話題株ピックアップ【夕刊】(3):JAL、田中化研、日本M&A
■日本航空 <9201> 2,763円 +7 円 (+0.3%) 本日終値
日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>など空運株が堅調、午前9時40分現在、業種別騰落で「空運」は値上がり率首位となっている。ここにきて中国が日本人向けの渡航ビザの発給手続きを再開することを発表しており、日中の交流が活性化することへの期待が高まっている。内需の消費関連と同様に、空運は旅客数増加という形でインバウンドの恩恵を受けるセクターとして株価にポジティブに働いている。足もと原油市況が1バレル=80ドル台を割り込んできたことや、外国為替市場で1ドル=130円台を下回る円高水準で推移していることなども、燃油コストの低減効果をもたらすとの思惑から追い風材料となっている。
■日本M&A <2127> 1,353円 -400 円 (-22.8%) ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率トップ
日本M&Aセンターホールディングス<2127>がストップ安の水準となる前週末比400円安の1353円まで下落し、その後同水準でウリ気配となった。27日の取引時間終了後に発表した23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算は、売上高が前年同期比12.8%減の298億7600万円、最終利益が同32.4%減の70億9700万円だった。直近の10~12月期も減収減益となったほか、4~12月期最終利益の通期計画に対する進捗率は約56%にとどまっており、業績の下振れリスクを警戒した売りが膨らんだようだ。10~12月期の成約件数は258件と、前年同期の243件を上回った。積極的な採用活動の再開でコンサルタントも増員したが、小規模案件の割合が増加したことで平均単価が下落した。
■GMO-FH <7177> 549円 -35 円 (-6.0%) 本日終値
GMOフィナンシャルホールディングス<7177>が反落。前週末27日の取引終了後、22年12月期の連結決算速報を発表した。最終利益は前の期比96.6%減の3億3500万円だった。正式な決算数値は2月3日に公表予定としているが、大幅な最終減益となったことを嫌気した売りが膨らんだようだ。暗号資産事業が市場環境の低迷を背景に大幅な減収となった。また、タイの連結子会社において、信用取引の提供に際し顧客から担保として差し入れを受けた有価証券1銘柄に関し、同国の証券市場で不透明な取引が発生したことに伴って価値が大幅に下落。信用取引貸付金の回収可能性を検討したうえで、貸倒引当金繰入額46億7700万円を販売費及び一般管理費に計上することとなった。
■積水化学工業 <4204> 1,847円 -76 円 (-4.0%) 本日終値
積水化学工業<4204>が後場下げ幅を拡大。午後1時30分ごろ、23年3月期連結業績予想について、売上高を1兆2760億円から1兆2625億円(前期比9.0%増)へ、営業利益を1000億円から950億円(同6.9%増)へ下方修正したことが嫌気された。第3四半期までで、中国を中心としたエレクトロニクス分野の市況や国内住宅需要が想定を下回って推移したことなどを織り込んだ。なお、純利益は730億円(同96.9%増)の従来予想を据え置いている。同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)決算は、売上高9122億3100万円(前年同期比8.8%増)、営業利益624億6600万円(同8.7%増)、純利益528億200万円(同4.1倍)だった。
■日立建機 <6305> 3,055円 -80 円 (-2.6%) 本日終値
日立建機<6305>は軟調。前週末27日の取引時間終了後、23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。最終利益予想は従来の670億円から620億円(前期比18.2%減)に引き下げた。最終利益の見通しは市場のコンセンサスを下回る水準となり、これが株価の重荷となったようだ。退職給付制度の変更に伴う清算損を1~3月期において「その他費用」に計上する。制度改定に伴うキャッシュアウトはないという。通期の売上収益と調整後営業利益の見通しは上方修正した。売上収益段階では中国が減収となったものの、北米や欧州、アジア、オセアニアが堅調に推移した。円安効果も寄与した。一方、北米レンタル会社での減損損失が最終利益を押し下げる一因となった。
■キャンバス <4575> 1,532円 +300 円 (+24.4%) ストップ高 本日終値
キャンバス<4575>がストップ高。前週末27日の取引終了後、米国で臨床試験を進めている抗がん剤候補化合物「CBP501」について、米食品医薬品局(FDA)から膵臓がんに対するオーファンドラッグ(希少疾患治療薬)指定の通知を受領したと発表。これを好感した買いが向かっている。オーファンドラッグとは、患者数の少ない疾患の新薬開発を促進するための制度。今回の指定により、今後CBP501の開発に関してFDAオーファン医薬品開発部門による助言相談を受けられるようになるほか、市販承認に至った場合に7年間の先発権保護(通常の5年間に2年追加)が与えられて米国内での独占が確保されるという。
■エージーピー <9377> 850円 +150 円 (+21.4%) ストップ高 本日終値
エージーピー<9377>がストップ高。前週末27日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を2億4800万円から4億1000万円(前期比3.4倍)へ、最終利益を4億2700万円から5億4000万円(同47.3倍)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を10円から25円へ引き上げたことが好感された。動力供給事業やエンジニアリング事業は概ね計画通り推移している一方、商品販売事業で発注控えや先送りがあり、売上高は111億7000万円から109億円(同5.0%増)へ下方修正したが、各種コストが想定を下回っていることから利益は上方修正した。なお、年間配当予想は30円(前期5円)となる予定だ。同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)決算は、売上高79億3800万円(前年同期比6.8%増)、営業利益1億8100万円(前年同期100万円の赤字)、最終利益5800万円(同5500万円の赤字)だった。また、自社株44万株(発行済み株数の3.15%)を2月10日付で消却すると発表したことも好材料視された。消却後の発行済み株数は1351万株となる予定だ。
■nms <2162> 297円 +34 円 (+12.9%) 本日終値
nms ホールディングス<2162>が急伸。午前10時ごろ、23年3月期の連結業績予想について、売上高を780億円から790億円(前期比24.8%増)へ、営業利益を8億円から12億円(前期3億6100万円の赤字)へ、最終利益を2億5000万円から3億円(同19億8000万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。上期は中国ロックダウンによる稼働影響や部品・部材価格の高騰、物流コスト上昇などの影響を受けたものの、各事業とも抜本的基盤強化策を進めてきたことに加えて、第3四半期に入り顧客の挽回生産の動きが加わったことが寄与する。
●ストップ高銘柄
トラースOP <6696> 623円 +100 円 (+19.1%) ストップ高 本日終値
エコモット <3987> 666円 +100 円 (+17.7%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
など、1銘柄
株探ニュース