【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─海外投資家の買い継続がポイント、半導体・データセンター関連が軸に
「海外投資家の買い継続がポイント、半導体・データセンター関連が軸に」
●日米中銀トップの発言に関心
3月の東京株式市場は、引き続き堅調な展開となりそうだ。自民党の衆院選圧勝で「責任ある積極財政」による経済拡大への期待が高まっていることや、通過した2026年3月期の第3四半期(10-12月)決算が良好だったことも後押し要因となる。ただし、AI(人工知能)データセンター関連の一角などには過熱感も指摘されており、上値も限定的になる可能性がある。
日経平均株価の予想レンジは5万7000円~6万2000円。
3月期本決算企業の第3四半期決算発表が一巡したが、日経平均株価の1株利益は発表前の2650円程度が、2850円前後にまで上昇するなど順調だった。期初にトランプ関税の影響で26年3月期は2ケタの減益も予想されたが、その後は四半期ごとに落ち着き、増益になる見込みだ。27年3月期も10%超の営業増益が予想され、業績面からの下支え要因となる。
需給面では、海外投資家の買いが継続するかがポイント。26年に入って海外投資家は現物だけで3兆8637億円を買い越している(2月第2週まで)。昨年は1年間で約5兆4000億円の買い越しであり、ピッチが速い。東証の売買代金は直近では7兆~10兆円で推移し、それまでの4兆円台から大きく増加している。これは新規資金の流入を示唆している。売買代金の増加は推進力の強さでもある。
スケジュール面では、米国で3月2日に2月ISM製造業景況指数、4日に2月ISM非製造業景況指数、6日に2月雇用統計、11日に2月消費者物価指数、18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表、2月生産者物価指数などが予定されている。日本では、13日に先物・オプションの特別清算指数(メジャーSQ)算出日、19日に日銀金融政策決定会合結果発表、24日に2月消費者物価指数などが予定される。日米ともに金融政策は据え置きの公算が大きい。ただ、2月18日に公表されたFOMC議事要旨では複数のメンバーが、インフレ率が中銀目標を上回ったままであれば利上げが必要になる可能性を示唆したことが注目された。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見内容に関心が集まろう。日本も植田日銀総裁の会見で今後の示唆があるかがポイントになる。
●テーマでは衛星コンステレーション、配当取りの動きも継続
物色面では引き続き、 半導体や データセンター関連が軸となりそうだ。注目された先端半導体大手のエヌビディア<NVDA>の25年11月-26年1月期決算は市場予想を上回る安定ぶりだった。主力のデータセンター向けは前年同期比75%増を記録。関連銘柄としては、先端品「Blackwell(ブラックウェル)」製造で重要な役割を果たす半導体後工程のアドバンテスト <6857> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]、後工程材料のレゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]、データセンターではフジクラ <5803> [東証P]、古河電気工業 <5801> [東証P]、住友電気工業 <5802> [東証P]の電線のほか、JX金属 <5016> [東証P]や日東紡績 <3110> [東証P]、三井金属 <5706> [東証P]などの部材メーカーが挙げられる。ただ、一部の銘柄には短期的な過熱感も強まっている点は留意したい。一方、三菱重工業 <7011> [東証P]、川崎重工業 <7012> [東証P]、IHI <7013> [東証P]を軸とした防衛関連には短期の日柄調整感が浮上している。
テーマとしては、防衛力の強化や民間での 宇宙利用の観点から、衛星コンステレーションへの関心が高まりつつある。コンステレーション(constellation)とは、もともと英語で「星座」を意味する単語。人工衛星の分野では全地球規模で衛星を「星座」のように多数機配置し、協調動作させるシステムのことを指す。衛星搭載の合成開口レーダ(SAR)を活用すれば夜間や悪天候時でも地球を観測できる。
政府は「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」を進めている。これはスタンド・オフ(脅威圏外の離れた位置から対処する)防衛能力の実効性確保に必要な画像情報の安定的な取得を目的に、民間企業が運営する衛星コンステレーションの構築を目指すPFI(民間資金活用事業)だ。26年2月には防衛省と民間3社が設立した特別目的会社が事業契約を締結している。事業金額は2831億円で、期間は31年3月末まで。PFIを担うのは人工衛星の製造に強い三菱電機 <6503> [東証P]、宇宙ビジネスが軌道に乗るスカパーJSATホールディングス <9412> [東証P]、超小型衛星のパイオニアであるアクセルスペースホールディングス <402A> [東証G]、SAR衛星に強いSynspective <290A> [東証G] 、同じくQPSホールディングス <464A> [東証G]などとなっている。
3月期末を前に配当取りの動きも続きそうだ。メガバンクに比べて配当利回りやPBR(株価純資産倍率)などの面で割安感がある地方銀行株をチェックしたい。地銀で総資産額首位のふくおかフィナンシャルグループ <8354> [東証P]、関東圏で強みがある横浜フィナンシャルグループ <7186> [東証P]、傘下に常陽銀と足利銀を擁し、ROE(自己資本利益率)の向上に取り組むめぶきフィナンシャルグループ <7167> [東証P]、群馬銀との統合で合意している第四北越フィナンシャルグループ <7327> [東証P]、長野県で圧倒的な強みを持つ八十二長野銀行 <8359> [東証P]などに妙味がある。
また、日本郵船 <9101> [東証P]や商船三井 <9104> [東証P]、川崎汽船 <9107> [東証P]の海運株、日本製鉄 <5401> [東証P]、JFEホールディングス <5411> [東証P]の鉄鋼株なども、低PBRかつ利回りの高さが魅力的といえる。
(2025年2月26日 記/次回は3月29日 配信予定)
株探ニュース