10-12月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 33社選出 <成長株特集>

特集
2022年2月20日 19時30分

3月期決算企業の4-12月期決算がほぼ出そろった。本特集では、直近3ヵ月実績である10-12月期(第3四半期)に経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した企業にスポットライトを当てた。今回は第1弾として、時価総額3000億円超の銘柄(銀行を除く)を対象に、利益倍増企業として33社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。なお、下表では四半期ベースの「増益連続期数」、4-12月期経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。

増益率トップとなったのは、ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]。21年10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期の1.3億円から31.8億円に急拡大し、3年ぶりの利益水準となった。世界的な設備投資需要の拡大を背景に、産業用ロボットや半導体製造装置向けに精密制御減速装置の受注が好調だった。

2位のJR東海 <9022> は新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたことで、東海道新幹線などの利用客が回復し、10-12月期の経常利益は前年同期比17.8倍の523億円と4四半期ぶりの黒字に浮上した。鉄道株では東武鉄道 <9001> が10位、JR九州 <9142> が29位、京王電鉄 <9008> が32位にリスト入りしている。

東京ディズニーリゾートを運営する4位のオリエンタルランド <4661> は、昨年10月下旬から入園者数の上限を段階的に引き上げてテーマパークを運営したうえ、グッズや飲食販売の増加で1人当たり売上高も伸び、10-12月期の収益は想定を上回った。業績回復を踏まえ、22年3月期の通期見通しを上方修正しており、株価は上場来高値圏を快走する展開となっている。

16位の三越伊勢丹ホールディングス <3099> も緊急事態宣言が解除された10月以降、客足が戻り、10-12月の国内百貨店売上高は3ヵ月連続で前年実績を上回った。クリスマスや年末に向けた消費意欲の高まりを受けて、ラグジュアリーブランドや宝飾品などの高付加価値商品が好調だった。併せて、通期見通しを上方修正したことも好感され、株価は17日に988円と約2年1ヵ月ぶりの高値をつけている。

5位の川崎汽船 <9107> 、7位の商船三井 <9104> 、11位の日本郵船 <9101> の海運大手3社は、旺盛な貨物需要が継続するなか業績が絶好調だ。10-12月期はコンテナ船事業で3社が共同出資する持ち分法適用会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)の業績が大幅に改善し持ち分法投資利益が急拡大したほか、ばら積み船の市況高騰なども追い風となり、川崎汽と郵船は4四半期連続、商船三井は3四半期連続の過去最高益を果たした。3社の株価は全体軟調相場に逆行し、強調展開を続けている。いずれも予想PERが2倍以下と極めて割安感が強いうえ、3月期末を前に配当利回りが高水準なことも株価を下支えしている。

同じく高配当バリュー株の総合商社、三井物産 <8031> 、三菱商事 <8058> 、双日 <2768> 、丸紅 <8002> の4社は資源高を追い風に業績を伸ばし、株価は異彩高を演じている。また、原油価格の上昇で在庫評価益が膨らんだENEOSホールディングス <5020> と出光興産 <5019> の株価も頑強な動きとなっている。

このほか、製造業では引き続き半導体関連の好調が目立つ。半導体パッケージメーカーの新光電気工業 <6967> 、半導体製造装置大手のSCREENホールディングス <7735> と東京エレクトロン <8035> 、半導体試験装置を主力とするアドバンテスト <6857> が入ったほか、6位にリストアップされた電子顕微鏡で世界最大手の日本電子 <6951> は半導体向け電子ビーム描画装置が好調だった。

  ┌ 経常利益 ┐   増益  対通期 予想

コード 銘柄名    増益率 10-12月期 連続期数 進捗率  PER

<6324> ハーモニック  2260   3186     5  82.3 81.6

<9022> JR東海    1679   52380     3   -   -

<7013> IHI     1304   21165     3  68.3 10.1

<4661> OLC      542   18583     1   -   -

<9107> 川崎汽      494  195612     6  80.3  1.4

<6951> 日電子      492   5378     3  84.4 37.8

<9104> 商船三井     436  215848     6  75.0  1.8

<5020> ENEOS    375  187023     4   114  5.2

<7201> 日産自      360   71505     4   -  11.7

<9001> 東武       354   14161     3   106 67.4

<9101> 郵船       303  301081    12  75.1  1.9

<7752> リコー      278   14729     3  56.5 18.7

<5401> 日本製鉄     276  293875     5   -  3.6

<6305> 日立建機     236   23705     4  75.3 12.1

<8031> 三井物      232  291550     4   -  5.9

<3099> 三越伊勢丹    202   10999     3  97.1 52.9

<6967> 新光電工     199   23278     9  78.3 13.5

<9684> スクエニHD   181   22958     2   109 19.0

<7735> スクリン     176   16121     5  77.5 15.2

<8058> 三菱商      172  407195     3   -  7.4

<2768> 双日       169   32520     3   -  5.7

<5019> 出光興産     162  105900     1  91.8  4.1

<6963> ローム      155   23945     4  93.6 18.1

<4188> 三菱ケミHD   154   61012     5  63.5  6.2

<8035> 東エレク     149  155618     4  75.6 21.3

<6857> アドテスト    146   34075     4  70.7 21.0

<6113> アマダ      144   9679     2   -  13.5

<6753> シャープ     142   33758     4  76.9  9.4

<9142> JR九州     139   8031     3   101 42.1

<4021> 日産化      131   13516     5  69.1 25.0

<5411> JFE      121  110624     5  82.6  3.6

<9008> 京王       113   6957     3   222  363

<8002> 丸紅       106  145437     6   -  5.4

※経常利益の単位は百万円。

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