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AI時代で成長加速、覚醒間近の「デジタルマーケティング」精鋭7銘柄 <株探トップ特集>

特集
2026年9月10日 19時30分

―日本のデジタル広告費は10年で3.5倍、好業績企業の株価復調に期待―

デジタルマーケティングは人工知能(AI)の発展を追い風に、進化を続けている。スマートフォンの普及以来、人々が余暇にインターネット上のコンテンツを楽しむ時間は増え続けており、企業が商品・サービス・ブランドを訴求するうえで必要不可欠な施策となった。そんななか、現在目覚ましい発展を遂げている 生成AIがデジタルマーケティングを新たなステージへと押し上げており、AI活用によるプロモーションの質向上やAI時代への対応支援により目を見張る成長を果たす企業も続出している。本特集では一時取り沙汰されたAIによる代替懸念「SaaSの死」から一転、更なる飛躍の時を迎えたデジタルマーケティングの精鋭企業を追った。

●複雑なデジタルマーケティングをAIで効率化

インターネットやIT技術など「デジタル」を活用してプロモーションを行うデジタルマーケティングは、人々がインターネット上のSNSや動画サービスに多くの時間を費やす現代社会において、消費者との接点として重要性が増している。

大きな広がりを見せるデジタル空間でのアプローチであるだけに、その間口は広い。ウェブサイトや動画サイトで配信されるデジタル広告をはじめ、自社のウェブサイトが検索サイトからアクセスされやすくするSEO(検索エンジン最適化)、企業自ら動画やSNSを運営してPRを行うコンテンツマーケティング、著名人に動画やSNSでのPRを依頼するインフルエンサーマーケティングなど多種多様な方法が存在している。また、プロモーション戦略の立案や施策改善策を探るデータ分析など、必要な取り組みは多岐にわたる。

複雑なデジタルマーケティングを効果的に実施するためには、高い専門性や膨大な作業を成し遂げるためのスキル向上が不可欠になる。その実現を強力に後押しするのが、生成AIだ。広告のデザイン案を作成するクリエイティブ制作やデータ分析の効率的な運用を可能にし、時間の短縮はもちろん、複数の広告案から瞬時に最適解を導き出すなど、プロモーションの質を劇的に向上させることが期待できる。

●メタの上半期広告収入は3割増

アルファベット<GOOG>とメタ・プラットフォームズ<META>はその典型例だろう。両社はデジタル広告を主力事業としているが、特にメタはAIの活用により広告売上高が26年1~6月期で前年同期比30%増の1143億8700万ドルへと拡大。今年は広告収入において、アルファベットを抜き世界首位に浮上するとの見方も出ている。一時は主力の検索サービスがAIに置き換えられるとの懸念が高まったアルファベットもAI導入が検索の精度向上に結び付き、広告収入を押し上げる結果となったことで、大幅増収となっている。既に世界を代表する巨大企業となったビッグテックでさえ、デジタルマーケティング領域で大きく成長する余地を残しているのだ。

世界でデジタル広告市場が拡大するなか、日本における成長も目を見張るものがある。電通グループ <4324> [東証P]の電通によると、2025年の日本のインターネット広告費(推定)は社会のデジタル化を背景に、前年比10.8%増の4兆459億円に拡大した。10年で3.5倍の急成長を遂げ、総広告費に対する構成比は初めて5割を超えた。今後も動画広告やソーシャル広告の拡大などが見込まれている。企業がデジタルマーケティングの実施に活用するソフトウェアやアプリケーションの潜在成長率も高いと考えられている。矢野経済研究所によると、AI活用に取り組むユーザー企業でのデータ整備需要を背景に、29年の国内市場規模は、25年比で61.7%増に成長する見通しだ。

AI時代を迎え、新たな成長ステージに上ったデジタルマーケティング。今回の特集では、業績が好調ながらも株価が割安に放置されている7銘柄を選抜した。

●デジタルマーケティングを強力支援する3つの銘柄

フィードフォースグループ <7068> [東証G]は運用型広告代行をはじめとするデジタルマーケティング支援を主力としている。27年5月期の同事業は増収増益の見通し。生成AI活用により運用体制の効率化を進めるとともに、データ活用やコンサルティング機能の強化に取り組む。広告最適化のための管理ツールなどを展開するSaaS事業なども大幅増益を計画。全社の連結営業利益は前期比19.2%増の23億6200万円を見込む。

