話題株ピックアップ【夕刊】(2):三井不、ソフトバンクG、Jテック・C

注目
2022年12月20日 15時17分

■ビルファンド <8951>  580,000円  -40,000 円 (-6.5%)  本日終値

日銀の金融政策決定会合後の国内長期金利の上昇を受け、日本ビルファンド投資法人<8951>など不動産投資信託(REIT)の年初来安値更新が相次いだ。金利上昇に伴う事業への影響や、相対的な分配金利回りの魅力低下を懸念した売りが膨らんだようだ。大和ハウスリート投資法人<8984>やジャパンリアルエステイト投資法人<8952>、ケネディクス・オフィス投資法人<8972>も年初来安値を更新した。この日のREITは幅広く売られ、東証REIT指数は急落。下落率は5%を超えた。

■三井不動産 <8801>  2,441.5円  -150 円 (-5.8%)  本日終値

三井不動産<8801>は後場に急落した。日銀がこの日まで開いた金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の変動許容幅の上限について、これまでのプラス0.25%程度からプラス0.5%程度に引き上げた。これを受け、円債市場で長期金利は一時0.46%台に急上昇。低金利環境が業績の追い風となる不動産株への売りを促したようだ。住友不動産<8830>や三菱地所<8802>も大幅安となっている。日銀は債券市場の機能低下を受け、YCCの変動許容幅の修正に踏み切った。一方、国債買い入れ額については月9兆円程度に増額し、長期金利の上昇に歯止めをかけられやすくした。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,726円  -292 円 (-4.9%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>やファーストリテイリング<9983>が後場に入り一転、下落基調となった。この日、日銀金融政策決定会合の結果が公表され、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)政策について長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度へ拡大することが明らかとなった。日銀の政策修正を受けて事実上の利上げに踏み切ったとの見方が広がり、今後の景気動向に対する懸念から全体相場は急落。SBGなど日経平均寄与度の高い値がさ株への売り圧力が強まっている。

■トヨタ自動車 <7203>  1,845円  -65 円 (-3.4%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が後場に下げ幅を拡大した。日銀は20日まで開いた金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロールの運用に関し、長期金利の変動幅について「プラスマイナス0.25%程度」から「プラスマイナス0.5%程度」に拡大することを決めた。決定内容の公表後にドル円相場は一時133円台前半まで一気にドル安・円高が進んだ。23年3月期の業績予想の前提となるドル円レートを1ドル=135円に設定するトヨタに対しては、業績予想の下振れリスクが意識され、売りが膨らんだようだ。輸出関連株は総じて軟調。ホンダ<7267>、SUBARU<7270>が下げに転じたほか、コマツ<6301>や村田製作所<6981>、任天堂<7974>も安い。

■Jテック・C <3446>  3,455円  +455 円 (+15.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

ジェイテックコーポレーション<3446>が大幅高。同社は19日取引終了後、プラズマ援用研磨(PAP)装置を受注したと発表しており、これが材料視されたようだ。PAPは大阪大学の独自研磨技術で、次世代半導体材料であるSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)基板、更には単結晶ダイヤモンド基板を高速かつ高精度に平坦化できるのが特長。同社にはこれまで複数企業からの引き合いがあり、実用化を進めているが、このほど第1号となるPAP装置の開発機を受注した。

■細谷火工 <4274>  1,574円  +186 円 (+13.4%)  本日終値

細谷火工<4274>が急伸。19日夜のTBSニュースで、23年度の予算について、「防衛費は今年度の当初予算に比べて25%増えて、過去最大のおよそ6兆8000億円に拡大。とくに長距離ミサイルを含む弾薬の経費は8283億円を計上する方向で、近年の3倍以上に達する」と報じられたことを受けて、火薬や弾薬を加工した火工品を手掛ける同社に思惑的な買いが向かっているようだ。また、ロケットや防衛用ミサイルの固体推進薬原料となる過塩素酸アンモニウムを国内で唯一製造するカーリットホールディングス<4275>も急反発している。

■ソーダニッカ <8158>  668円  +39 円 (+6.2%)  本日終値

ソーダニッカ<8158>が大幅続伸した。19日取引終了後に発表した株主優待制度の一部変更を材料視した買いが入ったようだ。2023年以降、毎年3月31日現在の株主名簿に記載又は記録された1000株以上保有する株主に、一律3000円分のQUOカードを贈呈する。加えて「ソーダニッカ・プレミアム優待倶楽部」を導入。23年3月31日を初回とし、1000株以上を保有する株主に対し優待ポイントを付与する。1000株以上1499株以下の場合は3000ポイントとし、保有株数に応じて段階的にポイント数が増える仕組み。5万株以上は5万ポイントとする。特設ウェブサイトに登録することで、商品の交換など、付与されたポイントに応じた優待を受けることができる。一方、1000株以上を5年以上継続保有する株主に対し、追加で2000円分のQUOカードを贈呈する現行の長期保有優遇特典については廃止する。

■リボミック <4591>  206円  +7 円 (+3.5%)  本日終値

リボミック<4591>は大幅高。19日の取引終了後、中国企業2社との間で中国地域における「RBM-007」の加齢黄斑変性などを適応疾患とする臨床開発を担う合弁会社設立に関して基本合意したと発表しており、これを材料視した買いが向かった。合弁会社の名称は「RIBOMIC Biomedical Technology(Shanghai)」で、出資比率はリボミックが34%、中国企業2社がそれぞれ33%となる見通し。リボミックは合弁会社設立契約の締結後に合弁会社での資金調達や臨床開発の進展により、マイルストンと上市後にロイヤルティーを合わせて最大で1億ドル(約137億円、1ドル=137.76円換算)受け取る見込み。

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