後場に注目すべき3つのポイント~買い一巡後は東エレク失速で上値重い
19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は続伸、買い一巡後は東エレク失速で上値重い
・ドル・円は157円台後半で推移、米長期金利の低下を意識したドル売りは一巡
・値上り寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はアドバンテスト<6857>
■日経平均は続伸、買い一巡後は東エレク失速で上値重い
日経平均は続伸。前日比225.10円高(+0.58%)の38707.21円(出来高概算6億8000万株)で前場の取引を終えている。
18日の米国株式市場は続伸。ダウ平均は56.76ドル高(+0.15%)の38834.86ドル、ナスダックは5.21ポイント高(+0.03%)の17862.23、S&P500は13.80ポイント高(+0.25%)の5487.03で取引を終了した。5月小売売上高の結果が利下げを正当化するとの見方に寄り付き後、上昇。同時に、景気への懸念も広がり相場は伸び悩んだ。ハイテクは過去最高値付近からの利益確定売りも目立ったが、長期金利の低下が支援し、相場は終日底堅く推移。ナスダックは7営業日連続で過去最高値を更新し終了した。
米国株上昇を材料に、東京市場は買い優勢で取引を開始した。寄り付き後の日経平均は38797.97円まで上昇するなど、週初の大幅安をほぼ取り戻す格好に。買い一巡後は、東京エレクトロン<8035>が前日比マイナス圏での推移となったことで、日経平均も上値が重くなり、25日移動平均線水準で前場の取引を終えた。商いは少なくプライム市場の売買代金は1.6兆円に留まった。
日経平均採用銘柄では、25年3月期の株主還元を拡大するとの報道を材料に三菱自動車工業<7211>が大幅高となったほか、三菱重工業<7011>が証券会社のポジティブなレポート発表を受けて買い優勢となり年初来高値を更新。このほか、日東電工<6988>、TDK<6762>、太陽誘電<6976>などアップル関連が引き続き強い。
一方、東京エレクトロンが失速したほか、スクリーンHD<7735>、ソシオネクスト<6526>が下げ幅を広げるなど半導体株は高安まちまち。このほか、資生堂<4911>、三越伊勢丹<3099>、京成電鉄<9009>などインバウンド関連の一角がさえない。商船三井<9104>、川崎汽船<9107>、日本郵船<9101>など海運株も売り優勢となった。
業種別では、保険業、銀行業、輸送用機器、機械、その他金融業などが上昇した一方、海運業、小売業、石油・石炭製品、パルプ・紙、精密機器などが下落した。
今晩の米国市場は、奴隷解放記念日「ジューンティーンス」祝日のため休場。後場の東京市場は前場よりも様子見ムードが強まり商いは閑散となろう。日経平均は25日移動平均線が位置する38737円水準を挟んだもみ合い相場を想定する。米国市場は休場、国内でも売買材料に乏しいことなどから、プライム市場の売買代金は今年最低水準となりそうだ。
■ドル・円は157円台後半で推移、米長期金利の低下を意識したドル売りは一巡
19日午前の東京市場でドル・円は157円台後半で推移。米長期金利の低下を意識したドル売りは一巡したが、19日の米国市場は休場となるため、有力な売買材料は不足しているようだ。
ここまでの取引レンジは157円73銭-157円92銭、ユーロ・ドルは伸び悩み。1.0735ドルから1.0742ドルで推移。ユーロ・円は伸び悩み、169円66銭から169円39銭で推移。
■後場のチェック銘柄
・学びエイド<184A>、SBテクノロジー<4726>など、4銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上り寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はアドバンテスト<6857>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・1-3月期経常収支:-43.59億NZドル(予想:-46.5億NZドル)
・日・5月貿易収支:-1兆2113億円(予想:-1兆2805億円、4月:-4656億円)
【要人発言】
・日本銀行金融政策決定会合議事要旨
「円安の物価・賃金波及のラグは短期化の可能性(ある委員)」
「物価上昇率の上ぶれ続けば正常化のペースは速まる可能性」
・林官房長官
「農林中金の経営状況、系統金融機関への影響を注視する」
<国内>
・特になし
<海外>
・15:00 英・5月消費者物価指数(前年比予想:+2.0%、4月:+2.3%)
・15:00 英・5月生産者物価指数・産出(前年比予想:+1.7%、4月:+1.1%)
・米国休場(奴隷解放記念日「ジューンティーンス」)
《CS》