プラチナはレンジ継続も、需給改善により堅調を見込む <コモディティ特集>
プラチナ(白金)の現物相場は、3月にイラン戦争長期化の見方やドル高を受けて1742ドルと3ヵ月ぶりの安値をつけたが、4月以降はホルムズ海峡封鎖によるイラン経済の締め付けに転じたことを受け、2000ドル前後でのもみ合いとなった。トランプ米大統領はホルムズ海峡の船舶を退避させるための「プロジェクト・フリーダム」作戦を開始するなか、攻撃再開を示唆しながら、イランに戦争終結に向けた合意を迫ったが、核心となる核開発問題で平行線となり、駆け引きが続いている。米中首脳会談でイラン問題も協議されたが、中国は戦争を始めるべきではなかったとの立場を維持した。
一方、米経済指標でインフレ加速が示されるなか、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が高まったことも上値を抑える要因になった。当面は金利据え置きが見込まれているが、戦争長期化でガソリンが高止まりすると、利上げが決定される可能性が出てくる。中長期的にはプラチナのファンダメンタルズで四半期ベースでの需給改善が見込まれていることが支援要因である。イラン戦争が終結し、経済が回り始めると、需要増加を受けて地合いを引き締めるとみられる。
●プラチナは第1四半期の供給過剰も通年では供給不足見通し
ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告によると、第1四半期は8トンの供給過剰となった。南アフリカにおける季節外れの好調な生産や、プラチナETF(上場投信)、取引所在庫からの資金流出が背景にある。ただ、2026年通年では4年連続の供給不足が予想されている。不足の見込みは9トンで、前回予測から2トン拡大。第1四半期のトレンドは年内に反転するとみられている。地上在庫の減少や地金・コイン需要の増加、ガラス生産能力の拡大による需要増加が背景にある。トレヴァー・レイモンドCEOは「プラチナのファンダメンタルズは、依然として投資家にとって魅力的である。市場は供給不足の状態が続いており、中東における地政学的な逆風にもかかわらず、プラチナの需要は十分に安定している」と述べた。
●プラチナETFから投資資金が流出
プラチナETF(上場投信)残高は5月18日の米国で38.63トン(3月末39.09トン)、15日の英国で10.08トン(同10.84トン)、南アで4.73トン(同5.03トン)となった。イラン戦争長期化の見方やドル高を受けて投資資金が流出した。
一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月12日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万0712枚(前週1万7785枚)に拡大した。レンジ相場となるなか、2万枚前後で推移し、逆張りの動きとなっている。
(MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行)
株探ニュース