富田隆弥の【CHART CLUB】 「短期値幅調整を完了の公算も、彼岸底狙いへ」

市況
2023年3月18日 10時00分

◆一転、厳しい調整になった。買い意欲を高めて、日経平均株価は3月9日に2万8734円まで上昇したが、翌10日から調整入りすると16日に2万6632円の安値をつけた。1月中旬から1カ月半かけて上昇した分をわずか5日間で帳消しにしている。

◆9日まで米国株の軟調をよそに二段上げを演じた日本株だが、テクニカル指標には過熱感が漂っていた。そこに米銀2行の経営破綻が伝わって空気は一変。さらにクレディ・スイス・グループ<CS>の経営不安も重なり、世界のマーケットは「リスクオフ」姿勢を強め、為替市場は「円高」に転じた。

◆銀行破綻の連鎖(金融システム不安)は、マーケットの根幹を揺るがすものであり、軽視はできず、先行きへの警戒は必要だ。その意味で来週21-22日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)が大きな焦点になることは言うまでもなく、会合では金融危機に対応すべく緊急措置を取る可能性が高いと思われる。

◆買いに偏っていた日本株の反動は厳しく、10日のメジャーSQ(先物・オプションの特別清算指数算出日)を通過したことで先物が下げを主導し、現物株(短期筋)は投げを強いられている。こうなると、まずは「落ち着き」を待つのが基本だが、短期間で値幅調整を演じたことで、そろそろ底打ちしてもおかしくはない。

◆日経平均株価の週足チャートをみると、昨年からボックス相場を形成しており、その下限である2万6000円前後が当面の下値メドになる。日柄的には「3月彼岸底」がアノマリー(経験則)で意識される。コロナショックのあった2020年、そしてロシアによるウクライナ侵攻のあった2022年も3月に急落して下値をつけている。今年は彼岸とFOMCの日柄が重なる。ならば、そろそろ急落した主力株の打診買いに動くのも一策となる。

(3月16日 記、次回更新は3月25日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

⇒⇒「株探」では、ただいま「個人投資家大調査-2023」を実施しています。

⇒⇒個人投資家は、今どのような投資スタイルで、どんな銘柄に注目し、またこれからの狙い方――などについて調査するものです。

⇒⇒アンケートにご回答いただいた方から、抽選で「QUOカード」を1名の方に10万円分、1名の方に7万円分、33名の方に1万円分を差し上げます。

⇒⇒アンケートは4月2日午後6時までの予定ですが、回答数の状況で、予定より前に終了することもあります。お早めに、ご回答をお願い致します。

⇒⇒アンケートのご回答はこちらからお願いします。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.