前場に注目すべき3つのポイント~全般こう着も個別で決算を評価した物色は活発~
2日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■全般こう着も個別で決算を評価した物色は活発
■三菱UFJ、1Q経常利益 175.9%増 7255億円
■前場の注目材料:SUBARU、電池パックを内製、群馬・矢島に専用ライン
■全般こう着も個別で決算を評価した物色は活発
2日の日本株市場は、売り優勢ながらも底堅さが意識される相場展開になりそうだ。1日の米国市場はNYダウが71ドル高、ナスダックは62ポイント安だった。建機大手キャタピラーは第2四半期決算で1株利益、売上高ともに市場予想を上回り、NYダウを押し上げた。一方で、金利の上昇でハイテクは売られ、まちまちの展開だった。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比210円安の33200円。円相場は1ドル143円00銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで寄り付き直後に軟化する格好となり、一時33140円まで売られる場面が見られた。日銀トレード後のリバランスから前日には33470円と節目の33500円に迫る場面も見られたこともあり、リバランスの動きも一巡した格好だろう。33000円辺りでの底堅さを見極めたいところである。
もっとも、決算発表が本格化するなか、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られていると考えられ、基本的には個別での決算を手掛かりとした物色が中心だろう。昨日は後場に入りトヨタ<7203>の決算を手掛かりとした物色が先物市場へも波及していた。売り一巡後の底堅さを見極めつつ、トヨタへの物色が継続するようだと、為替市場での円安基調を手掛かりに、輸出関連などへの物色に向かわせそうだ。
また、米国ではキャタピラーがNYダウを押し上げており、コマツ<6301>など機械セクターへの物色も期待されるところ。そのほか、AMDが取引終了後に発表した決算が好感され、時間外取引で5%ほど買われる場面も見られていた。そのため、ハイテクセクターへの押し目狙いにも向かわせる可能性はありそうだ。日米ともに決算発表が本格化しているほか、週末には米雇用統計も控えているため、こう着感の強い相場展開になりそうだが、個別で決算を評価した物色は活発だろう。
■三菱UFJ、1Q経常利益 175.9%増 7255億円
三菱UFJ<8306>が発表した2024年3月期第1四半期業績は、経常収益が前年同期比28.2%増の2兆7740.99億円、経常利益は同175.9%増の7255.85億円だった。海外の金利上昇の恩恵を受けて国内外での融資やプロジェクトファイナンスに伴う手数料から得られる収益が堅調。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(33476.58、+304.36)
・NYダウは上昇(35630.68、+71.15)
・1ドル=143.00-10円
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・SUBARU<7270>電池パックを内製、群馬・矢島に専用ライン
・トヨタ自<7203>4ー6月期、営業益1.1兆円、日本企業初の大台
・ANA<9202>米社からDACクレジット調達、脱炭素の多様化推進
・日立<6501>イタリアで高速鉄道向け線路・デジタル信号設計受注
・マイクロ波化学<9227>ナフサ分解、千代田化工建設などと、独自技術の開発着手
・パナHD<6752>25年めどチェコ人員5倍、温水給湯暖房機を増産
・花王<4452>ボンダイサンズ買収、グローバル市場拡大
・デンソー<6902>オランダ園芸施設会社を完全子会社化、非車載分野強化
・村田製作所<6981>フィリピンにMLCC新工場、25年9月完成
・住友理工<5191>静岡・富士裾野製作所を譲渡検討
・トヨタ自<7203>四半期で最高更新、HVなど全地域の販売増
・井関農機<6310>欧に電動芝刈り機、来年にも一般向け本格販売
・芝浦メカトロニクス<6590>半導体装置の研究開発強化、横浜に新棟など70億円投資
・凸版印刷<7911>リチウム電池用消火フィルム投入、米UL認証取得
・旭化成<3407>米マーケ拠点拡充、車向け提案強化
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 7月マネタリーベース(6月:前年比-1.0%)
・08:50 日銀金融政策決定会合議事要旨(6月15-16日分)
<海外>
・07:45 NZ・4-6月期失業率(予想:3.5%、1-3月期:3.4%)
・07:45 NZ・4-6月期雇用者数増減(前期比予想:+0.6%、1-3月期:+0.8%)
《ST》