【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─株式市場は修正高へ!最大の難敵「不透明感」が後退
「株式市場は修正高へ!最大の難敵『不透明感』が後退」
●米利上げ幅が決着、経済は巡航速度で成長
0.25%になるのか、0.5%になるのか? それとも0.75%。いや、いや、1%もなくはない。
金融市場で数カ月にわたって議論されてきた米政策金利の引き上げ幅にようやく決着が着いた。3月は0.25%。
私も0.25%が適切との考えだったので、まずは安堵だ。利上げの実施は18年12月以来のこと。そのため、いきなり0.5%では負担が重く、経済にマイナスの影響を与える恐れがあった。
しかし、利上げは年内にあと6回は行う予定であることが表明された。ということは、毎回最低0.25%引き上げた場合、年末には政策金利は1.75%になる。
途中0.5%の引き上げが1~2回混じったりすることもあり得るため、その場合、年内金利は2%に届くこともあり得ると想定しておきたい。
さらに、これだけではない。来年も3~4回の利上げを想定し、その結果、23年末には政策金利は長期的な目安となる2.4%を上回るという道筋も示された。
そんなに引き上げたら景気にマイナスとなり、株式市場も下げてしまうのではないか。こう思うかもしれないが、それはないだろう。
株式市場が嫌うのは、金利が上昇することではないからだ。不透明感。これが売り要因になるのであり、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げの道筋を可能な限り明らかにしていることで不透明感が薄らぐのは、株式市場の上昇要因になる。
では、金利上昇による経済への負担はどうか。この点については、目下のところ米国経済は順調に成長していることから考えて、利上げによってインフレの進行が止まるなら、経済は巡航速度の成長を続ける可能性が高いと見るのが自然だ。
以上を踏まえると、現在の東京市場の水準は、日米経済の潜在成長力を軽視するか、無視しているとしか思えず、今後修正されると見てよい。
●注目したい廃棄物処理、資源高も追い風に
そこで今後、修正高が見込める銘柄としては、まずは廃棄物処理事業を展開している企業になる。廃棄物処理は、単に廃棄物を処理するだけではない。それを再生活用するのに加え、発電事業へも展開している。
これらには、鉄鋼・非鉄材料となるスクラップや銅・鉛、金銀などの価格上昇によるメリットをフルに受けている企業がある。 バイオマス発電に展開している企業もあり、当然大きな収益源となっている。
しかし、市場はこれらの材料を正当に評価しているとはいえないため、まずはミダックホールディングス <6564> だ。浜松に本拠を置き、東海地域を中心に事業展開しているが、埼玉県熊谷市に焼却施設用土地を取得し、関東進出を目指している。将来の収益源になると見てよい。
リファインバースグループ <7375> [東証M]も低空飛行から浮上の兆しを見せ始めたところであり、期待が持てる。この会社は産業廃棄物の再資源化で合成樹脂素材を製造販売している。廃棄漁網で再生ナイロンを製造するなど、地味ながら環境保全に注力している。
廃液、廃油の再生に強いのがダイセキ <9793> 。原油価格の高騰が続いていることを考えると、この会社が手掛けるリサイクル燃料事業は、さらに伸びると見てよい。
目先株価に少々上がり過ぎ感があるため、浅い押し目を待つという条件付きでTREホールディングス <9247> も魅力的だ。この会社はバイオマス発電施設を保有運営しており、経営も順調だ。
他業種の銘柄にも目を向けておくと、日本M&Aセンターホールディングス <2127> がある。株価は昨年11月以降売られ続けていたが、ようやく浮上の兆しを見せ始めた。
最後に高値であることは承知の上で日立物流 <9086> を。ウクライナ危機は依然先行きが見えないものの、国際航空運輸が好調であり、浅い押し目を見逃さないようにしたい。
2022年3月18日 記
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