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【特集】ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (35)株式投資の醍醐味は企業の成長に伴う株価上昇【株探プレミアム 業績推移と株価】

「あの時売らなければもっと儲かったのに」を減らそう
横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆株価は足元ではなく、将来の業績動向を映す鏡

 では、決算の数字を確認していきましょう。まずトップページの「★本日の【イチオシ決算】 」をクリックしてみます。1月27日に配信されたイチオシ決算では「ファナック <6954>」が掲載されていました(図4)。


●図4 ファナック <6954>の好業績を紹介する「イチオシ決算」 
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 「★今期経常を一転16%増益に上方修正」と記載されていますが、さらに深堀りしてどのような内容であるのかを確認するために、この見出しをクリックします。すると、足元の決算についてAI(人工知能)が決算短信を基に分析した内容が文章でまとめられていますので、文章中の数字を一つ一つ確認していきましょう(図5)。ファナックの決算内容としては、「21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比5.4%減の753億円に減った。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の963億円→1195億円(前期は1028億円)に24.1%上方修正し、一転して16.2%増益見通しとなった…」との記載があります。


●図5 AIが決算短信を基に決算内容を要約 ファナック <6954>
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 これら足元の数字を見ただけだと、業績が良好そうです。ただ、決算発表への株価の反応は材料出尽くしになることもあれば、好感されて上昇することもありますから、決算後もこのまま保有を続けるのに十分な内容だと判断していいのか迷う人も多いのではないでしょうか。そこで、上の「決算」のタブをクリックして、業績のさらなる深堀りを行うことで、このまま保有をしていいのか、さらなる業績の上振れが期待できるのか、それとも今後は業績が低迷する恐れがあるのかを判断していった方がよいでしょう。
 
 「株探プレミアム」では、最大25期分(無料会員は最大5期)の業績推移を一覧で確認することができます(図6)。今21年3月期の決算内容を考えるにあたっては、前提として押さえておかなければならないことがあります。序盤にコロナショックによるダメージを受けたことによって、世界的に経済活動が停止しました。ただ、経済活動の停止はパンデミックによって強制させられたものであり、さらに言えば、同社だけの問題だけではないということです。


●図6 最大25期表示の株探プレミアムの「業績推移」 ファナック <6954>
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 いいですか? 肝に銘じてほしいことは、株価はあくまでも将来の業績が良好になることを期待して買われるのであり、足元の業績を見ているわけではないのです。勘違いされている人が多いので繰り返しますが、目の前の状況を見て、銘柄を選び、判断しているだけではいつまで経っても儲けることは難しいのです。
 
 そうした視点で、その後のファナックの決算内容を確認していきましょう。コロナショックによる業績の低迷は、あくまでも各国が主導した封じ込め策によってもたらされた結果でしかなく、一時的なものでしかありません。ですから、時間の経過とともに業績が回復することはある程度織り込み済みではありますが、このコロナショックでも成長エンジンをしっかりと動かせ、かつ、業績を着実に回復させられたことは評価に値するということです。
 
 ファナックの3 カ月決算をみると、20年3月期第4四半期(1-3月)の営業利益は前年同期比32%減、21年3月期第1四半期(4-6月)は同61%減と大幅減益でしたが、第2四半期(7-9月)は4%増益に転じ、第3四半期(10-12月)は68%増益とV字回復しています(図7)。3カ月決算についてはプレミアム会員は最大20四半期(無料会員は8四半期)を確認できますので、より長期で四半期ごとの推移を追うこともできます。


●図7 最大20四半期表示の株探プレミアムの「3ヵ月決算」 ファナック <6954>
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