ステップ Research Memo(3):プロ教師による質の高い学習指導に定評(2)

特集
2022年12月19日 16時23分

■会社概要

(2) ドミナント展開と口コミ情報による効率的なマーケティング戦略

ステップ<9795>は県内の湘南地区や中西部において既に揺るぎないブランド力と業界シェアを確立している。横浜市内でも計画的にスクール数を増やし生徒数の獲得を進めている。今後は横浜市内での着実な展開に加えて今まで手薄だった川崎市での新規開校に注力する方針を打ち出している。教室の展開は、地域集中型のドミナント戦略を基本としている。また、生徒の募集活動に関して過大な広告宣伝費をかけずに、生徒やその保護者による口コミ情報を基本に据えていることが特徴の1つとなっている(ホームページや一部折込みチラシも活用)。このため、同社の広告宣伝費率(対売上比)は2022年9月期で0.98%と極めて低く、業界平均を大きく下回っている。近年は定員数に達して募集を打ち切るスクールが増えてきたことも、広告宣伝費の抑制につながっている。これらは同社の教育サービスに対する生徒・保護者からの高い評価の反映とも言える。

顧客満足度の客観的評価として、2022年11月に発表されたオリコン顧客満足度(R)ランキングにおいて、「小学生 集団塾 首都圏」ランキングで7年連続1位、「高校受験 集団塾 首都圏」ランキングで6年連続1位、「大学受験 塾・予備校 現役 首都圏」ランキングで5年連続1位をそれぞれ獲得するなど、実際に通塾する生徒や保護者から高い評価を受けていることが外部の調査機関より明らかとなっている。

(3) 高い収益性・安定性

3つ目の特徴としては、業界のなかでも高い収益性を誇り、かつ抜群の収益安定性を兼ね備えていることが挙げられる。この要因としては、広告宣伝費率の低さに加えて、進学塾としての圧倒的なブランド力や高い顧客満足度により入塾を希望する生徒が多く、教室当たり平均生徒数が高水準で安定していること、校舎の開設も教師の育成に合わせて、年間で3~4校と無理のないペースで進めていること、事業を学習塾に特化しているため本社機能がスリム化されていること、などが挙げられる。2020年9月期はコロナ禍において授業料の返還や特別授業料の適用を行ったため、営業利益率が20%の水準を下回ったものの、こうした施策を取ったことで逆に生徒や保護者からの信頼感が高まった。そして入塾生徒数がさらに増加したことで、2021年9月期の営業利益率は26.9%とコロナ禍前の水準を上回り、2022年9月期においても高水準を維持した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

提供:フィスコ

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