【投資部門別売買動向】海外勢が6週連続で買い越す一方、個人の利益確定売りが続く (5月第1週)

市況
2023年5月11日 20時00分

●海外勢が6週連続で買い越す一方、個人の利益確定売りが続く

東証が11日に発表した5月第1週(1日~2日)の投資部門別売買動向(現物)によると、米株高、急速な円安進行が追い風となり日経平均株価が前週末比301円高の2万9157円と4週連続で上昇し2万9000円台を回復したこの週は、海外投資家は6週連続で買い越した。買越額は1602億円と前週の1458億円から増加した。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物の合計で2週ぶりに買い越した。買越額は3004億円だった。現物と先物の合算では5週連続で買い越し、買越額は4607億円と前週の1332億円から拡大した。証券会社の自己売買は3週連続で買い越し、買越額は2356億円だった。

一方、個人投資家は4週連続で売り越し、売越額は2815億円と前週の1049億円から大幅に増加した。相場が続伸する中、個人の利益確定売りが続いた。年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行も6週連続で売り越し、売越額は346億円と前週の994億円から縮小した。

日経平均が4週続伸する中、海外投資家が6週連続で買い越す一方、個人投資家の利益確定売りが続いた。

■投資部門別売買代金差額 (5月1日~2日)

東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]

※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し

  海外投資家 信託銀行 個人合計 [  現金  信用 ] 日経平均 ( 前週比 )

5月 ―――

第1週     1,602   ▲346  ▲2,815 [ ▲2,247  ▲567 ] 29,157円 ( +301 円)

4月 ―――

第4週     1,458   ▲994  ▲1,049 [ ▲1,872   823 ] 28,856円 ( +292 円)

第3週     2,760   ▲622  ▲2,577 [ ▲2,953   376 ] 28,564円 ( +70 円)

第2週    10,494  ▲2,170  ▲4,230 [ ▲3,430  ▲799 ] 28,493円 ( +975 円)

第1週     6,796  ▲4,032   2,103 [  ▲313  2,416 ] 27,518円 ( -523 円)

3月 ―――

第5週      70   ▲180  ▲2,720 [ ▲1,661 ▲1,058 ] 28,041円 ( +656 円)

第4週    ▲4,617    205   2,217 [  1,145  1,071 ] 27,385円 ( +51 円)

第3週    ▲5,686  ▲2,022   7,542 [  4,820  2,722 ] 27,333円 ( -810 円)

第2週   ▲11,275  ▲1,493  ▲2,008 [ ▲2,463   454 ] 28,143円 ( +216 円)

第1週     ▲994   ▲515  ▲2,082 [ ▲2,516   434 ] 27,927円 ( +473 円)

2月 ―――

第4週    ▲2,263  ▲1,339    887 [   278   609 ] 27,453円 ( -59 円)

第3週     2,331  ▲1,519   ▲688 [ ▲1,324   636 ] 27,513円 ( -157 円)

第2週     1,864  ▲1,758   ▲703 [ ▲1,482   778 ] 27,670円 ( +161 円)

第1週     ▲67  ▲1,739    683 [  ▲228   912 ] 27,509円 ( +126 円)

1月 ―――

第4週     3,037  ▲1,933  ▲3,991 [ ▲3,108  ▲882 ] 27,382円 ( +829 円)

第3週      987  ▲1,200   ▲128 [  ▲506   377 ] 26,553円 ( +434 円)

第2週     1,705  ▲1,196   ▲598 [  ▲812   214 ] 26,119円 ( +145 円)

第1週     ▲640   ▲50   2,410 [  1,632   778 ] 25,973円 ( -120 円)

※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。

※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。

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