話題株ピックアップ【夕刊】(3):JTOWER、ベネ・ワン、パソナG

注目
2024年2月9日 15時19分

■JTOWER <4485>  4,900円  +235 円 (+5.0%)  本日終値

JTOWER<4485>は大幅続伸。8日の取引終了後に発表した24年3月期第3四半期累計連結決算が、売上高79億600万円(前年同期比2.2倍)、営業利益7億500万円(前年同期7400万円の赤字)、最終損益300万円の赤字(同11億5900万円の赤字)となり、通期計画の営業利益(6億6000万円)を上回って着地したことが好感された。屋外の鉄塔・コンクリート柱・ポール・アンテナなどを共用設備を用いて一本化し、携帯キャリアへシェアリングを行うタワー事業でタワー移管が計画以上に推移したことに加えて、大型施設内で携帯キャリアに対して屋内電波対策用の共用設備を提供する国内IBS事業が好調に推移した。通期業績予想は、ファイナンス組成費用やミリ波共用無線機の開発費など一時費用の計上などを考慮し、売上高112億円(前期比2.1倍)、営業利益6億6000万円(同5.6倍)、最終損益3億8000万円の赤字(前期16億200万円の赤字)の従来見通しを据え置いている。同時に、東証プライム市場への市場区分変更申請に向けた準備を行っていることを明らかにしており、これも好材料視された。なお、変更申請日や承認日は未定で、変更申請に向けた準備を中止する可能性もあるとしている。

■ベネフィット・ワン <2412>  2,171.5円  +86.5 円 (+4.2%)  本日終値

ベネフィット・ワン<2412>が反発。第一生命ホールディングス<8750>が8日取引終了後、ベネ・ワンに対し非公開化を目的にTOBを開始すると発表。TOB価格を1株2173円としたことから、これにサヤ寄せする格好となっている。買い付け予定数は7737万2192株(下限2451万1300株、上限設定なし)、買い付け期間は2月9日から3月11日まで。TOB成立後にベネ・ワンは上場廃止となる予定で、これを受け東京証券取引所は8日付で同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。なお、ベネ・ワンは同日にこのTOBに対して賛同の意見を表明。第一生命HDより先に買収提案を行っていたエムスリー<2413>のTOBについては「賛同」から「留保」へ意見を変更した。

■パソナグループ <2168>  2,840円  +110 円 (+4.0%)  本日終値

パソナグループ<2168>が高い。8日の取引終了後、これまで非開示としていた24年5月期連結業績予想について売上高を前期比0.7%減の3700億円、純利益を同16倍の1000億円と発表した。純利益が2期ぶりに最高益更新となる見通しを示したことから、これが好感され買われた。注力しているBPOサービスが堅調な一方、前期の特需影響が大きかったエキスパートサービスやアウトソーシングセグメントが計画を下回って推移しており、足もとにおいても改善スピードが遅いという。子会社ベネフィット・ワン<2412>の株式売却に伴い関係会社株式売却益が発生するため、純利益は急拡大する見込み。

■ニチアス <5393>  3,490円  +100 円 (+3.0%)  本日終値

ニチアス<5393>が大幅反発し上場来高値を更新。8日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を2420億円から2480億円(前期比4.2%増)へ、営業利益を315億円から340億円(同13.5%増)へ、純利益を242億円から255億円(同19.2%増)へ上方修正したことが好感された。第3四半期までの実績で、プラント向け工事・販売部門、高機能製品部門、自動車部品部門を中心に業績が堅調に推移していることに加えて、第4四半期についても引き続き順調な進捗が見込まれることが要因としている。同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高1850億9600万円(前年同期比5.0%増)、営業利益254億9600万円(同17.5%増)、純利益196億8200万円(同13.1%増)だった。

■サンゲツ <8130>  3,400円  +95 円 (+2.9%)  本日終値

サンゲツ<8130>が続伸。午後1時40分ごろ、24年3月期の連結業績予想について、売上高を1870億円から1910億円(前期比8.5%増)へ、営業利益を185億円から200億円(同1.4%減)へ、純利益を133億円から146億円(同4.2%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を70円から75円へ引き上げ年間配当予想を140円(前期105円)としたことが好感された。主力の国内インテリア事業で空間提案力、物流・施工などの機能強化策の効果によって商品の販売数量が増加しており、これを牽引役に第3四半期累計(23年4~12月)決算が計画を上回って推移していることが要因。また、第4四半期も引き続き国内インテリア事業の販売数量が堅調に推移すると見込まれるとしている。なお、同時に発表した第3四半期累計決算は、売上高1400億600万円(前年同期比10.2%増)、営業利益149億7000万円(同2.4%増)、純利益108億8700万円(同5.0%増)だった。

■リログループ <8876>  1,246.5円  -294.5 円 (-19.1%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

8日に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)最終が28%減益で着地・10-12月期も15%減益」が嫌気された。

リログループ <8876> [東証P] が2月8日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。24年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結最終利益は前年同期比28.1%減の126億円に減り、通期計画の190億円に対する進捗率は66.5%にとどまり、3年平均の71.9%も下回った。

