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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】AI関連の調整長期化を警戒、独自の成長テーマを有する銘柄に注目

市況
2026年10月24日 8時00分

「AI関連の調整長期化を警戒、独自の成長テーマを有する銘柄に注目」

●巨額AI投資の収益化、資金調達を懸念

AI(人工知能)・半導体関連株は大幅な下げで値ごろ感は出てきたものの、巨額のAI投資を巡り収益化や資金調達に対する懸念は根強い。韓国半導体大手SKハイニックス<SKHY>傘下の米ソリダイムのIPO(新規株式公開)の検討中止も、半導体関連企業を取り巻く資本市場の不透明感を映し出している。来週以降、国内外で決算発表が本格化するほか、11月3日の米中間選挙の政局への影響、さらには選挙後のイラン攻撃の再開観測なども警戒される。株式市場ではAI関連株の持ち高調整が長引く可能性もあり、物色の矛先は独自の成長材料を備えた銘柄へ向かいそうだ。

次項で個別に詳解するが、デジタル・インフォメーション・テクノロジー <3916> [東証P]は、システム改ざん検知・復旧技術を武器に、組み込み機器の セキュリティ需要を捉える。HENNGE <4475> [東証P]はクラウド認証・情報保護に強みを持ち、 AIエージェントの安全な運用支援も新たな成長領域となる。情報漏洩への警戒感が高まるほど、両社の事業機会は意識されやすいだろう。技術承継機構 <319A> [東証G] は中小製造業の事業承継M&Aを通じた成長が期待され、AI投資の循環とは異なる収益拡大の余地を持つ。PHCホールディングス <6523> [東証P]は血糖管理や 再生医療向け技術など医療需要を背景とする事業展開が注目される。日本アビオニクス <6946> [東証S]は 防衛・宇宙分野に強く、防衛予算の拡大や地政学的な緊張がテーマとなる。短期的な市場変動には注意しつつ、資金の分散先として注視したい。

●活躍が期待される「注目5銘柄」

◆デジタル・インフォメーション・テクノロジー <3916> [東証P]

独立系システム開発会社。金融・通信向け業務システムや自動車・産業機器向け組み込みソフトウェアの開発を主力とする。Webサイトの改ざんを検知・復旧する「WebARGUS(ウェブアルゴス)」など独自のセキュリティ製品を持つことが強み。9月にはカナダIT企業のブラックベリー<BB>傘下QNXのパートナープログラムに参画し、組み込み機器向けセキュリティ製品「RezOT(レジオット)」をQNXのマイクロカーネルOSに最適化すると発表した。2027年6月期は連結売上高、営業利益ともに過去最高更新を計画。製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)投資やIoT機器のセキュリティ対策、重要インフラのサイバーレジリエンス強化が中長期的な成長テーマとなる。株価は足もとのリバウンドで52週移動平均線を突破し、1月23日につけた上場来高値1415円が射程に入ってきた。

◆HENNGE <4475> [東証P]

クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」を主力とするSaaS企業。シングルサインオン(SSO)、アクセス制御、メール・ファイル共有の保護などを一体提供し、契約ユーザー数は300万を超える。継続課金型の収益構造と国内IDaaS(複数のサービス、システムなどに登録されたID・パスワードを一元管理するサービス)市場での高いシェアが強み。10月20日に東証グロースからプライム市場へ移行したほか、同月1日にはAIエージェントの利用管理やコスト制御を支援する新会社「HENNGE AI」を設立。脱VPNを実現する新サービスも投入した。ゼロトラスト、生成AIの安全な業務利用、企業のクラウド移行が成長を支えるテーマとなる。株価は直近の急伸により2021年11月以来の水準を回復しており、同年9月高値3725円や同年1月の上場来高値5305円が次第に意識されてきそうだ。

◆技術承継機構 <319A> [東証G]

後継者不足に直面する中小製造業の譲受や譲受企業の経営支援を手掛ける。譲受企業を短期間で再売却せず、長期保有する独自のビジネスモデルに特徴。営業支援や生産改善、DX推進など150を超える経営改善メニューを持つことが強み。2026年には電磁クラッチなどを手掛ける大崎電業社やプリント基板関連の三晃技研工業を傘下に収めた。2026年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結売上高は前年同期比2.4倍、営業利益は同4.2倍に拡大。中小企業の後継者問題や製造業再編、技術継承を背景に拡大するM&A需要が成長を後押しする。株価は上向きで推移する13週線を支持線とした強いトレンドを継続しており、押し目を拾いたい。

◆PHCホールディングス <6523> [東証P]

糖尿病管理、臨床検査、病理診断、ライフサイエンス、医療DXなど幅広いヘルスケア事業を世界展開。血糖測定機器や電子カルテ、研究用超低温フリーザーなどを手掛け、精密機器技術とグローバルな販売網を強みとする。10月には傘下のアセンシアが英Sava Technologiesと提携し、低侵襲のウェアラブル型血糖測定技術の事業化を支援すると発表。また、積水化学工業 <4204> [東証P]とは幹細胞の大量培養に向けた共同実証を進めている。糖尿病の継続的な管理需要や再生医療、医療DXが成長テーマとなる。株価は足もとの調整で13週線を割り込んできたが、東邦ホールディングス <8129> [東証P]による買収検討が終了となった影響である。押し目を拾いたい。

◆日本アビオニクス <6946> [東証S]

防衛向け情報システムを主力に、接合機器や赤外線センシング機器を展開する。防衛分野ではレーダー関連の信号処理装置や指揮統制表示装置、艦艇搭載システムなどを供給。過酷な環境でも安定稼働する高信頼性技術を強みとし、JAXA(宇宙航空研究開発機構)認定のハイブリッドICメーカーとして衛星・ロケット向け電子部品も手掛ける。2027年3月期第1四半期は防衛関連需要の拡大を背景に、連結売上高が前年同期比64.9%増、営業利益は同3倍に拡大した。防衛装備品の高度化や国防予算の増額、宇宙インフラ整備が追い風となり、豊富な受注残高の売上計上が注目される。株価は足もとの調整で13週線を割り込んだが、26週・52週線が支持線として意識されやすく、リバウンド狙いのスタンスで臨みたい。

2026年10月23日 記 (次回は11月8日に更新予定)

株探ニュース

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