FRB監察官、本部改修工事に犯罪行為の証拠なしと報告
FRBの本部改修工事を巡り、内部監察機関である監察総監室(OIG)は30日、総工費24億ドルに上る同事業について、刑事上の不正行為を示す証拠は見つからなかったとする調査報告書を公表した。
報告書では、2020年の当初予算13億ドルから膨らんだ主因として、プロジェクト管理上の不備やインフレの影響を指摘。保証付き最高工事価格の設定や過去の勧告の未実施など内部管理体制の甘さが浮き彫りになった一方、大理石の多用などの豪華な設計が費用増の主たる要因ではないと結論付けた。なお、一部で取り沙汰された連邦刑法違反を疑う合理的な根拠は確認されなかったという。
これを受け、ウォーシュ議長は勧告を全面的に実施する方針を表明。今後は一般調達局(GSA)が改修工事を引き継ぎ、外部の独立監査人を起用して全費用を精査する構えだ。
本件は、トランプ大統領とFRBの対立が激化する中で大きな焦点となっていた。昨年1月には司法省による大陪審の召喚状送付が発表され、政権による利下げ要求への報復ではないかと波紋を呼んだ。その後、ワシントン連邦地検のピロ検事により今年4月に捜査は打ち切られたものの、一連の混乱はパウエル前議長の刑事捜査や指導部の交代劇へと発展した。
パウエル氏は、5月の任期満了後も「捜査の完全な終結を見届ける」として異例の理事留任を表明しており、独立性を巡る激しい攻防の余波は依然として燻っている。
株探ニュース