話題株ピックアップ【夕刊】(1):VIX短先物、キユーピー、高島屋

注目
2022年10月11日 15時11分

■VIX短先物 <1552>  2,517円  +188 円 (+8.1%)  本日終値

国際のETF VIX短期先物指数<1552>が大幅続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。10日の米VIX指数は前週末に比べ1.09(3.48%)ポイント高の32.45に上昇した。一時33.99まで値を上げた。7日に発表された米9月雇用統計が底堅い内容となり米インフレ懸念が払拭されないなか、10日のNYダウは4日続落しナスダック指数は新安値を更新した。こうしたなか、東京市場ではVIX短先物が値を上げている。

■コジマ <7513>  637円  +37 円 (+6.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

コジマ<7513>は急反発。前週末7日の取引終了後に発表した23年8月期業績予想は売上高が前期比2.1%増の2852億円、営業利益が同3.6%増の84億円となった。配当予想は据え置きの14円を見込んでおり、今期の堅調な業績見通しに対する安心感から買いが優勢となったようだ。接客力の強化や高付加価値商品の拡販のほか、太陽光発電や蓄電池など再生可能エネルギーを活用した商品の拡充を図っていく。同時に発表した22年8月期決算は、売上高が2793億7400万円、営業利益が81億700万円だった。

■シュッピン <3179>  1,370円  +65 円 (+5.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位

シュッピン<3179>は3日続伸。前週末7日の取引終了後に発表した9月度の月次情報で、売上高が前年同月比18.0%増の伸長となったことが好感された。免税売上高が回復基調にある時計事業とカメラ事業がともに好調に推移した。また、円安効果を受けて越境EC売上高も好調だった。新規Web会員数が堅調に推移しており、会員数は前月比3984人増の59万4588人となった。

■キユーピー <2809>  2,445円  +85 円 (+3.6%)  本日終値

キユーピー<2809>が4営業日ぶりに反発。同社は7日取引終了後、22年11月期第3四半期累計(21年12月~22年8月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比2.3%減の214億700万円にとどまったものの、通期計画260億円に対する進捗率が82.3%に達していることが買い手掛かりとなったようだ。売上高は同4.7%増の3182億1400万円で着地。海外での売り上げ伸長に加え、業務用での外食需要減少の影響が前期より回復したことが増収につながった。一方、利益面では主原料の高騰などが重荷となった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■高島屋 <8233>  1,800円  +58 円 (+3.3%)  本日終値

高島屋<8233>は3日続伸で年初来高値圏をまい進する展開。前週末7日の取引終了後に23年2月期業績予想の上方修正を発表。売上高を4315億円から4390億円(前期比42.3%減)へ、純利益を100億円から200億円(同3.7倍)へ引き上げたことが好感されたようだ。消費マインドの改善傾向が追い風となっているほか、円安進行による海外グループ会社の円建てでの押し上げ効果が寄与。また、固定資産の譲渡に伴う特別利益の計上が利益を大きく押し上げる見通し。きょうから新型コロナウイルスの水際対策が緩和されるとあって、インバウンド復活期待を背景に百貨店株は総じて強い動きをみせている。高島屋のほか、三越伊勢丹ホールディングス<3099>やエイチ・ツー・オー リテイリング<8242>、松屋<8237>が年初来高値を更新した。

■東京ガス <9531>  2,567円  +79 円 (+3.2%)  本日終値

東京ガス<9531>は3日ぶりに反発。前週末7日取引終了後、豪州子会社の液化天然ガス(LNG)権益について、4プロジェクトを投資会社に売却することを決めたと発表した。完了時期は2023年3月以降の見通し。23年3月期の業績に与える影響については現在精査中で、公表すべき事項が生じた場合、速やかに開示するとしている。売却額は数千億円で、LNG調達には影響はないとも伝わっている。売却に伴う利益計上への思惑に加え、事業の選択と集中に向けた取り組みを評価した買いが集まった。

■サカタのタネ <1377>  4,285円  -735 円 (-14.6%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

サカタのタネ<1377>が急落。同社は7日取引終了後、23年5月期第1四半期(6~8月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比25.6%減の24億6700万円となり、上半期計画の54億円に対する進捗率が45.7%にとどまったことがネガティブ視されたようだ。野菜種子の販売が安定して推移したことなどから売上高は同8.3%増の177億3600万円となったが、売上総利益率が低下したことや販管費が増加したことが利益面に影響した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■大阪有機化学工業 <4187>  1,904円  -238 円 (-11.1%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

大阪有機化学工業<4187>が大幅続落し年初来安値を更新。7日の取引終了後に発表した第3四半期累計(21年12月~22年8月)連結決算は、売上高243億1700万円、営業利益45億3100万円(前年同期比7.4%増)、純利益34億1700万円(同0.9%減)と営業増益となったが、6~8月期は前年同期比12.1%減益に転じており、これを嫌気した売りが出たようだ。会計基準の変更に伴い売上高の対前年同期比増減率はないものの、半導体事業などが好調に推移して収益を牽引した。ただ、原材料価格の高騰などが利益を圧迫した。なお、22年11月期通期業績予想は、売上高330億円、営業利益59億円(同0.8%増)、純利益42億円(同16.0%減)の従来見通しを据え置いている。

■わらべ日洋 <2918>  1,890円  -219 円 (-10.4%)  本日終値  東証プライム 下落率4位

わらべや日洋ホールディングス<2918>が大幅安で4日続落。前週末7日の取引終了後、23年2月期業績予想の修正を発表。純利益を30億円から26億円(前期比20.4%減)へ減額したことが嫌気されたようだ。上期に持ち分法投資損失と減損損失を計上したことが要因。海外事業が当初計画を上回ることや商品企画の見直しが寄与し、売上高は1940億円から1950億円(同1.4%増)へ、営業利益は45億円から48億円(同8.1%増)へ引き上げた。あわせて、エスビー食品<2805>子会社からの食品製造事業の譲受と、これに伴う新工場の設立を発表した。

■日本電産 <6594>  7,639円  -787 円 (-9.3%)  本日終値  東証プライム 下落率6位

日本電産<6594>は急落。2020年7月以来、およそ2年3カ月ぶりの安値に沈んだ。前週末7日取引終了後、同社の自社株買いをめぐり、不適切な処理の疑いを指摘する報道が出たことが売り材料となった。日電産は11日正午、一部報道について「一切事実ではない」とのコメントを開示している。

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