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国策の「人的資本」投資本格化、健康経営の潮流で躍進機運の6銘柄 <株探トップ特集>

特集
2023年11月29日 19時30分

―人材戦略なくして企業の成長は不可能、産業界の対応加速し関連サービスに商機―

日経平均株価がバブル後の高値圏に浮上した2023年は、上場企業による人的資本に関する情報開示が義務化された年でもある。優秀な 人材を採用・確保するうえで、社員の健康増進やスキルアップの促進、多様性への配慮などに取り組む企業も増えている。今回の株探トップ特集では、成長が期待される人的資本投資の領域でサービスやソリューションを展開する銘柄群にスポットライトを当てていく。

●ミクロ面だけではない経済波及効果の期待

「人的資本」という単語が経済メディアを賑わせている。その端緒となったのが、「人材版伊藤レポート」だ。経済産業省が2020年9月に公表した同レポートでは、持続的な企業価値の向上に向けて経営陣主導で人材戦略を策定し、従業員や投資家と対話をする重要性などを指摘。更に22年5月に公開された「人材版伊藤レポート2.0」では、人的資本経営の具体策に焦点を当て、取り組みを進めるうえでのポイントなどを示した。

これと並行して、政府は上場企業を対象に、23年3月期決算から有価証券報告書(有報)における人的資本の情報開示を義務化した。例えば丸井グループ <8252> [東証P]の前期の有報をみると、「女性リーダー比率34%」、中期経営推進会議などさまざまな機会で「自ら手を挙げて参画した社員の割合85%」、「人的資本投資額91億円」、といった数字が並ぶ。

人的資本経営に対する関心が、国策的な潮流に後押しされて高まった面があるのは確かだろう。半面、「人的資本経営を強化すると言いながら、産業界が賃上げに消極的な姿勢を示せば、それこそ画竜点睛を欠くことにつながる」(私大経済学部教授)との声もある。人材に投じる費用を巡る認識の変化は、家計への影響を含め日本経済全体に大きなプラス効果を生み出すものと期待されている。

●ベネ・ワンへのTOBに「健康経営」

企業行動をみても、人的資本重視の潮流が背景にあると考えられるケースが相次いでいる。エムスリー <2413> [東証P]は11月14日、福利厚生代行サービスのベネフィット・ワン <2412> [東証P]に対するTOB(株式公開買い付け)を発表した。従業員の健康を戦略的に管理し、生産性とブランド力の向上につなげるための「健康経営」の重要性が高まるなか、ベネ・ワンの連結子会社化を通じて同社の顧客基盤を取り込みつつ、2社でタッグを組んで健康経営に関するプラットフォームを創出する方針を示している。

6月には国内148社・団体による「健康経営アライアンス」が設立された。味の素 <2802> [東証P]とSCSK <9719> [東証P]、オムロン <6645> [東証P]、キリンホールディングス <2503> [東証P]、島津製作所 <7701> [東証P]、JMDC <4483> [東証P]、日本生命保険、野村総合研究所 <4307> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]傘下の三井住友銀行が代表幹事として参画。健康経営の実践と成果の創出を目指し、健康保険組合の財政健全化にも貢献していく構えだ。

もちろん、こうした潮流は大手企業に限った話ではない。国内産業界での人的資本投資と健康経営の強化の潮流により、中期的に業績面での浮揚力が強まっている6銘柄を選別してみる。

●人材投資と健康経営で注目必至の6銘柄

◎チームスピリット <4397> [東証G]

業務状況を可視化し、生産性の向上と長時間労働の抑止に役立てられる勤怠管理業務向けクラウドサービス「チームスピリット」を提供。前期末時点の契約社数は1800社と順調に取引先を広げ、大手製薬会社などからの受注獲得で高成長を続ける。健康経営を重視する企業の姿勢と、SaaSアプリケーションを長年にわたり開発した蓄積は、同社にとってキャズム(普及への障壁)を超えるための原動力となりそうだ。26年8月期までの売上高の成長率を年率平均15%以上、最終年度の営業利益を10億円以上とする中期計画の目標の前倒しの達成が視界に入れば、300円台の株価に強い反発力が掛かることとなるだろう。

