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設備投資関連で相次ぐ好決算、日本のお家芸「機械株」に評価拡大の芽 <株探トップ特集>

特集
2026年10月22日 19時30分

―AI・半導体関連株は調整も世界景気は堅調、良好な受注環境の継続に期待高まる―

10月初旬から株式市場は厳しい調整局面へと転じている。背景には言うまでもなく金利の先高観がある。「金利が上昇すれば、相対的に株式の理論価値は下落する」というのは、金融理論の根幹をなす基本原則である。更にAI(人工知能)向けクラウドサービス大手・米コアウィーブ<CRWV>の、巨額負債依存型ビジネスモデルのデフォルトリスクが追い打ちをかけ、年初からの上げ相場をけん引してきたAI関連企業の株価が調整を余儀なくされている。一方、現在の金利高とインフレ進行の一つの要因として、意外にも好調な世界経済が指摘されている。実際、経済協力開発機構(OECD)は9月に2026年の世界GDP成長率予測を2.8%から2.9%に、国際通貨基金(IMF)も10月に同3.0%から3.1%へと上方修正。この世界経済の好調を受けて、必然的に期待が高まるのが、日本企業のお家芸の一つでもある機械産業である。

●世界経済は底堅く、工作機械受注は15カ月連続増

世界経済の好調さは工作機械受注統計にも示されている。同指標は、経済の先行指標である設備投資の、更に先行指標である。海外からの受注が全体の約3分の2を占める日本の工作機械の9月受注額(確報値)は、前年同月比60.4%増の2232億円と極めて好調だった。15カ月連続で前年同月を上回っており、旺盛な需要が全体を力強く押し上げている。それゆえに相場全体の調整局面において下落した関連銘柄が、好決算の発表を受けて改めて評価されることは十分に考えられる。

10月9日に発表された安川電機 <6506> [東証P]の27年2月期第2四半期決算は、このセクターの3月期決算企業の行方を知る指針としても注目された。同社の第2四半期累計(3~8月)は、AI・半導体需要の回復を背景に売上収益が前年同期比9.8%増となり、経常利益も3%増の増益で着地した。基幹システム移行に伴う出荷調整などの影響で、通期の利益率低下の見通しを示したものの、受注状況は良好で力強い成長軌道を描いており、3月期決算の機械各社決算への期待を膨らませる内容となっている。

●SMCは全世界での需要拡大が追い風に

良好な業界環境のなかで、まず注目したいのはFA空圧制御機器で世界トップのSMC <6273> [東P]である。27年3月期第1四半期(4~6月)の売上高は前年同期比35.4%増の2709億8700万円、最終利益はほぼ倍増の678億6300万円と躍進した。半導体・電機関連は、中華圏で半導体、液晶、二次電池など幅広い分野で設備投資が拡大。AI・先端半導体向け需要も引き続き高水準に推移している。工作機械関連も日本・中華圏を中心に好調だったほか、医療機器関連、食品機械関連などが労働力不足による自動化需要などに支えられ、総じて堅調。次回11月13日の9月中間期決算発表では、通期業績予想の上方修正も射程内にある。とはいえ、同社の株価は決算発表前に動意づき、発表前後にピークアウトする傾向があることに留意したい。足もとの株価は底打ちの兆しが見られるが、今回も決算前に株価が急騰するようであれば、発表時点で織り込み済みとなる可能性もある。

●不二越はPBR改善に向けての株主還元策に期待

次に工具、軸受、産業用 ロボット大手の不二越 <6474> [東証P]を挙げたい。10月5日に発表された26年11月期第3四半期累計(25年12月~26年8月)決算は最終利益が前年同期比82%増の66億2900万円に急拡大した。通期計画の75億円に対する進捗率は88%に達している。主力の部品事業において、建設機械向け油圧機器やベアリングの需要が回復したほか、米州やアセアンでロボットの需要が増加したことが寄与したという。7月には期末一括配当を従来計画の100円から110円に増額修正。それでも株価は5月以降、一進一退を繰り返している。株価純資産倍率(PBR)0.7倍割れを改善するためにも、27年1月中旬に予定される通期の決算発表前後では、更なる株主還元も期待されよう。なお同社は11月30日を基準日として1株を5株に株式分割する。

