今週の【早わかり株式市況】3週続伸、薄商いのなか7月高値更新ならず

市況
2023年12月30日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は3週続伸、7月高値は抜けられず

2.海外クリスマス休暇で週前半は様子見ムード

3.クリスマス明け米株高、東京市場も大幅高に

4.米利下げ期待で円高進行、輸出関連株に逆風

5.大納会終値3万3464円、昨年末比3割近い上昇

■週間 市場概況

今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比295円(0.9%)高の3万3464円と、3週連続で上昇した。

今週は年内の取引最終週となり、休暇に入った市場参加者も多く全体的に薄商いの地合いだった。米早期利下げ期待を背景とした円高が全体相場の重石に。日経平均は秋以降、何度もトライしてきた7月高値更新をついに果たせず今年の取引を終えた。

週明け25日(月)の東京株式市場は様子見ムード。前週末の米国株市場はNYダウが反落した一方、ナスダック指数が上昇とまちまちの展開に。手掛かり難のなか、この日夜の海外主要市場がクリスマス休暇で休場となることもあり積極的な売買は手控えられた。半導体関連株などが底堅く推移し、日経平均は小幅プラス圏で着地した。26日(火)も小幅に買い優勢で日経平均は続伸。引き続き投資家の様子見姿勢が強かった。欧米株市場が前日休場だったため海外投資家の参戦が限られ、薄商いのなか方向感の見えにくい地合いとなった。27日(水)はリスク選好の動きが加速。クリスマス休暇明けの米株市場が上昇したことを受けて安心感が広がり、主力株をはじめ幅広い銘柄に買いが入った。日経平均は取引時間中に7月高値(3万3753円)を上回る場面があったが、終値では下回った。28日(木)は反落。米国での早期利下げ期待に伴う金利低下を背景に為替市場で円高が進行、輸出関連株を中心に利益確定売りが出た。この日は12月末の配当権利落ち日であり、この影響もあった。そして大納会の29日(金)も冴えない展開に。翌日から年末年始の連休に入るとあって買い手控え感が強まった。一年を振り返ると、今年の相場は東証の低PBR改善要請や米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による日本株買いをきっかけに春から夏にかけて急上昇し、33年ぶりの高値圏に躍り出る躍進の年となった。日経平均の年間の上昇幅は昨年末比7369円(28.2%)高。

■来週のポイント

来週は1月4日が大発会で取引は2日間。23年は日経平均の最高値更新は達成できず、その期待は新年に持ち越されることになった。大発会の値動きはその実現性を問う最初の試金石となるだろう。

重要イベントとしては、国内では特になし。海外では、1月3日に発表される米国12月ISM製造業景気指数、4日に発表される中国12月財新サービス業PMIと米国12月ADP雇用統計、5日に発表される米国12月の雇用統計とISM非製造業景気指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(12月25日~12月29日)

【↑】  12月25日(月)―― 小幅続伸、薄商いのなか半導体関連が買われる

日経平均 33254.03(  +84.98)  売買高9億5278万株 売買代金 2兆4958億円

【↑】  12月26日(火)―― 3日続伸、方向感乏しいなか半導体関連が買われる

日経平均 33305.85(  +51.82)  売買高10億4887万株 売買代金 2兆5632億円

【↑】  12月27日(水)―― 4日続伸、米株高を受けリスク選好の買い優勢

日経平均 33681.24( +375.39)  売買高13億8435万株 売買代金 3兆5187億円

【↓】  12月28日(木)―― 5日ぶり反落、円高進行で利益確定売りが優勢

日経平均 33539.62( -141.62)  売買高10億9423万株 売買代金 2兆6966億円

【↓】  12月29日(金)―― 小幅続落、連休を前に積極的な売買は手控え

日経平均 33464.17(  -75.45)  売買高12億8510万株 売買代金 3兆0818億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、29業種が値上がり

(2)値上がり率トップは任天堂 <7974> などその他製品

(3)三菱重 <7011> など機械、トヨタ <7203> など自動車、HOYA <7741> など精密機器といった輸出株が高い

(4)内需株も堅調。大和ハウス <1925> など建設、ソフトバンクG <9984> 情報通信、楽天グループ <4755> などサービスが買われた

(5)SOMPO <8630> など保険、クレセゾン <8253> などその他金融、SBI <8473> など証券といった金融株も高い

(6)先週大幅に上昇した郵船 <9101> など海運は今週下落率トップ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(2) 半導体 ── SOX指数は最高値で上昇基調強まる

2(1) 円高メリット

3(3) 半導体製造装置

4(4) 親子上場

5(6) 生成AI

※カッコは前週の順位

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