利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 34社選出 <成長株特集>
本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
今回は16日に配信した総集編 第1弾(時価総額4000億円以上)に続き、16日時点の時価総額が1500億円以上4000億円未満の銘柄を対象に、24年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、24年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している34社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、空調・電気・水道衛生工事を展開する総合設備大手のダイダン <1980> [東証P]。24年10-12月期(第3四半期)は工場、データセンターなどの産業施設工事や医療関連施設などの大型工事が順調に進み、経常利益は99.7億円とこれまでの過去最高益を98.1%も上回って着地。好調な業績を踏まえ、25年3月期通期の同利益予想を上方修正し、従来の31期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。また、年間配当も従来計画の123円→150円に増額修正している。
2位に入ったメイコー <6787> [東証P]の10-12月期(第3四半期)は衛星通信を中心に情報通信向け基板が大幅に増加したうえ、電子機器の受託開発案件なども好調だった。利益面では付加価値の高いビルドアップ基板の販売増加に生産性改善やコスト削減、円安効果も加わり、経常利益は前年同期比2.6倍の79.4億円と10四半期ぶりに最高益を更新した。4-12月期の同利益は159億円と通期計画(175億円)に対する進捗率は91.2%に達しており、業績上振れが期待される。
3位の三機工業 <1961> [東証P]は主力の建築設備事業でビル空調衛生、産業空調、電気設備で大型案件などの繰越工事が順調に進捗したことに加え、受注環境の改善や施工における原価低減も寄与し、10-12月期(第3四半期)は23四半期ぶりに過去最高益を塗り替えた。業績好調に伴い、25年3月期通期の経常利益予想を上方修正し、従来の33期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せするとともに、年間配当も従来計画の110円→145円に大幅増額修正した。株価は2月18日に上場来高値3515円まで上値を伸ばしている。
4位のさくらインターネット <3778> [東証P]は昨年1月から提供を開始した生成AI向けGPU(画像処理半導体)クラウドサービスの稼働が本格化し、10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比9.4倍の13.8億円と2四半期連続の最高益更新を果たした。併せて、GPUクラウドサービスにおける「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」追加投資分の迅速な稼働開始や政府系などの大型案件獲得を織り込み、通期の同利益を従来予想の24.5億円→32.5億円に上方修正し、従来の14期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。
5位にリスト入りした自動車用防振ゴム大手の住友理工 <5191> [東証P]は主要顧客による減産の影響があったものの、円安効果や原価低減に加え、プリンター向け機能部品事業における構造改革の進展も寄与し、10-12月期(第3四半期)の税引き前利益は151億円と過去最高だった前年同期実績を35.2%上回って着地。25年3月期通期の業績予想と配当計画を上方修正したことも好感され、株価は1月30日に1888円と約16年11ヵ月ぶりの高値をつけている。
6位にリストアップされた淀川製鋼所 <5451> [東証P]の10-12月期(第3四半期)は投資有価証券の売却に伴う売却益40.1億円を営業外収益に計上したことが利益を押し上げた。併せて、25年3月期通期の経常利益を従来予想の192億円→206億円と20期ぶりの最高益見通しに上方修正し、配当計画も従来計画の309円→333円(前期は200円)に増額修正した。5%を超える年間配当利回りも意識され、株価は2月12日に約34年5ヵ月ぶりの高値6070円まで上昇する場面があった。
8位には自動車輸送の最大手ニッコンホールディングス <9072> [東証P]が入った。10-12月期(第3四半期)は梱包事業が好調だったほか、昨年5月に子会社化した米キャリアカー事業者であるシュプリーム・オート・トランスポートの業績上積みも寄与し、売上高646億円(前年同期比11.0%増)、経常利益81.7億円(同30.2%増)といずれも過去最高を達成した。好調な業績を背景に、株価は上場来高値圏を快走する展開となっている。
そのほか、12位の寿スピリッツ <2222> [東証P]、17位のNSD <9759> [東証P]、23位のマックス <6454> [東証P]、29位のDTS <9682> [東証P]も決算発表後に上場来高値を更新している。寿スピリッツはインバウンド需要、NSDとDTSは企業の旺盛なデジタル投資意欲を捉えたほか、マックスは北米向け鉄筋結束機の消耗品などが好調だった。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<1980> ダイダン 98.1 9978 5036 60.0 22300 13936 10.3
<6787> メイコー 53.2 7948 5187 22.4 17500 14294 12.8
<1961> 三機工 48.7 8646 5816 30.2 22000 16897 11.6
<3778> さくらネット 37.6 1386 1007 172 3250 1194 78.3
<5191> 住友理工 35.2 15194 11239 18.5 36500 30805 7.7 *
<5451> 淀川鋼 31.6 8167 6206 5.2 20600 19579 13.5
<4373> シンプレクス 26.1 3072 2437 20.7 10554 8744 22.6 *
<9072> ニッコンHD 25.1 8175 6536 6.0 25300 23875 19.0
<4681> リゾートトラ 24.7 14413 11559 20.6 26300 21807 17.8
<3923> ラクス 23.9 2897 2338 67.7 9410 5610 50.0
<6005> 三浦工 21.5 12654 10415 9.0 29200 26789 16.5 *
<2222> 寿スピリッツ 18.6 6086 5130 10.9 17600 15867 32.7
<6028> テクノプロH 14.9 8343 7259 22.0 27000 22139 18.1 *
<3110> 日東紡 14.8 5476 4768 48.7 17000 11436 15.0
<9031> 西鉄 14.2 9201 8059 1.4 28300 27901 8.8
<9069> センコーHD 12.6 12034 10686 14.7 35000 30503 13.8
<9759> NSD 12.4 4786 4258 10.2 16900 15340 23.5
<7976> 菱鉛筆 12.3 4652 4144 5.8 13700 12952 15.5
<2317> システナ 12.0 3190 2847 14.8 11425 9955 16.3
<7867> タカラトミー 11.8 10307 9218 26.4 22500 17807 22.0
<8133> エネクス 11.5 10244 9186 5.3 26000 24687 12.1 *
<9065> 山九 11.4 13176 11823 2.2 41000 40119 11.8
<6454> マックス 9.3 4995 4572 2.8 14100 13717 19.6
<8066> 三谷商 9.0 9012 8266 4.6 31100 29719 9.6
<1969> 高砂熱 8.9 11768 10809 18.5 31000 26150 16.2
<9744> メイテックG 8.7 6205 5710 3.6 18300 17667 19.6
<8050> セイコーG 7.2 7951 7418 25.8 20000 15894 14.1
<6544> Jエレベータ 7.2 2200 2053 16.8 8000 6851 47.8
<9682> DTS 7.0 4006 3745 5.2 13500 12831 19.2
<4966> 上村工 6.4 5591 5253 18.5 18800 15871 13.4
<7864> フジシール 6.2 5512 5188 22.2 18000 14732 13.0
<7014> 名村造 6.2 10401 9792 1.4 24000 23677 7.8
<8242> H2Oリテイ 6.0 14047 13255 14.8 32000 27875 9.1
<8279> ヤオコー 5.7 13012 12314 5.6 30500 28877 20.3
※ 2023年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース