話題株ピックアップ【夕刊】(1):ダイワボウ、住信SBI銀、東洋建

注目
2023年4月5日 15時12分

■ダイワボウ <3107>  2,321円  +152 円 (+7.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

ダイワボウホールディングス<3107>は約1年8カ月ぶりに上場来高値を更新した。同社は綿紡績の名門で、現在は情報システムを主力とする。デジタル化の流れが依然追い風に働いており、足もと業績は好調。23年3月期通期は2期ぶりに増収・営業増益となる見通しで、増配も見込んでいる。きょうは、みずほ証券による新規格付けが買い材料視され、全体下げ相場のなか逆行高となった。

■住信SBIネット銀行 <7163>  1,389円  +58 円 (+4.4%)  本日終値

住信SBIネット銀行<7163>が4日続伸し新高値。同社は3月29日に東証スタンダード市場に新規上場した直近IPO銘柄。インターネット専業銀行である同社の初値は公開価格1200円を1.8%上回る1222円だった。翌30日は終値が1185円と公開価格を下回ったが、その後は急速に値を上げ、きょうは一時1400円台まで買われた。23年3月期の連結純利益は前の期比13.4%増の194億円と最高益を更新の見込み。株式上場した3月下旬は金融システム不安が警戒され、銀行株に対しては積極的な買いは手控える動きも出ていた。しかし、足もとで金融不安が後退し、直近IPO銘柄への物色機運も強まるなか、同社株には見直し買いが流入している。

■東洋建設 <1890>  967円  +40 円 (+4.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位

東洋建設<1890>は大幅高。4日の取引終了後、24年3月期の年間配当を63円とする予定だと発表した。前期の見通しに比べ38円の増配とする計画。また、23年度を初年度とする5カ年の中期経営計画期間における株主還元方針の詳細を決め、23~25年度の配当性向を100%とすることとした。これらを好感した買いが入ったようだ。26年度以降は自己資本比率40%を目安に積極的な配当を継続する方針。中期計画期間は下限で50円の配当を実行する。

■WT銀 <1673>  3,055円  +123 円 (+4.2%)  本日終値

WisdomTree 銀上場投資信託<1673>が逆行高。銀価格との連動を目指すETF(上場投資信託)だが、4日のニューヨーク市場で銀の先物価格が大幅に上昇したことを受けて投資家の関心が向かい、WT銀に買いが入ったようだ。ニューヨーク市場の銀先物の5月限は前営業日比で4%を超す上昇となった。ドル安を背景に買われた金先物の上昇率が1.9%弱だったのと比べ、高い伸び率を示していた。銀の現物価格も大幅高となった。銀は金と同様に実物資産として、インフレ懸念が強まった局面や、地政学リスクが高まった場合などに物色されることがある。太陽光パネルや電子機器、自動車部品などに工業用としても使われることから、世界的に需給がひっ迫した状況が続くとの見方も出ているようだ。

■ナガイレーベン <7447>  2,075円  +60 円 (+3.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

ナガイレーベン<7447>が反発し年初来高値を更新。同社が4日取引終了後に発表した第2四半期(22年9月~23年2月)の連結営業利益は前年同期比8.7%減の18億5900万円となったが、計画の17億1900万円を上回ったことが好感された。海外生産比率の引き上げや海外物流状況の沈静化などで売上総利益率が予想を上回ったほか、販管費は計画に比べ減少したことなどが寄与した。23年8月期の同利益予想は前期比9.1%減の45億7400万円で据え置いている。

■岩谷産業 <8088>  6,130円  +160 円 (+2.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位

岩谷産業<8088>が全体下げ相場に逆行し3連騰。きょうはマドを開けて買われる人気となった。脱炭素への取り組みでは水素などのクリーンエネルギーの活用がカギを握る。岸田政権も水素エネルギーの普及に力を入れる構えを明示している。5日付の日本経済新聞が「政府は4日、次世代の脱炭素燃料として有力な水素の新たな導入目標の案を公表した。2040年に現状の6倍の1200万トン程度に増やす方向で、5月末にも決める。今後15年間に官民で15兆円の投資計画を検討する」と報じた。そうしたなか、家庭用ガスや産業用ガスの専門商社である同社は、次の収益主柱を担うビジネスとして水素事業に照準を合わせ、育成に本腰を入れている。株式市場でも水素関連のシンボルストックに位置付けられており、国策の追い風を手掛かり材料に投資資金が流入する形となった。

■パナHD <6752>  1,240円  +24 円 (+2.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位

パナソニック ホールディングス<6752>が4連騰で、年初来高値を更新した。欧州の自動車大手ステランティス<STLA>と独BMWがそれぞれ、北米での電気自動車(EV)用の電池工場の建設計画を巡り、パナHDと提携することで交渉していると一部で報じられた。車載電池事業の拡大を期待した買いが入ったようだ。報道によると、「クライスラー」や「ジープ」ブランドを持つステランティスとの協議は初期段階という。政治的な緊張の高まりを受け、中国の電池メーカーが米国で事業を展開することが困難になっていることが、BMWがパナHDと協議を行っている理由の一つだとも伝えている。

■SPDR <1326>  24,750円  +300 円 (+1.2%)  本日終値

金ETFが連日の人気化。SPDRゴールド・シェア<1326>やNEXT FUNDS 金価格連動型上場投信<1328>、純金上場信託(現物国内保管型)<1540>がそろって年初来高値を更新。4日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、6月限が前日比37.8ドル高の1トロイオンス=2038.2ドルに上昇。一時、2043.4ドルまで買われ22年3月以来、1年1カ月ぶりの水準に値を上げた。20年8月につけた2089.2ドルの最高値が目前に迫っている。外国為替市場でドルが売られ、ドルインデックスの下落が続くなか、ドルと逆相性の強い金への買いが膨らんでいる。

■日本郵船 <9101>  3,215円  +30 円 (+0.9%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など海運大手に買いが集中している。きょうは全体相場がリスク回避の流れにあり、日経平均は2万8000円大台攻防の様相をみせているが、そのなか業種別騰落で33業種中、「海運」だけが上昇している。群を抜く高配当利回りが注目されているが、3月配当権利落ちでいったん下値を探る動きとなったが、その後は押し目買いが活発で切り返している。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は戻り足が鮮明。3月中旬に1600台まで一気に上昇し高値形成後は伸び悩んでいるが、これは2月中旬の安値水準からおよそ3倍化している。金市況や原油市況の上昇にバルチック指数も連動しやすく、海運株には追い風となっている。

■大東建託 <1878>  13,420円  +80 円 (+0.6%)  本日終値

大東建託<1878>が反発。4日の取引終了後に発表した3月度の月次業績で、建設事業の受注高が前年同月比38.4%増の843億1500万円となり、2月の同18.1%増を大きく上回ったことが好感された。

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