「防衛」が8位にランクイン、関連銘柄の受注増が期待できる中長期的テーマへ<注目テーマ>
★人気テーマ・ベスト10
1 防災
2 円高メリット
3 好配当
4 半導体
5 ディフェンシブ
6 JPX日経400
7 半導体製造装置
8 防衛
9 人工知能
10 TOPIXコア30
みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「防衛」が8位とトップ10入りを維持している。
防衛関連といえば、かつては地政学リスクが高まると注目度が急上昇し、危機が遠のくと関心が薄れる短期的なテーマだった。しかし、日本の周辺だけ見ても北朝鮮のミサイル開発の加速や、中国による軍備の拡張と海洋進出の継続、ロシアによるウクライナ侵略など地政学リスクの高い状況が常態化しており、防衛関連は中長期的なテーマとなりつつある。
政府は22年末に防衛費の大幅増額を決定し、これが関連銘柄の業績に中長期にわたって好影響を与えることも期待されている。かつての「中期防衛力整備計画」(中期防)から変更された「防衛力整備計画」では、23年度から27年度までの防衛費の総額は約43兆円とされ、それまでの中期防(約27兆4700億円)の約1.6倍に増額された。この影響は徐々に出始めており、防衛関連の代表的銘柄である三菱重工業<7011>の防衛・宇宙事業の23年度の受注高はスタンド・オフ防衛能力に関する案件など大型案件の寄与もあり1兆8781億円(前年度比3.4倍)に拡大した。また、防衛省は23年度から発注先の企業の利益率を最大15%にする仕組みを導入し、従来の目安(8%)から引き上げており、関連企業の採算改善も期待されている。
この日の関連銘柄の動きでは、日立製作所<6501>、三菱電機<6503>、川崎重工業<7012>、IHI<7013>などが買われ、カーリット<4275>、日本製鋼所<5631>、東京計器<7721>なども高い。