最高益【復活】銘柄リスト〔第2弾〕31社選出 <成長株特集>

特集
2022年7月3日 19時30分

本特集では、23年3月期に数年ぶりに最高益更新を見込む“復活銘柄”にスポットライトを当てた。6月30日に配信した「最高益【復帰】銘柄リスト〔第1弾〕24社選出」に続き、今回は時価総額50億円以上1500億円未満の企業を対象に、23年3月期に増収増益を計画し、かつ経常利益が2期以上ぶりに過去最高益を更新する見通しを示している31社を選び出し、今期の増益率が大きい順に記した。

増益率トップとなったのは、ITbookホールディングス <1447> [東証G]。前期業績は経常利益が1500万円(前期比92.3%減)と従来予想の3億7400万円を大幅に下回って着地した。ECモールやアパレルなど経験のない事業への進出に伴う赤字拡大や過度な売上目標を掲げたことによるコスト増加が響いた。今期はITコンサルティング・システム開発や地盤調査改良といったコア事業に注力するほか、赤字事業からの撤退なども寄与し、経常利益5億9000万円と2期ぶり最高益更新を目指す。

2位に入った交換できるくん <7695> [東証G]はキッチン・トイレ・洗面台などの住宅設備機器と交換工事をセットでインターネット販売するというユニークなビジネスモデルを展開している。今期は半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大による商品供給遅延の影響が解消に向かうなか、売上高58億円(前期比20.7%増)、経常利益2.6億円(同2.5倍)といずれも過去最高を更新する見通しだ。

4位にリスト入りしたさくらインターネット <3778> [東証P]の今期経常利益は前期比89.5%増の12.3億円と12期ぶりの最高益更新を見込む。デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の到来で需要拡大が見込まれるクラウドビジネスへ経営資源を集中するなか、収益性の高いクラウドサービスの成長が継続する。また、サーバー・ネットワーク機器費用の減少やコスト最適化の進展も大幅増益につながる。

9位のユアサ商事 <8074> [東証P]は住宅設備・管材・空調や工作機械などを取り扱う複合専門商社。今期はAI/IoT・ロボット技術を用いた自動化や環境・省エネへの設備投資需要が一段と拡大するなか、経常利益ベースで4期ぶりの最高益更新を狙う。業績好調に伴い、配当は前期比17円増の140円に増配する方針のうえ、170万株(発行済み株式数の7.62%)を上限とする大規模な自社株買いを実施するなど、株主還元にも積極姿勢をみせる。株価は年初来高値圏で頑強な動きを続けている。

12位に入ったのは消化器系分野を中心とする製薬中堅のゼリア新薬工業 <4559> [東証P]。今期の経常利益は前期比17.9%増の70億円と9期ぶりに過去最高益を更新する計画だ。医療用医薬品事業でクロストリジウム・ディフィシル感染症治療薬「ディフィクリア」や潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」の海外販売が増加するほか、国内は貧血治療剤「フェインジェクト」や機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」が伸びる。また、コンシューマヘルスケア事業では滋養強壮剤「ヘパリーゼ」の売上回復を見込む。決算発表と同時に、増配方針や自社株買いの実施を発表したことも評価され、株価は年初来高値圏を走る展開となっている。

18位の博展 <2173> [東証G]はディスプレー制作など企業・団体のイベントマーケティング支援を手掛ける。前期業績はコロナ禍によるマイナス影響を大きく受けたリアルイベント分野が急回復に転じ、経常損益は赤字に転落した前の期から一転して6.1億円の黒字とV字回復を遂げた。今期は豊富な受注残高を背景に、20年3月期に記録した過去最高益を3期ぶりに更新する見通しだ。リオープン関連の好業績銘柄として注目され、株価は6月29日に19年2月以来の高値833円まで上値を伸ばした。

    ┌ 経常利益 ┐   ┌ 売上高 ┐   最高益  予想

コード 銘柄名    増益率 23年3月期 増収率 23年3月期 間隔期数  PER

<1447> ITbook  3833    590   8.4   28500    2  32.5

<7695> 交換できる    155    260  20.7   5800    2  55.8

<7087> ウイルテック   107   1340  13.2   33920    2   6.3

<3778> さくらネット  89.5   1230   1.7   20350   12  24.3

<9325> ファイズHD  55.6    890  24.7   22500    2  14.8

<8070> 東京産     47.0   3800  34.4   80000    3   6.7

<3835> eBASE   24.2   1350   5.7   4600    3  26.4

<9078> エスライン   23.7   1770   3.6   50000    4   7.9

<8074> ユアサ商    23.5   14500   5.9  490000    4   7.8

<6625> JALCO   19.9   1200  25.8   3500   22  23.0

<9733> ナガセ     18.2   6093  11.6   55118    7  10.9

<4559> ゼリア新薬   17.9   7000  10.9   66000    9  16.8

<6508> 明電舎     17.6   12000   5.9  270000    3  10.9

<9908> Denkei  15.5   3500   8.9  100000    4   6.6

<9857> 英和      15.0   1850   7.0   40000    2   6.6

<9698> クレオ     13.8   1260   3.8   15350    2   9.4

<8020> 兼松      11.2   32000  10.7  850000    4   6.2 *

<2173> 博展      10.0    680  17.6   12500    3  13.1

<6230> SANEI    9.9   1640  13.0   26000    2   6.5

<2483> 翻訳センター   9.4    920   7.4   11100    4   8.0

<3943> 大石産      7.3   1639   8.3   21400    6   5.9

<9072> ニッコンHD   6.6   23000   8.5  215000    3   8.9

<9058> トランコム    5.5   8640   4.3  170000    2  10.3

<6566> 要興業      4.7   1367   4.6   12483    9  14.5

<5805> 昭電線HD    4.2   10300   8.9  217000   32   6.4

<7525> リックス     3.9   3100   9.8   43900    4   7.4

<1450> 田中建設工業   3.3   1482   4.8   10300    2   7.9

<6850> チノー      3.2   1800   6.4   23300    4  12.7

<8097> 三愛オブリ    2.9   13500   0.2  600000   12   8.1

<2705> 大戸屋HD   黒転   1379  33.6   25163    9  22.2

<4387> ZUU     黒転    370  10.1   3717    4  24.2

※経常利益の単位は百万円。

※最高益間隔期数は同一会計基準における期数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。22年1月以降に上場した銘柄は除いた。

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