利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 35社選出 <成長株特集>
本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編の第1弾(3月16日配信)、第2弾(3月20日配信)に続き、16日時点の時価総額が600億円以上1500億円未満の銘柄を対象に、24年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、24年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している35社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、廃棄物処理や資源リサイクルを主力とするTREホールディングス <9247> [東証P]。24年10-12月期(第3四半期)の経常利益は85.3億円と過去最高だった直前の7-9月期実績を99.8%も上回って着地。能登半島地震に伴う災害廃棄物の処理支援事業で公費解体が石川県の計画を上回って進展したことが収益拡大につながった。決算発表前に最高益予想だった25年3月期通期の同利益を従来計画の116億円→200億円に大きく上乗せし、配当も増額修正している。
2位にはアジアを中心にマーケティングなどの支援ツールを展開するAnyMind Group <5027> [東証G]が入った。10-12月期(第4四半期)はインフルエンサーマーケティング「AnyTag」がコスメ、食品業界を中心に大きく伸びたほか、クリエイター向けプラットフォーム「AnyCreator」では新規クリエイターの獲得が継続した。また、法人向けEC支援事業もアジア展開顧客の増加によって順調に推移し、売上高、税引き前利益ともに過去最高を更新した。併せて発表した25年12月期の同利益は前期比32.0%増の33.5億円と4期連続で最高益を更新する見通しだ。
3位のMTG <7806> [東証G]は主力の美容機器ブランド「ReFa」でドライヤーやヘアブラシの新商品を中心に国内販売が好調だったほか、シャンプーやトリートメントも大きく伸び、10-12月期(第1四半期)の経常利益は38.1億円と前年同期比4.3倍に膨らんだ。好調な業績を踏まえ、25年9月期通期の同利益を従来予想の50億円→70億円と7期ぶりの最高益見通しに上方修正したことも好感され、株価は約6年ぶりの高値圏に急浮上している。
4位にリスト入りした調剤薬局大手のクオールホールディングス <3034> [東証P]は昨年4月に連結子会社化した後発医薬品メーカーである第一三共エスファの業績上積みなどが寄与し、10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比80.5%増の51.4億円と2四半期連続で過去最高益を更新した。
5位のチェンジホールディングス <3962> [東証P]は主力のふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で集中期の12月を中心に寄付取り扱い高が拡大し、10-12月期(第3四半期)は売上高184億円(前年同期比30.3%増)、税引き前利益91億円(同56.4%増)といずれも4四半期ぶりに過去最高を達成した。
7位にリストアップされた高砂香料工業 <4914> [東証P]の10-12月期(第3四半期)は欧米向け医薬品中間体や東南アジアの飲料向けフレーバーなどが好調だったほか、国内では香料素材を手掛けるアロマイングリディエンツ事業が製品構成良化によって利益率改善が進み、2四半期ぶりに経常利益の過去最高益を更新した。業績好調に伴い、最高益見通しだった25年3月期通期の同利益をさらに上乗せし、配当も従来計画の160円→240円に大幅増額修正した。これを受けて株価は急騰し、3月18日に上場来高値7210円をつけている。
10位のサイボウズ <4776> [東証P]は業務システム構築プラットフォーム「kintone(キントーン)」の導入企業が順調に増加したうえ、クラウドサービスの価格改定効果なども加わり、10-12月期(第4四半期)は売上高82億円(前年同期比22.6%増)、経常利益17.1億円(同6.3倍)といずれも過去最高を記録した。続く25年12月期の同利益は前期比59.2%増の84.9億円と3期連続の最高益更新を見込み、配当も同10円増の40円に増配する方針としている。
11位に入ったジャパンインベストメントアドバイザー <7172> [東証P]の10-12月期(第4四半期)は日本型オペレーティング・リース投資商品市場の年末の需要期に、豊富な品揃えを背景に商品出資金販売額が膨らんだ。また、円安進行で為替差損益が好転し、3四半期ぶりの最高益更新を遂げた。25年12月期の同利益は前期比36.1%増の158億円と2期連続の最高益更新を見込む。同時に配当性向を従来の20%以上→50%に引き上げ、今期配当は前期比60円増の87円に大幅増配する方針を示した。積極的な株主還元策も評価され、株価は約6年ぶりの高値圏を快走する展開となっている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<9247> TREHD 99.8 8533 4270 157 20000 7787 7.6
<5027> エニマインド 86.3 1088 584 32.0 3351 2538 24.0 *
<7806> MTG 66.0 3812 2297 0.9 7000 6936 22.5
<3034> クオールHD 58.0 5141 3254 50.5 15200 10098 12.2
<3962> チェンジHD 56.4 9100 5817 72.5 12815 7429 12.3 *
<2208> ブルボン 29.4 3145 2430 27.8 6800 5322 12.3
<4914> 高砂香 28.0 7170 5600 57.4 16000 10165 9.5
<9960> 東テク 23.4 4652 3770 30.4 13800 10585 11.4
<8600> トモニHD 22.1 7796 6384 5.0 22600 21528 6.8
<4776> サイボウズ 20.0 1717 1431 59.2 8494 5335 21.6
<7172> JIA 19.0 6746 5670 36.1 15840 11635 11.3
<3836> アバントG 18.6 1440 1214 18.9 4900 4121 19.1
<3661> エムアップ 18.1 1297 1098 36.0 3900 2867 32.4
<6036> KeePer 17.1 2509 2143 14.4 6950 6075 23.1
<6287> サトーHD 16.8 4040 3460 14.7 10400 9068 10.0
<9699> ニシオHD 16.4 6060 5204 2.3 17800 17400 10.1
<7821> 前田工繊 15.8 3877 3347 6.8 12000 11236 15.6
<7575> 日本ライフL 15.5 3777 3271 15.5 12600 10905 12.0
<8522> 名古屋銀 14.6 6715 5860 29.4 20900 16146 9.1
<7868> 広済堂HD 13.4 2139 1886 17.4 7750 6600 14.8
<9882> イエロハット 11.0 8282 7458 0.6 16400 16305 11.6
<6866> HIOKI 9.5 2608 2381 2.2 8420 8236 15.2
<4956> コニシ 9.0 3745 3436 1.8 11000 10806 11.1
<2692> 伊藤忠食 8.5 4848 4468 21.5 11200 9220 12.1
<4975> JCU 8.2 2971 2746 12.1 10500 9369 11.8
<4008> 住友精化 8.1 4875 4509 9.8 12000 10929 7.9
<4746> 東計電算 8.1 1812 1676 7.2 6916 6451 15.6
<1723> 日本電技 7.7 3500 3251 44.7 9150 6324 9.8
<7130> ヤマエGHD 6.5 5119 4805 22.0 18000 14757 7.7
<4290> PI 6.5 2452 2303 0.5 8500 8458 16.4
<8771> イー・ギャラ 6.3 1374 1292 6.1 5200 4902 25.2
<9037> ハマキョウ 5.6 4313 4083 5.1 13800 13136 11.5
<3433> トーカロ 5.4 3251 3085 7.2 11800 11003 13.7
<6088> シグマクシス 5.1 1629 1550 33.7 5800 4338 18.7
<9757> 船井総研HD 5.0 2443 2326 5.8 8900 8411 16.4
※ 2023年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース