話題株ピックアップ【夕刊】(1):F&LC、デサント、JSR

注目
2023年2月7日 15時14分

■日本ケミコン <6997>  1,955円  +283 円 (+16.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位

日本ケミコン<6997>が急反発。同社は6日取引終了後、23年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益の見通しを従来の93億円から115億円(前期比30.7%増)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高予想も1550億円から1600億円(同14.0%増)に上方修正。高付加価値品の拡販や販売価格の是正、構造改革の諸施策実行による生産性の向上により収益性の改善を図っていることが主な要因だとしている。

■F&LC <3563>  3,280円  +284 円 (+9.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位

FOOD & LIFE COMPANIES<3563>は大幅高で上値追い継続。この日昼ごろに発表した10~12月期決算は、最終利益が前年同期比80.2%減の6億7100万円と大幅減益で着地した。ただ、四半期ベースでみると3期ぶりに黒字転換を果たしており、円安や資源高の一服を背景に業績が底打ちしたとの期待感から買われたようだ。売上高は同5.0%減の680億400万円だった。円安などに伴う各種コスト増や価格改定などの影響で国内事業が落ち込み、全体業績に響いた。一方、海外事業が好調だったほか、京樽事業は収益が大きく改善した。なお、23年9月期通期の増収増益見通しは据え置いている。

■デサント <8114>  3,945円  +325 円 (+9.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位

デサント<8114>が急騰、一時400円を超える上昇で一気に4000円大台に乗せる場面があった。同社株が4000円台を回復したのは昨年1月中旬以来で約1年ぶりとなる。在庫適正化を背景とした値引き販売の減少に伴い収益の回復歩調が鮮明となっている。6日取引終了後に23年3月期第3四半期(22年4~12月)の決算を発表、経常利益は前年同期比79%増の104億4500万円と大幅な伸びを達成した。好業績を背景に株主還元も強化し、今期の年間配当は従来計画に12円増額し40円とすることを発表しており、これも株高を後押ししている。なお、通期経常利益見通しは前期比63%増の123億円を予想しており、これは16年3月期に達成した110億5300万円を上回り7期ぶり過去最高利益更新となる見通し。

■ヤマトホールディングス <9064>  2,440円  +183 円 (+8.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位

ヤマトホールディングス<9064>が3連騰。6日の取引終了後に子会社ヤマト運輸が、宅急便などの運賃を4月3日から平均で約10%値上げすると発表したことが好感された。資源・エネルギー価格や原材料価格の上昇に伴うインフレ傾向に加え、労働力減少による賃金や時給単価の上昇などのコスト増を吸収することが難しくなったと判断したためで、宅急便、宅急便コンパクト、EAZY、国際宅急便などを値上げするとしている。同時に23年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆8350億円から1兆8090億円(前期比0.9%増)へ、営業利益を750億円から610億円(同21.0%減)へ下方修正した。足もとの厳しい事業環境や弱含む需要動向などを考慮したほか、時給単価や燃料単価、電気代などの上昇が利益を圧迫する。また、EC物流ネットワークと既存ネットワークにおける輸配送オペレーションの適正化を進めるための費用が増加していることも響く。なお、繰延税金資産や法人税等調整額の計上を見込んでいることから、純利益は450億円(同19.6%減)の従来見通しを据え置いている。同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)決算は、売上高1兆3959億円(前年同期比1.7%増)、営業利益664億円(同16.1%減)、純利益390億8700万円(同18.2%減)だった。国内消費の低迷などを背景に保守的に見ていた需要の想定を下回ったものの、法人顧客に対する価値提供の取り組みが進展したことが寄与し増収を確保したが、人件費や燃料費などの上昇が重荷となった。

■東計電算 <4746>  5,750円  +370 円 (+6.9%)  本日終値

東計電算<4746>は大幅続伸。6日の取引終了後に発表した23年12月期連結業績予想で売上高189億7200万円(前期比7.8%増)、営業利益49億2900万円(同8.5%増)、純利益38億3600万円(同12.5%増)と3期連続増益で営業最高益更新を見込むことが好感された。引き続き情報システム資産を活用した商品ライセンス販売に注力し、情報処理・ソフトウェア開発業務の伸長を見込む。なお、22年12月期決算は、売上高176億500万円(前の期比4.9%増)、営業利益45億4100万円(同21.3%増)、純利益34億900万円(同13.3%増)だった。

