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「さらば炎上」で連続赤字から利益マシマシ、株価は3年・5倍

特集
2026年3月11日 9時40分

気になる会社を診断
億トレ・ガチホ企業~noteの強さと課題-第1回

登場する銘柄
note<5243>

取材・文/真弓重孝、高山英聖

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■noteってどんな会社?

項目内容
注目連続赤字脱却で、株価はIPO初値から4倍に
中核事業個人が記事を投稿して販売できるプラットフォーム「note」を運営
億トレの期待ユーザー数の順調な伸びと利益成長

連続赤字を脱すると、利益は倍々状態に。株価も2023年1月に付けた上場来安値の401円から一時は8倍に伸長、足元でも5倍水準になっている。

業績も株価も不振から好調に転じているのが、記事投稿プラットフォームを運営するnote<5243>だ。同社は22年12月のIPOから2年ほどは「上場ゴール」と疑われてもおかしくない状況だった。が、今やそれも過去のものとなっている。

そのnoteをガチホ(保有継続)するのが、25年6月に『株探プレミアム』で紹介した億り人、すとっくぱぱさん(ハンドルネーム、以下すとぱぱさん)だ。

すとぱぱさんは、株価の動きの癖を利用した「ナンピン上等」戦略をメインとする中で、投資を始めた当初に成果を上げられなかったグロース株投資を24年6月から再開した。いわばリベンジ戦の初戦の相手がnoteだった。

買い出動が24年6月だったのは、業績が転機を迎えた気配を感じたため。同社は24年3~5月期に上場後初の黒字を計上、株価もそれを好感し上向き始めていた。

「黒字が一時的でなければ、有力なカタリスト(株価変動のきっかけ)になる」。すとぱぱさんのこの見立ては、現実のものとなっている。

■『株探プレミアム』で確認できるnoteの四半期決算の成長性推移

【タイトル】

それまでの赤字続きだったnoteが突如、黒字拡大路線に転換したのはなぜか。また同社の大株主には、25年から米アルファベット<GOOGL>傘下のグーグルが加わった。noteが巨大テック企業の資本を受け入れた狙いは何か。

同社の鹿島幸裕CFO(最高財務責任者)へのインタビューをもとに2回シリーズで見ていく。初回は連続赤字から連続増益に転換した背景や、利益が持続成長していくポイントに焦点を当てる。

■noteの鹿島幸裕CFO

【タイトル】

略歴:外務省、コンサルティング会社、カカクコムなどを経て、
2018年9月にnoteに入社。同年12月にCFO、20年2月に取締役CFO。
東京大学法学部卒、米スタンフォード大学MBA(経営学修士)。

■noteの概要

基本項目株価関連
事業内容コンテンツ制作・配信時価総額376億円
東証33業種情報・通信業流通株比率/流通時価総額56.8%131億円
会社設立日(登記)2011/12/08海外売上高/外国人持ち株――9.7%
上場日2022/12/2152週高値/期日3210円2026/01/23
上場区分東証グロース52週安値/期日1152円2025/10/03
連結子会社/うち上場2社――上場来高値/期日3210円2026/01/23
連結持分適用/うち上場――――上場来安値/期日401円2023/01/04
業績関連株主還元・株価水準
過去最高売上高/決算期41億円2025/11総還元性向/配当性向――――
過去最高経常益/決算期3億円2025/11株主優待
3期平均ROE/ROA――――75日平均250日平均
今期計画3期平均PBR11.8倍12.5倍
増収率35.2%21.4%予想PER59.3倍99.7倍
経常増益率167.2%――予想配当利回り――――
売上高経常利益率12.5%――予想PSR7.3倍6.4倍
3期平均進捗率(1Q、2Q累計、3Q累計)過去1000日最高値(日付)最低値(日付)
売上高24%/48%/74%PBR(倍)28.0(25/02/12)3.0(22/12/30)
経常利益▲2%/17%/60%PER(倍)433.3(25/02/12)40.1(26/01/13)
当期純利益▲2%/15%/48%配当利回り(%)――――
EBITDA0%/18%/60%PSR(倍)11.9(25/02/12)1.9(26/01/13)

出所:『株探』『QUICK』。注:3月9日時点。▲はマイナス。3期平均は前期までの実績、進捗率は各期の平均、売上高経常利益率は3期の合計。3期平均進捗率の中にマイナスがあるのは、赤字の時期があるため。流通時価総額は算出基準日を基に計算した値。海外売上高および外国人持ち株の比率は原則、有報で取得できた時点。総還元性向と配当性向は前期実績。予想PERと予想配当利回りはQUICKの値から計算。PBRは株価純資産倍率、PERは株価収益率、PSRは株価売上高倍率の略

