この記事はプレミアム会員限定です

配当期待が最も大きい銘柄のランキングで2位はJT、ではトップは?

特集
2022年4月23日 10時00分

第3回 日本株&アメ株で勝つ人(データ分析・全体編その3)

日本株&アメ株で勝つ人~個人投資家4800人の調査で判明!

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー
ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

全体編その1「日本株で含み益が最も大きい銘柄のランキング・トップは『オ』で始まる銘柄」を読む

全体編その2「あの海運株がトップに、売買益期待が最大・2番目・3番目の各上位30は!」を読む

『株探』編集部が実施した第2回 「株探-個人投資家大調査」(2022春)のデータ分析・全体編の3回目は、

今後6カ月の日本株の投資態度や狙い方

日本株投資で注視する指標および情報

配当期待が最大・2番目・3番目について、各上位30のランキング

――などを紹介する

今後6カ月先の見通しは「中立」「弱気」「強気」の順

まず、今後6カ月先の投資態度については、「中立」がトップで、次に「慎重」、そして3番目が「強気」となった。米国の金融引き締めとロシアによるウクライナへの軍事攻撃、そして急速なインフレ進行などで、強気になりにくい状況を反映している。

昨年の調査では、強気が45%と最も多く、慎重の21%を2倍上回る水準となっていた(参考)。

■今後6カ月先の見通し

順位見通し全体
1中立33.8%
2慎重31.4%
3強気27.8%
4分析中7.0%
注:回答数は4765

強気と弱気の理由を示したのが、以下の2つの表だ。

強気の理由を上位から見ていくと、トップが「下落からの反発期待」となり、わずかの差で「景気・業績の拡大期待」が続き、3番目が「地政学リスクの後退」だった。

4番目は「追加経済対などの政策期待」となったが、その割合は約16%と、3位の約52%から36%ポイントも低い水準だった。

足元では、参院選を念頭にした補正予算の編成が永田町での話題になっている状況だ。だが、1カ月~半月前の回答時点では、「追加経済対策」に対して期待する個人投資家は多くないという結果だった。また「日銀の緩和継続への期待」も14.6%と低水準となっている。

■強気の理由

順位理由全体
1下落からの反発期待59.2%
2景気・業績の拡大期待56.6%
3地政学リスクの後退51.9%
4追加経済対策などの政策期待15.8%
5日銀の緩和継続14.6%
6米中間選挙での政策期待13.2%
7米金融政策の緩和転換10.6%
8その他8.0%

注:回答は3つまで。母集団と回答数は1612と3043。
合計は100%を超える

根強い「岸田政権への政策不信」

弱気の理由のトップは、「地政学リスクの深刻化、長期化懸念」で約61%の回答者が挙げた。2番目は「岸田政権の政策不信」で、その割合は約58%と1位とほぼ同水準となった。

昨秋、「新しい資本主義」を掲げる岸田政権の誕生に、株式市場は「岸田ショック」で反応したことは記憶に新しい。その状況は半年ほど経っても、投資家の間では根強く残っている状況が見て取れる。

それは、岸田政権への政策不信を挙げた回答者の割合が、3位の「米国の金融引き締め」と4位の「景気・業績の悪化」より20%ポイント近く高いことからもうかがえる。

米国の金融政策や景気・業績は、世界中の投資家が注視する材料。そんな"王道の懸念材料"よりも、岸田政権への不信が高いのは、ホームカントリー・バイアスを考慮しても特異な状況かもしれない。

■弱気の理由

順位理由全体
1地政学リスクの深刻化・長期化懸念60.9%
2岸田政権の政策不信57.7%
3米国の金融引き締め41.7%
4景気・業績の悪化39.5%
5日銀の緩和政策の変更24.1%
6投資家心理・需給の悪化21.8%
7米政権の基盤悪化8.8%
8その他4.3%
注:回答は3つまで。母集団と回答数は1324と3869。合計は100%を超える

6カ月先の狙い方については、「売上・利益の高成長」に注目するがトップで、次に「割高回避」だった。前回記事で見たように回答者の投資スタイルはバリュー重視が最大であったが、全体の回答では、「インカムゲイン重視」や「ディフェンシブ系への配分増」の選択は低かった。

ただし、バリュー派だけで見れば、

トップは「割高回避」、

2番目が「売上・利益の高成長」、

3番目が「インカムゲイン重視」、

4番目が「期待のテーマへの配分増」

――となっている。

グロース派の中では、

トップが「売上・利益の高成長」、

2番目が「成長セクターへの配分増」、

3番目が「期待のテーマへの配分増」、

4番目が「割高回避」

――となっている。

バリュー派は割安成長株を狙う層が多く、グロース派はスタイル通りに業績モメンタムが強い銘柄を狙いつつ、足元では株価水準が高いものは回避しようとしている姿勢がうかがえる。

■6カ月先の狙い方

順位狙い方全体
1売上・利益の高成長44.5%
2割高回避41.8%
3期待のテーマへの配分増35.1%
4成長セクターへの配分増30.9%
5株価モメンタム重視19.9%
6インカムゲイン重視18.9%
7ディフェンシブ系への配分増12.4%
8高ボラ回避10.0%
9景気敏感系への配分増7.7%
注:回答は4つまで。母集団と回答数は4765と10537。合計は100%を超える