Orchestra Holdings <6533> [東証P]は運用型広告サービスやSEOコンサルティングサービスなどを行い、企業のデジタルマーケティング施策を総合的に支援する。AI検索最適化のためのコンサルティングサービスやTikTokショップ運用支援サービスの提供などラインアップを拡充してきたことが奏功し、26年12月期第2四半期累計(1~6月)のデジタルマーケティング事業は2ケタ増益となった。全社の営業利益は計画を上振れて進捗しており、通期で過去最高業績の更新を目指す。

エフ・コード <9211> [東証G]はウェブサイトのCX(顧客体験)を向上させるSaaSやSNSマーケティングなどを展開する主力の「マーケティング&スクール」セグメントに加え、各種生成AIを横断的に利用するツールなどを提供する「AI・テクノロジー」セグメントが成長。26年12月期第2四半期累計(1~6月)は両セグメントが業績を牽引し、営業利益が前年同期比41.6%増の16億4600万円まで成長した。ロールアップM&Aによる業容拡大を進めており、今期は既に4件実施。5月には「垂直型」のロールアップM&Aとして、不動産業界向けデジタルマーケティング支援を展開するRoomboxを子会社化。通期では4期連続の最高益更新を見込んでいる。

●周辺事業からの参入組は主力事業とのシナジーで事業拡大

デジタルマーケティング業界では、周辺事業から参入・拡大する動きも活発だ。マテリアルグループ <156A> [東証G]は主力のPRコンサルティング事業のほか、準コア事業としてデジタルマーケティング事業を強化している。主力事業で培ったPR発想・ストーリーテリングを生かしたデジタル広告運用支援などに注力。26年8月期第3四半期累計(25年9月~26年5月)のセグメント利益は前年同期比71.6%増の水準へと急成長。昨年8月にデジタルマーケティング支援体制の更なる強化を目的にBridgeを子会社化した効果も相まって、顧客数・顧客単価ともに大きく伸びている。全社業績も大幅な増収増益で好調に推移し、営業利益の通期計画(11億5000万円)に対する進捗率は約90%に達している。

スターティアホールディングス <3393> [東証P]はOA機器の販売・保守やITインフラの構築などに取り組むITインフラ関連事業を主力に、顧客の営業・マーケティングを支援する統合型SaaSツール「Cloud CIRCUS(クラウドサーカス)」などを展開するDXソリューション関連事業(旧デジタルマーケティング関連事業)を手掛ける。同事業では27年3月期第1四半期(4~6月)はストック売り上げが拡大し、大幅なセグメント増益を達成。全社業績は増収増益で過去最高業績の連続更新を見込む。配当利回りが4.8%近辺と高水準にある。

オロ <3983> [東証P]は統合基幹業務システム「ZAC(ザック)」を展開するクラウドソリューション事業を展開。生成AIやAIエージェントと連携する機能拡張を相次いで進めている。8月5日には散在するデータをAIが横断分析・施策実行する「AIエージェンティックデータ基盤構築サービス」の提供を始めると発表し、次世代のデジタルマーケティング支援事業を推進。全社で通期最高益更新を見込むなか、足もとの株価は売られ過ぎの水準となっており、自律反発への期待感も高まっている。

●AIでテクノロジー企業への進化を図る老舗・市場調査企業

インテージホールディングス <4326> [東証P]は主力のパネル調査やデータ解析事業に加え、マーケティングDXなどを手掛ける「データ・テック」セグメントの拡大を計画し、伝統的な市場調査会社から最先端テクノロジー主導の企業への転換を進めている。国内最大級のパネル調査データに独自開発の生成AIを融合させ、従来1カ月以上要していた市場分析から販促策立案までのプロセスを大幅に短縮する画期的なシステムを構築。これを成長ドライバーに、同セグメントの営業利益を26年6月期の6億9700万円から31年6月期に50億円まで引き上げ、全体利益に占める割合を12%から40%へと拡大する方針だ。信用倍率は0.6倍台で売り長となっており、好材料出現による株価急騰も期待できる。

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