⇒⇒リログループの詳しい業績推移表を見る

■富士製薬工業 <4554>  1,678円  -303 円 (-15.3%) 一時ストップ安   本日終値  東証プライム 下落率2位

富士製薬工業<4554>が一時ストップ安に売られた。8日取引終了後に発表した23年10~12月期連結決算は、売上高が前年同期比7.5%増の107億4600万円となった一方、営業損益が前年同期の黒字から一転1億4000万円の赤字に転落して着地した。通期で営業増益を見込んでいるだけに、これがネガティブサプライズとなって売りが膨らんでいる。女性医療領域の新薬の販売に注力するとともにジェネリック医薬品のシェア拡大を図り、これらが奏功して売上高は増加。利益面では原薬価格の値上がりによる生物由来製剤の販売損失を織り込んだ影響が大きく出た。なお、純利益は投資有価証券売却益を計上したことで前年同期比2.5倍の27億3900万円と急拡大した。

■ダイワボウ <3107>  2,700円  -444 円 (-14.1%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

ダイワボウホールディングス<3107>はマドを開けて下落。8日の取引終了後に23年4~12月期連結決算を発表。売上高、営業利益ともに前年同期比で増加したものの、最終損益が前年同期の黒字(123億9800万円)から一転41億9800万円の赤字に転落して着地しており、これを嫌気した売りが優勢となっている。減損損失など特別損失を計上したことが響いた。売上高は前年同期比5.9%増の6752億7100万円、営業利益は同6.4%増の189億1300万円だった。パソコンなどのデバイス製品を中心に周辺機器やサービス・サポートを組み合わせた付加価値の高い提案やクラウドサービスの拡充が奏功し、主力のITインフラ流通事業が堅調に推移した。

■ネクソン <3659>  2,552円  -338.5 円 (-11.7%)  本日終値  東証プライム 下落率7位

ネクソン<3659>が大幅安。8日取引終了後に発表した23年12月期連結決算は、売上高が前の期比19.7%増の4233億5600万円、純利益が同29.6%減の706億900万円だった。従来予想のレンジ(売上高4267億~4349億3800万円、純利益1213億5300万~1263億7400万円)から下振れして着地しており、これを嫌気した売りが出ている。既存タイトルの成長や新作タイトルの業績貢献に加え、為替の好影響が全体を牽引した。一方、利益面では外貨建ての現金預金などで発生した為替差損や、持ち分法による投資の減損損失の計上が響いた。なお、24年12月期予想は非開示とした。今第1四半期の業績予想のみ開示し、2ケタ減収減益の見通しを示した。あわせて自己株式の取得に関する方針を策定したと発表。今年2月9日から2027年2月8日までの3年間で総額1000億円の取得を目指す。このほか、2月29日付で発行済み株数の2.0%にあたる自社株を消却することを明らかにした。

■日産自動車 <7201>  553.1円  -72.3 円 (-11.6%)  本日終値  東証プライム 下落率8位

日産自動車<7201>が大幅安。同社は8日取引終了後、24年3月期第3四半期累計(23年4~12月)の連結経常利益が前年同期比42.0%増の5401億円になったと発表。ただ、10~12月期に限れば前年同期比30.5%減の1274億円にとどまったことがネガティブ視されたようだ。売上高は第3四半期累計が同22.3%増の9兆1714億円、10~12月期が同9.5%増の3兆1081億円となった。国内や北米などでの販売は堅調だった一方、中国での苦戦が重荷となっている。なお、通期業績予想については従来見通しを据え置いているが、世界販売台数の見通しは従来の370万台から355万台に引き下げている。

■IGS <4265>  443円  +80 円 (+22.0%) ストップ高   本日終値

Institution for a Global Society<4265>がストップ高。9日付の日本経済新聞朝刊が「三井住友信託銀行は、人工知能(AI)を使った人事評価を手掛けるInstitution for a Global Society(IGS)と業務提携した」と報じた。三井住友信託銀行の顧客にIGSの人事評価システムを提供するという。この報道を手掛かりに買いが向かったようだ。

■サイオス <3744>  451円  +80 円 (+21.6%) ストップ高   本日終値

サイオス<3744>がストップ高。システムの構築及び販売を手掛けるシステムインテグレーターでオープンシステム基盤事業を主力とし、人工知能(AI)分野を深耕していることにも特徴がある。8日取引終了後に発表した23年12月期決算は営業損益段階で2億800万円の赤字(前の期は5億7200万円の赤字)となったが、トップラインは前の期比10%増の158億8900万円と2ケタ増収を確保した。前期の営業赤字は株価に織り込まれていたが、続く24年12月期は営業損益が2億5000万円の黒字を予想しており、改善色を強める見通しだ。更に今期は年間配当について前期実績から5円増配となる10円を計画しており、これも株価を強く刺激する格好となっている。

●ストップ高銘柄

ポプラ <7601>  404円  +80 円 (+24.7%) ストップ高   本日終値

ウェリタス <130A>  3,005円  +504 円 (+20.2%) ストップ高   本日終値

UTグループ <2146>  2,997円  +500 円 (+20.0%) ストップ高   本日終値

など、18銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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