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プラチナはイランとの停戦交渉の延長を受け大幅上昇 <コモディティ特集>

特集
2026年4月8日 13時30分

プラチナ(白金)の現物相場は、イラン戦争長期化の見方を背景とした有事のドル買いを受けて調整局面を継続し、昨年12月以来の安値1742ドルをつけたのち、トランプ米大統領が早期撤退を示唆したことなどを受けて下げ一服となった。

イランは米国の停戦案を拒否し、戦争の恒久的な終結などを要求した。米大統領は合意に応じなければイランの発電所や橋を攻撃すると警告したが、市場ではTACO(トランプはいつも尻込みする)トレードを織り込んでいる。一方、イランは新防空システムを稼働させ、米軍の戦闘機を撃墜した。乗組員の救出作戦が展開され、成功したが、輸送機2機がイラン領内から離陸できず破壊して撤退した。米大統領はこれまでイランの制空権を確保したと主張していたが、これが疑問視される格好となった。濃縮ウランの奪取作戦も検討されたが、不可能とみられたもよう。米大統領はホルムズ海峡の開放を要求しているが、イランの友好国に限り海峡を通過する船舶が増加しており、各国は独自で動きつつある。

日本時間の8日午前9時が米国とイランの停戦交渉期限であった。交渉期限の直前にトランプ大統領はイランとの交渉期限を2週間延期するとの報道を受け、原油価格が急落、金相場の急上昇を受け、プラチナ現物相場は2030ドル台まで大幅に上昇した。ただ、イラン戦争は終結したわけではなく、このまま2000ドル台で安定した値動きが続くかは不透明だ。

●米国のガソリン小売価格は4ドルを突破

米国でガソリンの小売価格が1ガロン当たり4ドルを突破し、ロシアがウクライナに侵攻した2022年8月以来の高値となった。米国とイスラエルが2月末にイランを攻撃し、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖したことが背景にある。3月の米消費者信頼感指数で1年後のインフレ期待は5.2%と前月の4.5%から大幅に上昇し、2025年5月以来の高水準となった。ガソリン価格が高止まりすると、消費者心理が悪化し、米国の景気後退につながる可能性がある。一方、3月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は17万8000人増加した。医療従事者のストライキが終結したことなどを受けて2月の落ち込みから回復した。2月は9万2000人減から13万3000人減に下方修正された。ただ、イラン戦争長期化に対する懸念を受け、労働市場の下振れリスクが高まった。

●プラチナETFから投資資金が流出

プラチナETF(上場投信)残高は4月6日の米国で39.09トン(2月末44.47トン)、2日の英国で10.75トン(同11.51トン)、1日の南アフリカで5.03トン(同5.28トン)となった。イラン戦争長期化の見方で有事のドル買いが警戒されるなか、投資資金が流出した。

一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月31日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万6337枚(前週1万6198枚)に拡大した。2月10日の1万2084枚を当面の底として拡大している。ただ、売り玉の減少で買い戻しが入ったことが背景にある。買い玉も減少しており、安値拾いの買いは見送られた。

(MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行)

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