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ESG最前線レポート─「安心と安全」、平和に向けた投資

市況
2026年5月30日 11時00分

第56回  「安心と安全」、平和に向けた投資

●続くホルムズ海峡封鎖の影響

5月に来日したシンディ・マケイン国連世界食糧計画(WFP)事務局長は、米国とイランの軍事衝突によりホルムズ海峡が事実上封鎖されて以降、食料など支援物資の輸送コストが約2割上昇したと述べています。こうした状況下、深刻な資金難に直面するWFPは活動の縮小を余儀なくされており、マケイン事務局長は「命が危機にさらされている」と強い危機感をあらわにしました。

トランプ米政権による対外援助の大幅削減に加え、国際情勢の不安定化を背景に人道支援の予算を国防関連に振り向ける国が増えています。その結果、WFPへの拠出金は2024年から2025年にかけて約33億5000万ドル(約5500億円)も減少しました。

マケイン事務局長は記者会見で、そうした厳しい状況のなかでも日本が支援を継続していることに対し、深い謝意を表明しています。日本は常に上位10カ国に入るWFPの主要拠出国であり、世界の飢餓対策で極めて重要な役割を果たし続けています。

●安心・安全は生活の基盤

日本が世界に貢献しているのは、資金面だけではありません。日本企業が持つ優れた技術や製品も、さまざまな場面で活躍しています。

例えば中東やアフリカ地域では、世界最高水準の逆浸透膜(RO膜)技術を有する日本は、深刻な水不足の解消に向けて海水淡水化装置の提供やインフラ整備に力を注いでいます。また、災害現場では、高性能重機や最新技術を搭載した機材を救難活動に投入し、国際緊急援助隊(JDR)の活動や国際支援において重要な役割を担っています。

安心して暮らせること、日常の安全が確保されることは、人々の生活において何より求められることであり、命の基盤となるものです。その社会インフラを支えることができる多種多様な企業が、日本には数多く存在しています。

●国際支援が平和に貢献する

世界情勢が不安定な中、非軍事的な領域で世界に貢献することは、日本に対する信頼感や国際関係の強化をもたらし、結果として他国からの軍事的な脅威や侵略に対する抑止力にもつながるのではないでしょうか。また、それこそが軍事力に依存しすぎることなく、世界の平和に貢献できる道の一つであると考えます。

災害の多い日本は、これまで世界中から様々な支援を受けてきました。2011年の東日本大震災の際には、最終的に計163の国・地域および43の機関から支援の申し出があり、救助隊の派遣や物資提供、義援金、技術協力など幅広い支援が寄せられました。そこには形式的な支援にとどまらず、長年の交流を通じた友情や、それまでの日本の支援に対する“恩返し”を表明する国々も少なくありませんでした。

「安心・安全」を支える企業に投資する――それは日本の安全保障と世界の平和に間接的に貢献する、社会的に意義のある活動と言えるのではないでしょうか。

情報提供:株式会社グッドバンカー

(2026年5月26日 記/次回は6月27日配信予定)

株探ニュース

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