来週の株式相場に向けて=ジャクソンホール待ちで夏枯れも

市況
2022年8月19日 17時44分

今週の日経平均株価は17日に一時2万9222円まで上昇し、1月5日につけた年初来高値(2万9332円)に迫った。7月以降の上昇率は10%を超えており、市場関係者からは「予想を超える強さ」との声も出ている。

相場急伸の原動力となったのは、売り方の買い戻しによる踏み上げの動きに加え、「商品投資顧問(CTA)など海外短期筋の先物買い」(アナリスト)とみられている。日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は一時14.5倍と昨年秋以来の水準に上昇したが、これはCTAなどが日経平均先物を中心に買い上がったことが主な要因だ。

ただ、日経平均株価は年初来高値を捉えたが、一段の上昇には強弱観が対立している。最大のポイントはやはり米国のインフレ懸念で、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)では、なお0.75%利上げの可能性は拭い去れない状況だ。そんななか、市場の関心を一身に集めているのが来週25~27日開催の米ジャクソンホール会議だ。とりわけ、26日に予定されているパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演に視線は集中している。

「パウエル議長が足もとのインフレや景気動向、それに量的引き締め(QT)の影響をどう見ているのかを確かめたい」(市場関係者)との声が多く、それまでは様子見姿勢が強まるとの見方が増えている。こうしたなか、すでにお盆休み明けで例年からはワンテンポ遅れるものの、来週は「夏枯れ相場」を迎えることも予想される。

こうしたなか、市場ではグロース株の上昇は一服しバリュー系の景気敏感株に物色が向かう可能性も指摘されている。丸紅<8002>や双日<2768>のような商社株や商船三井<9104>など海運株、それに石炭関連の三井松島ホールディングス<1518>なども高配当利回り銘柄として注目されそうだ。

来週は、米国では23日に7月新築住宅着工件数、24日に耐久財受注、26日に7月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表される。また、22日にはズーム<ZM>、24日にはエヌビディア<NVDA>の決算発表が予定されている。国内では26日に8月東京都区部消費者物価指数が公表される。来週の日経平均株価の予想レンジは2万8700~2万9300円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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