今期業績、売上高・利益ともに過去最高を計画

noteは22年12月に東証グロース市場に上場する前から、トップライン(売上高)は順調に伸びていた。だが、ボトムライン(利益)は黒字に届かない状態が続いた。

先に触れたように転換となったのが24年11月期。以降、増収増益が続き、今期(26年11月期)は前期比35%の増収、経常利益は2.7倍を計画する。

成長ドライバーは「note事業」。その収益モデルはnoteが用意した記事投稿プラットフォーム上で、コンテンツを巡る各種の手数料収入を受け取る仕組みだ。

収入形態は大きく5つある。具体的には、

① 記事の単品販売

② 記事のまとめ売り

③ 読者が投稿者に支払うチップ

④ 月額課金型のファンコミュニティ

⑤ 記事の定期購読

――になる。①の記事の販売価格などは投稿者が一定の範囲で自由に決めることができる。手数料率は15~35%で、同社の売上高全体の8割を占める。

手数料率に幅があるのは、取引の種類によって料率が異なるうえ、クレジットカードなどの決済代行手数料も含まれるためだ。決済手段は全部で6つあり、それぞれ料率も異なる。

売上高の伸び以上に利益が伸びる局面に

メディアのネットインフラ構築を担うnoteは、電力や通信産業と同様、費用の中でも固定費の割合が高くなる収支構造だ。noteの場合、「開発に関わる人件費と、記事投稿プラットフォームの運営にかかるサーバー料金」(鹿島CFO)が固定費の中心。

固定費の割合が大きい収支構造では、収益(売上高)が費用を超えるまで時間がかかる。当初は赤字が続く一方で、収支が均衡する損益分岐点を収益が上回ると、限界利益(顧客が増えるごとに得られる利益)の伸びは大きくなっていく。収益の増減に連動する変動費の割合が小さいからだ。

noteでは、24年11月期以降に限界利益の伸びを享受する状態になっている。25年11月期には前期比25%の増収に対して、営業利益は4.9倍、26年11月期計画では35.2%の増収に対して、営業利益は2.7倍としている。

■『株探プレミアム』で確認できるnoteの通期業績の長期・成長性推移

【タイトル】

事業拡大の鍵は、ネットワーク効果

損益分岐点を上回るようになったnoteが成長を加速させる鍵は、ネットワーク効果で手数料収入をいかに伸ばしていくか。収益を生む投稿者が増えれば増えるほど、同社のサービス価値が高まり、それに魅了された投稿者が集まる好循環が必要だ。

noteの利用者の推移を示したのが下の表だ。22年から25年までの3年間で累計の投稿者数は100万人超から200万人超へ約2倍に、公開コンテンツ数も3000万件超から7000万件弱へと2.3倍に増えた。

月間購読者数も、38万人超から70万人超へと1.8倍に拡大している。

■noteの利用者とコンテンツ数の推移

指標2022年11月期25年倍率
累計の投稿者数107万5000人202万7000人1.9倍
累計のコンテンツ数3008万6000件6956万8000件2.3倍
月間の購読者数38万4000人70万4000人1.8倍

出所:IR資料。注:月間の購読者数は、各決算期の第4四半期に
課金したアカウント数を月ごとに平均化して算出。


好循環の肝は、「PV至上主義」に陥りづらい仕掛け

noteにネットワーク効果をもたらしてきたのが、「ネットメディアの常識から距離を置く戦略」と鹿島CFOは言う。具体的には、広告モデルとPV至上主義だ。

このPV数に応じて、広告収入が分配される仕組みは、シンプルで納得しやすい一方で、閲覧数を増やすために、いわゆる「炎上狙い」のコンテンツを誘発する負の側面を併せ持つ。

事実や信念に基づく主張や意見は二の次で、「ビューを増やす」「炎上させる」ことが目的のコンテンツが増殖すると、内容で勝負したい投稿者や、良質なコンテンツを求める読者を遠ざけてしまう。

その悪循環を断つことで、「noteは良質なコンテンツが集まる場という雰囲気が、投稿者の間に広まってきた。この雰囲気は簡単に作れるものではない」と鹿島CFOは強調する。

■note公式ページの抜粋

【タイトル】

中長期の業績目標は「十分に達成可能」

noteは中長期の成長目標として、早ければ2028年11月期、遅くとも30年11月期までに、売上高100億円、EBITDAマージンでは30~40%を目指している。

今期計画に比べると、売上高は約2倍、EBITDAマージンは同2.1~2.8倍に拡大する計算になる。鹿島CFOは「この業績は通過点に過ぎず、十分に達成できる」と語る。目標達成の軸は、購読者獲得を優先手数料率の抑制だ。

昨今はインフレを背景に値上げが進む中、noteはあえて逆の戦略を取る。手数料率の引き上げや料率の高いサービスへの誘導は無理に行わず、顧客数の拡大を優先する。それはなぜなのか。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 「顧客数優先、料率は抑制」の理由

 

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