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明日の株式相場に向けて=「AI・半導体」反転攻勢のロードマップ

市況
2026年9月7日 17時30分

週明け7日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1378円高の6万6399円と大幅続伸。一時は1600円あまりの上昇で6万6000円台後半まで上値を伸ばす場面もあった。前週末に開示された8月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が事前予想の5万3000人増に対し、フタを開けてみれば16万2000人増とサプライズに値する強い数字で、6月と7月についても上方修正された。

だが、米国株市場のネガティブな反応は限定的であった。フェドウォッチでは現状60%程度の確率ながら、来週のFOMCでの利上げは濃厚といえそうだ。週末11日の8月の米消費者物価指数(CPI)でコアCPIの下振れ余地が指摘されるが、これを根拠にできる公算はそれほど大きくない。他方、トランプ米大統領がこの期に及んで「利下げ要請」発言をするなど“ご乱心モード全開”だが、こうなると尚更ウォーシュFRB議長は利上げのカードを温存しにくいはず。圧をかけられて屈服したように見えるからだ。しかし、マーケットはその先を読んでいるフシがある。年内12月にもう一段の利上げについては選択肢から消えたと踏んでいる。売り方目線で半導体株が総じて買い戻されたのはその証左だ。

米株市場同様に東京市場にとって9月は向かい風の強い月というレッテルが貼られており、そうした中で今週第2金曜日のメジャーSQ算出日が、売り方にとっては一つの仕掛けどころとなりやすい。案の定9月相場入りとなった前週は木曜日まで4営業日続落を強いられ、とりわけ水曜日(2日)は1889円安と大きな下げに見舞われた。確固たる理由なくしてハイボラティリティが際立つケース、これはAIアルゴリズムトレードなどの影響が色濃く、最近は1日に2000円前後の上げ下げがあっても驚くことはなくなった。それでもAIに先物を絡めて振り回されれば、投資家としても人間であるがゆえ気迷いを余儀なくされるが、相場は得てしてそうした大局的な思惑とは逆方向に振れることが多い。

今の相場は強弱観が錯綜するなかも「押さば買い」というコンセンサスが底流しているようだ。この場合、ここまで相場を出していないような言い換えれば戻り売りニーズとは対極にある銘柄が主役となる。基本、超長期スタンスで動かさない銘柄と、短期でモメンタム相場に敢えて乗る銘柄というものは分けて考えておく方が無難である。長期対象として、「押さば買い」という銘柄を決めて、分散して買い溜めて周りの景色の変化に惑わされないタイムカプセル投資を実践する。業態などにこだわる必要性はあまりない。業界を代表する誰でも知っているような銘柄を対象に、株価が安い水準に位置すると思えるものを拾っていくという単純なスタイルでよい。どちらかといえばバリュー投資(TOPIX型)に傾斜し、配当利回りの高いものに視点を合わせる。インカムゲインを獲得しながら、株価が復元する過程を楽しむくらいの余裕が必要だ。国内製造業の盟主にしてPBR1倍割れのトヨタ自動車<7203>や、日本製鉄<5401>との比較感で出遅れ顕著なJFEホールディングス<5411>なども、4.3%弱の配当利回りに着目すれば十分な魅力がある。

一方、キオクシアホールディングス<285A>に象徴されるように AI 半導体関連株は、大相場を出してから日柄が浅く、戻りに限界点があることは否定できないが、以前よりも反転攻勢のロードマップが描きやすくはなっている。キオクシアの5~6万円のゾーンは拾い場という認識でよさそうだ。きょうの同社株の大幅高は、前週末の米株市場でサンディスク<SNDK>が急騰したことに連動したもの。サンディスクが活況高に買われた背景は、S&PグローバルがS&P100指数への採用を発表したという個別の事情によるものだが、とはいえメモリー関連全般への風向きが順風に変わりつつあることを暗示する。キオクシアの場合は、噴き上げたところは買わず、押し目買いに徹する。仮に8月18日の戻り高値6万3350円を払拭して、6万円台後半を走る75日移動平均線をクリアすれば新局面入りとなるが、それを期待して今は買いに行く場面ではない。株価は上に行くかもしれないが、信用買い残が膨張する局面で参戦するのは極力避けておく方がよい。これは、ナンピン買いの見本市と化したAI関連と対峙する際の鉄則で同社株に限ったことではない。

相対的に出遅れるAI・半導体関連株に着目してみたい。足もとの業績が絶好調のイノテック<9880>は要マークだ。同じ半導体商社系の銘柄でシンデン・ハイテックス<3131>も8月18日の年初来高値7200円奪回を目標に狙える。フィジカルAI関連の雄でエヌビディア<NVDA>と協業体制にあるYE DIGITAL<2354>もチェックしておきたい。このほかキオクシア関連では、生産設備などのインフラで強固な関係性を有するジャパンマテリアル<6055>や、値動きにややクセがあるがリガク・ホールディングス<268A>のリバウンドを取りに行く手段もありそうだ。

あすのスケジュールでは、定例閣議が行われるほか、朝方の取引開始前に注目すべき経済指標の発表が相次ぐ。7月の毎月勤労統計が午前8時半に開示されるのを皮切りに、7月の国際収支、8月上中旬の貿易統計、8月の対外・対内証券売買契約、8月の貸出・預金動向、4~6月期国内総生産(GDP)の改定値などがいずれも寄り付き10分前にリリースされる。また、前場取引時間中には5年物国債の入札が行われ、後場取引時間中に公表される8月の景気ウォッチャー調査にもマーケットの視線が向かいそうだ。海外では8月の中国貿易統計に耳目が集まるほか、米国では7月の消費者信用残高、3年物国債の入札などが予定されている。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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