【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─東京市場に育つ大きな3つの柱!
「東京市場に育つ大きな3つの柱!」
●消費関連の2グループも魅力的だが……
6月相場は、第1週の日経平均株価が前週比プラスとなったことで好スタートを切ったことになる。上昇要因は、日本株の見直しによる主力株中心の買い。米国市場の反発も、これをサポートする形になっている。
好ましいのは、東京市場で「3つのテーマ&業種グループ」が大きな柱に育ちつつあることだ。それは次の3つとなる。
それぞれ魅力的だが、特にインパクトが強いのは(1)の「国家安全保障関連グループ」になる。何しろ、国の安全保障に関わる企業群なのだから魅力的なのは当然であり、すでに多くの銘柄が浮上中だ。
インパクトという点ではやや大人しいものの、今後長期にわたって浮上を続ける可能性が高いのは(2)の「国内消費関連グループ」であり、値上げに踏み切った食品や飲料などのほか化粧品、ファッションとあらゆる消費分野に及ぶことになる。
6月10日から外国人旅行者の受け入れが再開されることから、(3)の「インバウンド関連グループ」ももちろん魅力的であり、今後年末にかけて意外高が見込める。当初は団体ツアーに限定されるが、いずれ個人旅行の受け入れも始まるだろうから、そうなるとまた全国各地の観光地は“爆買い”の中国人を含めて海外観光客であふれるようになる、と見るのが自然だ。
●ハイブリッド戦争時代が到来、裾野広がる安全保障関連
しかし、今回は(2)や(3)は脇に置いて、改めて(1)に目を向けたい。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などで地政学的リスクの高まりとともに、国の安全保障に関わる産業の重要性も見直されつつある。
この分野の銘柄は、従来は「防衛関連株」と呼ばれてきた。正直なところ、私もその呼び方が馴染みがあって親しみが持てる。しかし、いまは「ハイブリッド戦争」の時代である。従来の銃火器類だけでなく、電子部品や情報関連機器類も「武器」になり得る。そのため、「防衛」の範囲が広がり、当然銘柄も広がることになる。
つまり、三菱重工業 <7011> [東証P]や川崎重工業 <7012> [東証P]、IHI <7013> [東証P]のトリプル重工企業だけではない、ということになる。
もちろん、これら3社も国家安全保障関連銘柄としては欠かせず、今後も有望銘柄であり続けるだろう。だが、今回はこれら以外の銘柄に注目したい。
まずは航空機の製造に目を向けると、防衛省向け救難飛行艇を製造している新明和工業 <7224> [東証P]、ヘリコプターを納入しているSUBARU <7270> [東証P]がある。航空機製造用の工作機械に強い牧野フライス製作所 <6135> [東証P]や航空機向け慣性システム技術で強みを持つ日本航空電子工業 <6807> [東証P]も忘れないようにしたい。
航空機の軽量化も求められるため、高品質の金属チタンで世界首位の大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> [東証P]、チタンの製錬に強い東邦チタニウム <5727> [東証P]も。ただ、両銘柄とも明らかに高値圏にあるため、押し目を待ちたい。
航空機の軽量化となると、炭素繊維も不可欠である。値動きはゆっくりながら東レ <3402> [東証P]になる。
最後に、空から海に目を転じよう。古野電気 <6814> [東証P]だ。船舶用電子器機の世界的メーカーで、主力製品は魚群探知機や電子海図になるが、高度精密技術を持つ企業である。株価はまだ手掛けやすい水準なので魅力的だ。
2022年6月3日 記
株探ニュース