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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】G7に向けて買い戻しを誘うか

市況
2025年6月7日 8時00分

「G7に向けて買い戻しを誘うか」

●3万7500円近辺の狭いレンジで推移

日経平均株価は5月半ば以降、3万8500円近辺で上値を抑えられており、直近では3万7500円辺りの狭いレンジで推移している。

米国でトランプ関税の影響により弱い経済指標の発表が相次ぎ、米景気の減速懸念が高まっている。だが、6月5日にトランプ米大統領と中国の習近平国家主席による電話会談が実現し、貿易交渉の安定化を目指して近く閣僚級協議を開くことで合意。米中貿易交渉の進展への期待が相場の下支えとなりそうだ。

また、15日~17日にカナダで開催されるG7サミットに合わせて日米首脳会談が行われる可能性は高いとみられており、関税交渉の早期決着に向けた合意形成も期待されよう。

来週末は6月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)が到来するため、先物市場では限月交代に伴うロールオーバーが中心となり、方向感をつかみづらくさせる。ただし、足もとで膠着感の強い展開が続くなか、G7サミットを前に売り方がポジションをニュートラルに近づける展開も意識されるため、やや強気姿勢に向かわせよう。ロール中心の地合いでは、テーマ性のある銘柄が物色の軸となりそうである。

●活躍が期待される「注目5銘柄」

◆さくらインターネット <3778> [東証P]

データセンター運営大手。ホスティング・クラウドサービスを展開。6月5日、エネルギー企業のJERA(東京都中央区)と、電力インフラと連携したデータセンターの新設に向けた検討に関して基本合意。JERAが所有する既存の発電所構内でデータセンターの整備を検討していく。政府が推進する電力と情報通信インフラを一体的に整備する「ワット・ビット連携」に沿った取り組みとして注目されよう。株価は足もとで強いリバウンドをみせ、4月28日の大陰線による下げ幅を埋めてきた。上値抵抗線として意識される200日移動平均線に迫っており、同線突破からの一段高に期待したい。

◆アルコニックス <3036> [東証P]

非鉄金属の製販を手掛け、アルミ、銅のほか、レアメタル レアアースに強み。中国が打ち出したレアアースの輸出規制により、スズキ <7269> [東証P]が小型車「スイフト」の生産停止に追い込まれたことを受けて、レアアースなど非鉄金属を取り扱う企業には思惑的な買いが入りやすい。株価は5月半ばの急騰以降、保ち合いが続いたが、スズキの生産停止報道を受けて足もとでレンジを切り上げている。急ピッチの上昇で過熱感が警戒されるものの、2018年6月以降の上値抵抗帯を捉えており、リバウンド加速が意識されそうだ。

◆セルシス <3663> [東証P]

クリエイター向けのイラスト制作ソフトが主力。イラスト・マンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」のサブスクリプション売上が好調。クリエイターの活動の場を提供する「クリエイタープラットフォーム」の全世界での利用者数は1000万人を超える。政府がアニメやゲームなどクールジャパン関連分野を「基幹産業」に位置づけ、海外展開を推進する方針であることは追い風になろう。株価は5月16日につけた上場来高値1542円をピークに調整していたが、上向きで推移する25日線を支持線として反発に転じている。高値更新からの一段高に期待したい。

◆ドウシシャ <7483> [東証P]

自社企画・開発のPB商品の販売と国内外メーカーの商品の仕入れ販売を手掛ける。環境意識の高まりを背景に世界で有機フッ素化合物(PFAS)を規制する動きが高まっているが、同社では8年をかけてPFASを92%カットしたフライパン「evercook GREEN」を開発。7月から公式オンラインストアで先行予約を始め、一部量販店で8月以降順次発売する。こうした世の中のニーズに応える商品開発力の高さは評価に値するだろう。株価は4月7日1957円を底に反発に転じ、25日線に支えられる形で上昇を継続。週末6日には2023年9月高値2468円にあと2円まで接近する場面があった。この関門をクリアしてくると、18年1月に付けた上場来高値2748円が意識されてきそうだ。

◆ジーニー <6562> [東証G]

ネット広告の収益を最大化するアドプラットフォーム「GenieeSSP」を運営。グループ会社のJAPAN AIでは、設定した目標やゴールに対し、AI(人工知能)が自ら思考し、特定のタスクを実行するAIシステム「JAPAN AI AGENT」を提供している。なお、6月には日本でもショート動画アプリ「TikTok」内で、視聴から商品紹介・購入まで完結できる通販・EC機能「TikTok Shop」がリリースされる。これを受けて同社もビジネス領域の拡大による業績への寄与が期待される。株価は足もとのリバウンドで25日、200日線を突破し、75日線を捉えてきた。5月半ばのリバウンドで頭を抑えられたテクニカルポイントであり、同線突破となればリバウンドが強まりやすいだろう。

(2025年6月6日 記)

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