◎リンクアンドモチベーション <2170> [東証P]

組織開発のコンサルティングや社会人向けキャリアスクール、人材紹介事業を展開。上場企業による人的資本に関する開示対応ニーズが組織開発部門の追い風となり、23年12月期の最終利益は過去最高を計画するなど、コロナ禍で落ち込んだ利益は「J」字カーブを描こうとしている。企業組織が持つ課題の特定や変革に向けたコンサルティングの需要は今後も拡大が見込まれるほか、従業員エンゲージメントを診断する「モチベーションクラウド」は月会費売上高を大幅に積み上げながら、市場開拓余地はなお大きい。グロース株回帰の流れが強まれば、21年の高値1232円への早期の水準回復が期待される。

◎メンタルヘルステクノロジーズ <9218> [東証G]

従業員の心身の健康管理に関するクラウド型サービスを提供する同社は22年3月に上場。株主である第一生命ホールディングス <8750> [東証P]傘下の第一生命保険やオムロン、H.U.グループホールディングス <4544> [東証P]との協業を通じ、事業拡大に取り組む。第一生命からの顧客紹介や、業務提携先の商工組合中央金庫(商工中金)との連携で、大手企業とともに中小企業の契約社数を順調に積み上げているうえ、メンタルヘルスソリューション事業の月次平均解約率も足もと0.5%未満と低水準にとどまる。教育委員会向け案件の獲得も相次ぎ、来期以降の業績回復に向けた素地が整いつつある。22年11月につけた上場来高値から23年8月の安値の半値戻しの水準となる1340円近辺への戻り相場を期待したい。

◎プラスアルファ・コンサルティング <4071> [東証P]

社員情報の分析に向けたサービス「タレントパレット」を展開。三菱重工業 <7011> [東証P]など大手企業への導入実績を積み上げて高い成長を果たし、24年9月期の売上高は前期比23.5%増の138億円、営業利益は同29.3%増の48億円と過去最高の更新を見込む。タレントパレットには離職アラートを発する社員の抽出や、労務負荷の分析機能、社員間で感謝をする際に付与し合う「サンクスポイント」のデータを通じて組織間のコミュニケーションを定量的に分析する機能などが備わっており、いずれも人的資本を重視する企業からは魅力的なツールと言えるだろう。株価も直近では押し目買い機運がみられるようになっており、2880円近辺に位置する200日移動平均線を突破すれば上値余地が広がる。

◎Unipos <6550> [東証G]

人事評価システムを手掛ける同社は20年3月期以降、営業赤字が続くなど業績は大きく沈んだ状態にあり、株価は150円台での推移を余儀なくされている。もっとも、今期の売上高は前期比21.1%増の9億7300万円の見通しと、19年3月期以来の増収を計画。9月中間期ではコスト低減効果もあって、営業損失を縮小させた。組織風土の変革が急務となっている企業の導入が加速した場合、下期偏重計画の同社の業績の上振れ着地が期待できるとあって、穴株的な投資妙味を感じさせる。

◎アドバンテッジリスクマネジメント <8769> [東証S]

従業員のストレスチェックを軸にさまざまなソリューションを提供する「アドバンテッジ タフネス」などで、新規顧客の獲得が好調に推移する。24年3月期の売上高は前期比13.6%増の72億8000万円と過去最高を計画。最終利益は同48.3%増の5億6000万円と過去最高だった20年3月期に肉薄する見込みだ。今年9月には人材サービス大手のアデコ・グループの日本法人との業務提携基本契約の締結を発表。サービスを幅広く提供する態勢を強化した。高い成長を続けるグロース株ながらPER(株価収益率)は13倍台と割安感が意識される。

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