場では金利の上昇基調が強まるなか全面安商状となったが、特にハイテク系グロース株には向かい風が強く、半導体関連株の下げが際立った。半導体製造装置首位のアプライド・マテリアルズ <AMAT> が8.8%と大きく売り込まれたほか、ザイリンクス <XLNX> やエヌビディア <NVDA> などの下げも目立っており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4.4%の急落となった。東京市場でもこの流れを引き継ぎ、半導体関連株は下値を探る展開を余儀なくされた。

■日経レバ <1570>  14,185円 (-835円、-5.6%)

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が続急落。日経平均に連動するように組成されたETFで価格変動率が日経平均株価の2倍に基本設定されていることから、全体相場のボラティリティが高まる場面では、個人投資家を中心とした短期資金の流入が活発化する。19日は前日18日の米国株市場でNYダウが500ドルを超える下げをみせたほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も400ポイント近い急落となったことを受け、全体相場はリスクオフ一色の展開となっており、大きく下値を試す動きとなった。なお、日経レバの売買代金は全市場を通じてトップとなった。

■トヨタ <7203>  2,303円 (-120.5円、-5.0%)

トヨタ自動車 <7203> が3日ぶりに急反落。年初からほぼ一貫した上昇波動を形成し全般主力株が軟化するなかで最高値街道を走る異彩の強さをみせていたが、足もとでは全体相場の地合い悪に抗せず、売りに押される展開を余儀なくされた。半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大に伴うマンパワー不足など、サプライチェーン問題が自動車の生産体制に多大な影響を与え、今年度の世界生産が計画ラインの900万台に届かない見込みと伝わったことが、ネガティブ材料として売りのニーズを増幅させたようだ。

■Sansan <4443>  1,633円 (-79円、-4.6%)

Sansan <4443> が大幅に5日続落。同社はクラウド名刺管理サービス「Sansan(サンサン)」を展開している。高い成長性が評価され、昨年年初から11月の3642円まで株価は2倍強に上昇したが、全体相場が軟調に推移するなか足もとでは売りに押される展開となった。岩井コスモ証券は18日、同社株の投資判断を「A」から「B+」に引き下げた。目標株価は3500円から2000円に見直した。同証券では、米国の長期金利上昇が警戒されている状況では同社のような高PER株の上値は抑えられやすい傾向があることなどを顧慮して、投資判断をいったん引き下げている。

■ウエルシア <3141>  3,090円 (-105円、-3.3%)

ウエルシアホールディングス <3141> が大幅続落。同社は18日取引終了後、ドラッグストア運営のコクミン(大阪市住之江区)及びフレンチ(大阪市住之江区)と資本・業務提携を行うと発表した。ウエルシアでは6月1日に、コクミンは議決権割合76.26%、フレンチはすべての株式を取得する予定で、クロージングに向けて今後協議を開始する。取得価格は非公表。2社は専門性の高いドラッグストアを北海道・関東・関西・九州など主要都市の大型商業施設・空港・駅前駅中・繁華街・住宅地などの好立地に出店している。子会社化により、都市型店舗、全国への出店網拡大が図られるとしたが、全体相場の地合いが悪化しているなか、好反応は限られたようだ。

■シマノ <7309>  26,910円 (-785円、-2.8%)

シマノ <7309> が大幅に5日続落。18日の取引終了後、1月25日付で40万株(発行済み株数の0.43%)の自社株を消却すると発表したが、全般相場の下落もあって好材料視する動きは限定的となった。なお、消却後の発行済み株数は9199万株となる予定だ。

■スターゼン <8043>  1,953円 (-47円、-2.4%)

スターゼン <8043> が大幅に5日続落。同社は18日取引終了後、中国子会社を上海市に全額出資で設立したと発表した。運営開始は4月を予定。中国では人口増加や経済発展に伴って食肉需要が拡大する一方、国内生産による供給ではまかないきれないことから、近年は食肉輸入量が急増している。今後もこの傾向は続くと予想されるなか、スターゼンでは豪州産牛肉などの輸入食肉や、将来的な和牛をはじめとした国産食肉の販売、加工品の製造・販売などを目的に、現地法人を設立した。

■三菱UFJ <8306>  690.7円 (-13.2円、-1.9%)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が続落。同社をはじめメガバンクが揃って続落スタートとなった。米長期金利上昇を背景とした運用環境の改善期待を追い風に、PER、PBRともに割安感が際立ち、高配当利回りにも着目した買いが続いていたが、足もとでは利益確定を急ぐ動きが表面化した。ここにきてインフレに対する懸念からFRBの金融引き締め前倒しに対する思惑が一段と強まり、米国債券市場では長期金利の上昇基調が強まっている。金利上昇は大手金融株にとって基本的にプラス材料だが、前日18日はゴールドマン・サックス <GS> が発表した21年10-12月期決算が不調だったことで、株価は7%安と急落し、他の金融株も軒並みこれに追随して売り込まれるリスク回避色の強い地合いとなった。米国ではインフレに伴う賃金上昇圧力が警戒されており、金利上昇が金融株の買いに直結しない状況となっている。東京市場でもリスクオフの連鎖でメガバンクの上昇に歯止めがかかったようだ。

■SBG <9984>  5,412円 (-96円、-1.7%)

ソフトバンクグループ <9984> が続落。下値では押し目買いが観測されたが、売りに押される展開となった。19日は、同社が出資するインドのオヨ・ホテルズが新規公開で90億ドルの評価額を目指していると伝わったものの、個人投資家の信用買い残の多さが需給面での重石となったようだ。

■INPEX <1605>  1,129円 (-13円、-1.1%)

INPEX <1605> が反落。そのほか、石油資源開発 <1662> 、ENEOSホールディングス <5020> といった石油関連株は朝高後、値を消す展開となった。18日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の2月限が前日17日比1.61ドル高の1バレル=85.43ドルに上昇した。一時、86ドル台に上昇し7年ぶりの高値圏に値を上げた。ウクライナ情勢が緊迫していることに加え、アラブ首長国連邦(UAE)に親イラン武装組織からとみられる攻撃があり中東の地政学リスクが高まっていることも原油価格の上昇要因となった。ただ、INPEXは18日に昨年来高値を更新するなど、ここ石油関連株は上昇基調を強めていることもあり上値では売りに押される展開となったようだ。

※19日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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