■JSR <4185>  3,105円  +190 円 (+6.5%)  本日終値

JSR<4185>が続急伸。6日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を4205億円から4110億円(前期比20.5%増)へ、営業利益を560億円から345億円(同21.2%減)へ、純利益を435億円から240億円(同35.7%減)へ下方修正したが、アク抜け感から買われたようだ。主な需要業界である半導体市場の大幅な減速やディスプレー市場における需要回復の遅れが見込まれていることに加えて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を契機とする原油価格の高騰により原料代や輸送費の高騰の影響を考慮した。前回の修正でCMOS、後工程、一部メモリー市況の悪化による需要減を織り込んだものの、業界全体で11月以降需要が悪化したとしている。なお、同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)決算は、売上高3129億5600万円(前年同期比22.0%増)、営業利益322億2800万円(同23.5%減)、純利益196億1900万円(同44.5%減)だった。

■三菱ロジスネクスト <7105>  787円  +47 円 (+6.4%)  本日終値

三菱ロジスネクスト<7105>は後場上げ幅を拡大。午後1時30分ごろに発表した第3四半期累計(22年4~12月)連結決算が、売上高4409億5800万円(前年同期比30.9%増)、営業利益76億2400万円(同2.6倍)、純利益28億8100万円(同8.3倍)と大幅増収増益となったことが好感された。年度前半の部品欠品のための出荷不足により国内事業は苦戦したが、米州や欧州を中心とした販売台数の増加に加えて為替の円安影響が追い風となり、海外事業が好調に推移した。特に米州では、販売子会社のレンタル事業の好調や価格改定効果が利益を押し上げた。なお、23年3月期通期業績予想は、売上高6100億円(前期比31.1%増)、営業利益115億円(同3.2倍)、純利益35億円(同4.9倍)の従来見通しを据え置いている。

■山梨中央銀行 <8360>  1,268円  +66 円 (+5.5%)  本日終値

6日に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)経常は36%増益・通期計画を超過」が好感された。

山梨中央銀行 <8360> [東証P] が2月6日大引け後(15:00)に決算を発表。23年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比35.9%増の68.2億円に拡大し、通期計画の65億円に対する進捗率が104.9%とすでに上回り、さらに5年平均の78.3%も超えた。

⇒⇒山梨中央銀行の詳しい業績推移表を見る

■三菱食品 <7451>  3,275円  +155 円 (+5.0%)  本日終値

三菱食品<7451>は高い。一時8.7%高の3390円まで買われた。6日の取引終了後、23年3月期通期の営業利益予想を199億円から230億円(前期比20.8%増)へ引き上げると発表。あわせて年間配当を90円から110円(前期80円)に増額することを明らかにし、これらを好感した買いが入った。採算管理強化による利益率の改善や業務用取引の復調、企業買収が寄与する見込み。家庭内食品需要の落ち込みによる影響があるため、売上高見通しは従来予想の1兆9900億円(同1.8%増)を据え置いた。同時に発表した22年4~12月期決算は、売上高が1兆5256億円(前年同期比0.3%減)、営業利益が192億5000万円(同30.4%増)だった。

■日立造船 <7004>  883円  +41 円 (+4.9%)  本日終値

日立造船<7004>は大幅高で3日続伸。6日の取引終了後、23年3月期第3四半期累計(22年4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直し、最終利益の見通しを100億円から120億円(前期比51.9%増)に上方修正した。これが好感されたようだ。特別利益に固定資産の売却益を計上したことに加え、連結子会社のオーナミの発行済み株式の66.6%について、センコーグループホールディングス<9069>に譲渡することに伴う関係会社株式売却益の計上も利益の押し上げ要因となる。売上高と営業利益、経常利益の見通しは据え置いた。

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