来週の株式相場に向けて=日銀決定会合とFOMC、日米決算を意識
21日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比186円安と続落。台湾の大手半導体メーカー、台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が今期の予想売上高を下方修正したことが嫌気され、東京エレクトロン<8035>やレーザーテック<6920>など半導体関連株が軒並み安となった。ただ、TOPIXは反発しており、相場はバリュー株優位の状況にある。
来週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合が開催されるほか、日米の決算も本格化するなど注目イベントが目白押しで、今後のトレンドを大きく左右する可能性がある。
まず、来週は日米欧の金融政策が集中する「中銀ウィーク」となる。FOMCは25~26日、欧州中央銀行(ECB)理事会は27日、日銀金融政策決定会合は27~28日に開催される。FOMCは0.25%の利上げで打ち止めとなるかが焦点で、ECB理事会も0.25%利上げが予想されている。
足もとで一番の不透明感が漂うのは日銀の動向だ。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正があるかが焦点だが、それでも「現状維持が有力では」(アナリスト)との見方が少なくない。きょうの早朝に発表された6月全国消費者物価指数(CPI)は、ほぼ予想の範囲内であり、植田日銀総裁の発言には金融政策の修正に慎重姿勢がみられる。このため、日銀決定会合で現状維持が打ち出された場合、円安と株高が進むかどうかが注目されている。逆に「YCCの修正が発表された場合、サプライズで一気に円高が進む可能性もある」(同)との声も出ている。
日本と米国の決算発表も要注目だ。特に、ビッグテックのマイクロソフト<MSFT>とアルファベット<GOOG>は25日、メタ・プラットフォームズ<META>は26日に決算を予定している。日本では26日にアドバンテスト<6857>と日産自動車<7201>、27日に信越化学工業<4063>、28日に日立製作所<6501>などが決算発表を行う。
経済指標では27日に米4~6月期GDP、28日に米6月PCEデフレーター、同日に7月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表される。更に、24日にトライト<9164>、25日にフラー<5583>、26日にテクニスコ<2962>など6社のIPO(新規株式公開)が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万1700~3万2900円前後。(岡里英幸)
最終更新日:2023年07月21日 18時09分