●過去最高益を見込む老舗メーカー、オークマ

1898年に創業された老舗・工作機械メーカー、オークマ <6103> [東証P]の業績も好調だ。27年3月期第1四半期(4~6月)決算は、最終利益が前年同期比3.5倍の49億8400万円となり、通期の最終利益予想を従来の130億円から200億円へと大幅に引き上げ、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しを示した。日米市場においてデータセンター、航空、宇宙、防衛などの需要が高水準で推移。第1四半期の受注額も752億6300万円と過去最高を記録した。今期から29年3月期に向けた中期経営計画を推進中だが、現在の受注の勢いが続けば、売上高2700億円、営業利益297億円の前倒し達成も視野に入る。SMC同様に、決算後に材料出尽くしで売られる傾向があるが、4500円前後で下値を固めつつある足もとの株価は、動兆間近と見ることができる。次なるターゲットは、8月10日につけた5710円奪回からの高値更新だ。

●FUJIは決算次第でもみ合い上放れか

電子部品組み立てなど自動装着装置で首位のFUJI <6134> [東証P]も見逃せない。27年3月期第1四半期(4~6月)の最終利益は前年同期比2.2倍の126億2200万円に急拡大した。主力のロボットソリューション事業で、アジア地域向けにAIサーバー関連及びスマートフォン向けの設備需要が高水準で推移したほか、北米地域でも通信インフラや車載関連の設備需要が伸長したことが寄与した。通期の最終利益は従来予想の330億円から440億円へと上方修正、増益率は実に2.8倍に拡大する見込みを示している。株価は同社が今年2月に26年3月期の業績予想を大幅に上方修正し、同社の表面実装技術がAIサーバー向けで世界的なシェアを持つと認識された頃から動意づき、5月にかけてひと相場を演じた。その後は8000円を中心としたボックス圏でもみ合いを続け、足もとでは地合いの悪さからレンジ底値圏に沈んでいる。11月5日発表の決算で期待以上の内容を示すことができれば、株価の反転のみならず、その先のボックス圏上抜けも考えられる。

●M&A騒動の牧野フ、業績は絶好調に推移

最後にM&A騒動がかまびすしい牧野フライス製作所 <6135> [東証P]である。25年にニデック <6594> [東証P]がTOB(株式公開買い付け)による同意なき買収を仕掛けた。その後、ニデックはTOBを撤回、アジア系ファンドのMBKパートナーズに続き、日本産業推進機構(NSSK)が1株3200円(分割遡及後価格)程度で買収提案を行うなど騒動が続いている。牧野フはNSSKの提案に応じないことを表明し、単独での成長を目指す姿勢を示した。一方で業績は絶好調である。27年3月期第1四半期(4~6月)の経常利益は前年同期比2.2倍の81億7500万円に急拡大。4~9月期計画の115億円に対する進捗率は71%に達している。好業績の要因として、半導体製造装置関連の部品加工向けのほか、航空宇宙関連を中心に受注が増加したことを挙げている。既に株価はNSSKの買収提案価格近辺で推移している。今後のNSSK側の動き次第では、株価にも上昇圧力がかかるだろう。

その他、好業績の工作機械銘柄としては、ツガミ <6101> [東証P]やファナック <6954> [東証P]などの業界大手企業に加え、シチズン時計<7762> [東証P]やブラザー工業 <6448> [東証P]なども関連銘柄として挙げられる。また、国策でもある防衛関連の設備投資を担う企業として石川製作所 <6208> [東証S]や豊和工業 <6203> [東証S]にも注目したい。

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