参考にしている指標・情報は以下の通りになる。

■参考指標・情報

順位参考指標・情報全体
1国内の株価動向57.5%
2米国の株価動向50.0%
3FRBの金融政策48.6%
4米国の金利・物価水準36.3%
5日本の政策35.2%
6日経22の5先物・オプション33.5%
7ドル円為替レート33.2%
8米国の政策31.0%
9日銀の金融政策28.7%
10米雇用統計21.9%
11国内の金利・物価水準19.4%
12コモディティー価格16.9%
13中国の政策12.1%
14投資部門別売買状況(東証)9.3%
15日銀短観9.2%
16国内外の実質GDP成長率6.9%
17国内の雇用・賃金に関する統計4.9%
18ない4.6%
19貿易もしくは経常収支4.4%
20その他3.5%
21日銀の展望レポート3.2%
22中国のPMI2.4%
23ドルインデックス2.3%
24OECD景気先行指数2.0%
注:回答はいくつでも。母集団と回答数は全体が4164と23471。合計は100%を超える

「利回り2桁台」の海運株、トップ3に2社

最後に、配当期待の大きい銘柄のランキングを紹介する。大きさを「最大」「2番目」「3番目」と分けて、それぞれの上位30を以下に掲載した。

配当期待が最も大きい銘柄では、トップ3に配当利回りが2桁台の郵船<9101>と商船三井<9104>がランクイン。さらに1回目の記事で見た含み益が最大の銘柄のトップだったオリックス<8591>も3位になっている。配当利回りが2桁台の海運株では、1回目の記事で含み損の大きい銘柄の29位に入った乾汽船<9308>も入っている。

なお、下に記載した銘柄のうち重複を除いた42銘柄について

業種、

時価総額、

配当利回り、

3期平均配当性向、

総還元性向、

をまとめた表を、次ページに掲載した。こちらはプレミアム会員向けとなっている。

次回データ分析・全体編では、『株探』および『株探プレミアム』の活用内容、日本株以外の投資対象の動向、そして株主優待の期待が大きい銘柄のランキングなどを紹介する。

■配当益期待が1番目・2番目・3番目に大きい銘柄

最も大きい2番目に大きい3番目に大きい
順位銘柄名<コード>順位銘柄名<コード>順位銘柄名<コード>
1郵船<9101>1商船三井<9104>1オリックス<8591>
2JT<2914>2三菱UFJ<8306>2JT<2914>
3商船三井<9104>3JT<2914>3SB<9434>
3オリックス<8591>4オリックス<8591>4三菱UFJ<8306>
5三菱UFJ<8306>5SB<9434>5三井住友FG<8316>
6武田<4502>6三井住友FG<8316>6川崎汽<9107>
7SB<9434>7郵船<9101>7ENEOS<5020>
8三井住友FG<8316>8武田<4502>8JFE<5411>
9トヨタ<7203>9日本製鉄<5401>9武田<4502>
10JFE<5411>10三菱商<8058>10トヨタ<7203>
11三菱商<8058>11JFE<5411>11三菱商<8058>
12日本製鉄<5401>12KDDI<9433>11郵船<9101>
13KDDI<9433>13トヨタ<7203>13KDDI<9433>
14NTT<9432>14ENEOS<5020>14日本郵政<6178>
15ENEOS<5020>15NTT<9432>15NTT<9432>
16INPEX<1605>15丸紅<8002>16商船三井<9104>
17明和産<8103>17日本郵政<6178>17住友商<8053>
18日本郵政<6178>18住友商<8053>18丸紅<8002>
19丸紅<8002>19INPEX<1605>19INPEX<1605>
20三井物<8031>20三井物<8031>20伊藤忠<8001>
21乾汽船<9308>21みずほFG<8411>21日本製鉄<5401>
22みずほFG<8411>21三菱HCキャ<8593>21みずほFG<8411>
23住友商<8053>23伊藤忠<8001>23三井物<8031>
23川崎汽<9107>24キヤノン<7751>23三菱HCキャ<8593>
25伊藤忠<8001>24川崎汽<9107>25明和産<8103>
26キヤノン<7751>26住友鉱<5713>25乾汽船<9308>
27東京海上<8766>27特殊陶<5334>27コニカミノル<4902>
28双日<2768>27明和産<8103>27キヤノン<7751>
28花王<4452>27りそなHD<8308>29双日<2768>
30ケイアイ不<3465>27乾汽船<9308>30ヤマダHD<9831>
30任天堂<7974>
注:回答数は配当期待の1番目が759、2番目733が、3番目が767

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 配当期待銘柄の関連一覧表

 

こちらは株探プレミアム限定記事です。プレミアムプランをご契約して読むことができます。
株探プレミアムに申し込む (初回無料体験付き) プレミアム会員の方はこちらからログイン
プレミアム会員になると...
株価情報をリアルタイムで提供
企業業績の表示期数を拡大
限定コラムが読み放題

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.