富田隆弥の【CHART CLUB】 「短期値幅調整を完了の公算も、彼岸底狙いへ」
◆一転、厳しい調整になった。買い意欲を高めて、日経平均株価は3月9日に2万8734円まで上昇したが、翌10日から調整入りすると16日に2万6632円の安値をつけた。1月中旬から1カ月半かけて上昇した分をわずか5日間で帳消しにしている。
◆9日まで米国株の軟調をよそに二段上げを演じた日本株だが、テクニカル指標には過熱感が漂っていた。そこに米銀2行の経営破綻が伝わって空気は一変。さらにクレディ・スイス・グループ<CS>の経営不安も重なり、世界のマーケットは「リスクオフ」姿勢を強め、為替市場は「円高」に転じた。
◆銀行破綻の連鎖(金融システム不安)は、マーケットの根幹を揺るがすものであり、軽視はできず、先行きへの警戒は必要だ。その意味で来週21-22日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)が大きな焦点になることは言うまでもなく、会合では金融危機に対応すべく緊急措置を取る可能性が高いと思われる。
◆買いに偏っていた日本株の反動は厳しく、10日のメジャーSQ(先物・オプションの特別清算指数算出日)を通過したことで先物が下げを主導し、現物株(短期筋)は投げを強いられている。こうなると、まずは「落ち着き」を待つのが基本だが、短期間で値幅調整を演じたことで、そろそろ底打ちしてもおかしくはない。
◆日経平均株価の週足チャートをみると、昨年からボックス相場を形成しており、その下限である2万6000円前後が当面の下値メドになる。日柄的には「3月彼岸底」がアノマリー(経験則)で意識される。コロナショックのあった2020年、そしてロシアによるウクライナ侵攻のあった2022年も3月に急落して下値をつけている。今年は彼岸とFOMCの日柄が重なる。ならば、そろそろ急落した主力株の打診買いに動くのも一策となる。
(3月16日 記、次回更新は3月25日を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
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