来週の株式相場に向けて=4万円目前でその後を探る、バリュー株の循環物色にも注目
1日の東京市場で日経平均株価は一時3万9990円まで急上昇。初の4万円にあとわずか10円に肉薄する場面があった。史上最高値を更新したのが先月22日であり、1週間程度で4万円目前まで急伸した。
この日の上昇の牽引役を果たしたのも、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>などの半導体関連株だ。「この水準で 半導体関連株を買い上げられるのは外国人ぐらい」(市場関係者)とみられており、その攻勢がどこまで続くかが焦点となっている。
ただ、足もとの上昇は急ピッチで日経平均株価の25日移動平均線とのかい離率は6%を超えている。「一般的には7%を超えると調整局面に入る」(アナリスト)とも言われるだけに警戒水準に近づいている。
半導体関連株への人気が際立つが、銀行株や鉄鋼株などバリュー株も買われ、目立たないが循環物色の流れも出ている。今月は配当権利取りがピークを迎えるだけに三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や日本製鉄<5401>などバリュー株からも目が離せない。また、ダイフク<6383>やファナック<6954>のような機械株に再評価余地を指摘する声もある。トラック運転手不足が懸念される「2024年問題」に絡む規制が4月からスタートし、物流自動化や省力化投資関連も見直されそうだ。
来週のスケジュールでは、6~7日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言、8日の米2月雇用統計が注目される。上記以外では、海外では5日は米2月ISM非製造業景況感指数が発表されるほか、米大統領選の「スーパーチューズデー」を迎え、中国で全国人民代表大会(全人代)が開幕する。6日には米2月ADP雇用統計、米1月JOLTS求人件数が発表される。7日には、欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。
国内では、4日に10~12月期法人企業統計、5日に2月東京都区部消費者物価指数(CPI)、8日に1月家計調査、2月景気ウォッチャー調査が公表される。8日はメジャーSQの算出日となる。7日には、積水ハウス<1928>が決算発表を行う。また、来週にも日経平均株価の春の定期入れ替えが発表される可能性がある。ディスコ<6146>やソシオネクスト<6526>などを新規採用候補とする見方も出ており、半導体株物色に影響が出るかもしれない。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9200~4万800円前後。(岡里英幸)