来週の株式相場に向けて=海外筋主導の相場、2万7000円台に挑む
日経平均株価は18日まで5連騰し、3月1日以来となる2万6800円台を回復した。この急反騰の要因としては「ウクライナとロシアの停戦交渉進展に向けた期待」があるほか、「米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したことによるあく抜け感」が指摘されている。加えて原油の上昇が一服したことも大きい。特に、ウクライナ情勢に関しては9日に2万5000円を割り込んだ時点で「戦争長期化を前提にしたある程度の最悪状態は織り込んだ」(市場関係者)との見方が出ている。
そんななか関心を集めているのが外国人動向だ。東証によると7~11日に海外投資家は9900億円超と6年ぶりの大量売り越しを記録した。この週、東京市場でもウクライナ情勢を警戒した欧州筋の売りが観測されていた様子だ。また、「中国・香港市場の急落に対するヘッジ売りを東京市場で仕掛ける動きもあったようだ」(同)という。
これら海外筋の売りは足もとでは買い戻しとなって東京市場を押し上げている。とりわけ、今後の焦点は2万7000円台を突破できるかだ。当然、ウクライナ情勢に左右されるが「ここから上の水準では戻り売りも出てくるだろう」(アナリスト)とも予想されるだけに、売りをこなすだけのポジティブ材料が出てくるかが注目される。
反発局面を牽引したのは東京エレクトロン<8035>やソニーグループ<6758>などのハイテク株だが、市場関係者からは三井ハイテック<6966>の急騰にみられるように電気自動車(EV)シフトに絡む銘柄に注目する声が出ている。また、洋上風力発電の公募見直しに対する期待からレノバ<9519>が急騰したが、再生可能エネルギー関連株の見直しでウエストホールディングス<1407>やテスホールディングス<5074>などが再評価される可能性もある。
来週は、国内外ともに目立ったイベントは予定されていない。海外では23日に米2月新築住宅着工件数、24日に米10~12月経常収支が発表される。21日にナイキ<NKE>が決算発表を行う。国内では、21日が春分の日で休場。23日に東証マザーズにTORICO<7138>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6500~2万7400円。(岡里英幸)