【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─絶不調から這い上がる"復活企業"に注目!
「絶不調から這い上がる“復活企業”に注目!」
●外国人投資家の日本株売りが重荷に
月末は上昇で終り、月初も同じであってほしい。これが投資家共通の願いだ。ところが、6月29日の日経平均株価は244円安、30日は411円安、そして7月1日は457円安と月をまたいで3日続落。1日には一時551円ほど下げていた。
何が起きているのか? 外国人投資家たちの売り――こう見るのが自然だ。彼らの売りは6月第3週(6月13日-17日)に大量に出て、現物は8044億円に達し、同週では最大の売り手になった。それを逆張りの個人投資家が買い受けた形になったのだが、外国人たちの売りは第4週(20日-24日)も1656億円と縮小はしたものの続き、個人投資家も今度は売りに回ってしまった。
こんな状況となっているのは、米国市場が不安定だからだ。外国人投資家たちの主戦場は、もちろん米国市場だ。そこが年初から下落続きなのだ。NYダウは年初から下げ始めて、まだそれが止まらない。しかし、もっと厳しい状況に陥っているのがナスダックだ。同市場はNYダウより一足先の昨年11月から下げ続けており、こちらもまだ止まっていない。
一時、日本の投資家たちの間で「米国株さえ買っていれば大丈夫。目が覚めたらお金持ちになっている」という声さえ聞かれたが、いまや市場の歯車は逆回転しているのだ。
当然、外国人投資家たちも浮き足立っていると見てよい。運用資金が巨額であっても、巨額であればあるほど損失も大きくなるからだ。そのため、日本株に対しても積極的な見方はできず、売り目線で対応している。こう見てよいが、問題は彼らの売りがいつまで続くかだ。
●7月利上げ後は米国市場も落ち着くか
7月の利上げは26日・27日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で決まるため、それまで連銀理事やアナリストたちが金融政策についてあれこれと独自の見解を述べまくるので、市場もその影響を免れないだろう。
しかし、7月利上げの後は、8月のFOMC開催はなく、次は9月20日・21日になる。その間は市場の攪乱要因となる要人発言も少なくなると見てよく、米国市場も落ち着きを取り戻す。そして、東京市場も上がりやすくなる。これが私の想定シナリオだ。
そこで目を向けたいのが、昨年まで絶好の動きだった半導体関連株などとは対照的に、絶不調に陥っていた企業群になる。それらの中には最悪期を脱し、収益が好転しつつある企業がある。つまり、復活企業だ。
まずはニデックオーケーケー <6205> [東証S]だ。中小型マシニングセンターに強いが、業績不振に陥り日本電産 <6594> [東証P]の傘下に入った。永守会長が直々に再建策を実行中であり、日本電産よりもこちらの方が株価の上昇確率は高いだろう。
バーバリーとの契約が切れたことで経営不振が続いた三陽商会 <8011> [東証P]も、ようやく業績が上向いてきた。百貨店の集客力が高まりつつあることを考えると、今後はさらなる収益改善が見込め、株価も期待が持てる。
18年に不正工事が発覚、倒産寸前状態に陥ったレオパレス21 <8848> [東証P]は、ソフトバンク系ファンドの支援を受け、得意とする単身者向けアパート転貸が回復に転じ始めている。ネガティブなイメージはまだ完全に払拭されていないため、株価の値動きは荒いが、基調は蘇生方向にあると見てよい。
ファッション業界ではブランド力の高い企業も苦戦に陥った。ワールド <3612> [東証P]、オンワードホールディングス <8016> [東証P]、そして紳士服では青山商事 <8219> [東証P]やAOKIホールディングス <8214> [東証P]だ。これらもようやく明るい展望が見えてきている。
飲食業にも目を向けておこう。この分野でも知名度が高く、消費者の支持も強力だった企業が収益の急悪化に苦しんだ。しかし、それも終わりつつあり、「串カツ田中」を展開する串カツ田中ホールディングス <3547> [東証S]、大衆割烹「庄や」を運営する大庄 <9979> [東証S]が魅力的だ。
2022年7月1日 記
株探ニュース