話題株ピックアップ【夕刊】(2):川崎汽、東ガス、ニチレイ

注目
2022年12月6日 15時15分

■川崎汽船 <9107>  2,535円  +52 円 (+2.1%)  本日終値

川崎汽船<9107>が82円高の2565円まで上値を伸ばし5日移動平均線との下方カイ離を解消したほか、日本郵船<9101>、商船三井<9104>なども揃って堅調な値動き。更に、明治海運<9115>なども切り返しに転じるなど海運株への買いが目立っている。前場取引前半は「海運」は業種別騰落で33業種中値上がり率トップとなっていた。コンテナ船市況の軟化も株価には大方織り込みが進んだほか、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数も底入れから出直りの動きにある。中国のゼロコロナ政策が漸次緩和されるなか、中国経済減速に対する懸念も和らいでいる。収益環境のネガティブ要因が緩和されるなか、低PER・低PBR・高配当利回りの3拍子揃ったバリュー株としての側面が見直されている。郵船と商船三井の今期予想配当利回りはいずれも16%台後半で、全上場企業の中でも群を抜いている。

■東京ガス <9531>  2,474円  +46 円 (+1.9%)  本日終値

東京ガス<9531>は7日ぶりに反発。5日のニューヨーク商業取引所で、天然ガス先物相場は大幅に4日続落し、下落率は10%を超えた。足もとでドル円相場は再び円安方向に振れてはいるが、天然ガスの調達コストの低下が同社の利益の押し上げ要因となるとの思惑から、買いが集まったようだ。大阪ガス<9532>もしっかり。米天然ガス先物の急落は、最新の気象予測を受け、需要がこれまでの想定に比べ低調になるとの見方が広がったことなどが背景にあるようだ。

■ニチレイ <2871>  2,829円  +44 円 (+1.6%)  本日終値

ニチレイ<2871>が反発。午前10時ごろ、「パーソナルユース商品」の上期売上高が100億円を突破したと発表しており、好材料視された。同社では、加工食品事業における新たな付加価値商品の開発継続・販売強化策の一つとして、コロナ禍で加速した「パーソナルユース需要」を取り込む商品に注力しており、上期は3月発売の家庭用「冷やし中華」を筆頭に、「パーソナルユース商品」売上高が100億円を突破したという。下期には業務用向け商品を新発売するなどし、全業態を通じた今期の売上高は230億円を予定。更に中期経営計画の最終年度にあたる25年3月期には同300億円を目指すとしており、順調な進展が評価されているようだ。

■三菱重工業 <7011>  5,264円  +66 円 (+1.3%)  本日終値

三菱重工業<7011>、川崎重工業<7012>、IHI<7013>など防衛関連株に位置付けられる銘柄群に買いが集まった。岸田文雄首相が5日、23年度から5年間の防衛費の総額を43兆円とするよう指示したことが伝わり、防衛省との取引金額の大きい総合重機メーカーに買いが集まっている。このうち三菱重は防衛省との昨年度の契約額が4600億円弱で群を抜いており、関連最右翼銘柄としてマーケットの注目度も高い。また、三菱重は5日取引終了後に、インドネシアのエネルギー関連企業向けに5万5000キロワット級の地熱発電設備を受注したことも発表しており、これも株価の刺激材料となっているもようだ。

■HUグループ <4544>  2,724円  +30 円 (+1.1%)  本日終値

H.U.グループホールディングス<4544>は3日ぶりに反発。同社は5日、傘下の富士レビオが、新型コロナウイルス抗原とインフルエンザウイルス抗原を同時に検査できるる抗原定性同時検査キット「エスプラインSARS-CoV-2&Flu A+B(一般用)」の製造販売承認を厚生労働省から取得したと発表しており、好材料視された。同検査薬は、簡便な操作で20分以内に新型コロナウイルス抗原及びインフルエンザウイルス抗原検出を同時に検査することが可能。今後、一般用検査薬(第1類医薬品)として、薬局・ドラッグストアでの薬剤師による対面販売や、薬剤師によるインターネット販売を行うという。

■セリア <2782>  2,683円  +22 円 (+0.8%)  本日終値

セリア<2782>は反発。5日の取引終了後に発表した11月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比2.2%減と13カ月連続で前年実績を下回ったが、織り込み済みとの見方が強いようだ。客単価が同0.4%増と改善も見られたものの、客数が同2.6%減となったことが響いた。なお、全社売上高は同1.9%増だった。

■山崎製パン <2212>  1,585円  +11 円 (+0.7%)  本日終値

山崎製パン<2212>は朝高後、下げに沈む場面もあり、上値の重さが意識されている。同社は5日、「ランチパック」のピーナッツ、たまご、ツナマヨネーズの3品について、2023年2月1日出荷分からの平均4.7%の値上げと、「薄皮シリーズ」の内容量削減を発表した。原材料価格の高騰に対応するためという。ただ物価上昇による消費者の節約志向の強まりがパン製品の販売量に及ぼす悪影響も懸念され、積極的に買い上がる姿勢は限られた。6日寄り付き前には、総務省が10月の家計調査を発表。「食料」の実質消費支出(2人以上の世帯)は、前年同月比0.4%減となった。実質ベースでの前年割れは3カ月ぶりとなる。項目別では「米」が同4.3%増に対し、「パン」は同5.5%減だった。また「油脂・調味料」は同4.8%減となっている。足もとでドル円相場が円安に振れたこともあって、円安が輸入コストの圧迫材料として働く食品株では、日清オイリオグループ<2602>、味の素<2802>なども軟調に推移している。

■SBSホールディングス <2384>  2,860円  +17 円 (+0.6%)  本日終値

SBSホールディングス<2384>が4日ぶりに反発。同社は5日、eコマース支援事業を展開する子会社マーケティング パートナーが、「IT導入補助金2022」において「IT導入支援事業者」に採択されたと発表しており、好材料視された。IT導入補助金は中小企業・小規模事業者などを対象に、自社の課題・ニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助する制度。今回の認定を受けて、EC構築支援事業の更なる強化につながるとの見方が買いにつながっているようだ。

■ヤマハ <7951>  5,400円  +30 円 (+0.6%)  本日終値

ヤマハ<7951>は続伸。この日午前中、中国の大手自動車メーカーの一つである広汽乗用車の自動車ブランド伝祺(Trumpchi)の車両「M8」と「EMKOO」にスピーカーシステムが搭載されたと発表しており、好材料視された。なお、同社スピーカーシステムの広汽乗用車からの採用は初めてで、2車種は中国で販売されるという。

■コメ兵ホールディングス <2780>  2,749円  +11 円 (+0.4%)  本日終値

コメ兵ホールディングス<2780>が反発。午前11時ごろに発表した11月度の月次売上高が前年同月比15.4%増となり、2ケタ増収を継続したことが好感された。宝石・貴金属の売上高構成比が前年より約10ポイント程度上昇したことが寄与した。

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