来週の株式相場に向けて=中東情勢の不透明感続く、期末特有の資金フローに注目も
19日の日経平均株価は前日比1866円安と急反落。前日の1539円高を帳消しにした格好だ。中東情勢の悪化と日米金融政策の不透明感の高まりなどが警戒された様子だ。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利は据え置かれたが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長によるインフレ鈍化の進展がなければ「利下げはないだろう」との発言もあり、追加利下げ期待が後退した。FOMCは「タカ派的だった」とも評価され、ビッグテック株を中心にマイナス視されたようだ。取引終了後に決算を発表したマイクロン・テクノロジー<MU>の株価が時間外で下落したことも日本の半導体関連株の逆風となった。
イラン戦争による原油価格高騰が相場波乱の震源となっているが、アナリストからは「もはやトランプ米大統領もイスラエルによるイラン攻撃を制御できなくなっているのではないか」と危惧する声も出ており、相場の混迷を深める要因となっている。
市場には、3月末にトランプ氏が訪中することで予定されていた米中首脳会談がイラン情勢の転換点となるのではないか、と期待する見方も出ていた。しかし、同会談は延期される見通しとなり、失望感を呼んだようだ。
この日は、FOMCに続いて日銀が金融政策決定会合の結果を発表し、政策金利は現状維持だった。日銀の金融政策に関して、4月利上げの観測が依然として根強いものの、エコノミストからは「中東情勢が長引いた場合、追加利上げは見送られる可能性」を指摘する声も上がっている。
ただ、依然として先行き不透明感は強いものの、来週からは3月下旬の期末を迎える。この時期特有の資金フローも見込め、需給面では堅調な展開も期待されている。
まず、来週末の27日は3月期決算企業の期末配当の権利付き最終売買日となり、配当権利取りの動きなどが活発化しそうだ。例えば、大手証券では3月決算企業の主な安定配当銘柄として、野村不動産ホールディングス<3231>、飯田グループホールディングス<3291>、インフロニア・ホールディングス<5076>、東ソー<4042>、小野薬品工業<4528>などを挙げている。いずれも配当利回りは3%超と高い。
また、受け取る予定の配当分を先物に投資する「配当再投資」への思惑も高まりやすい。30日の配当落ち額は日経平均で340円程度とも試算されており、大手証券では、日経平均先物で2000億円強、TOPIX先物で1兆4000億円強の買い需要も予想している。
上記以外のスケジュールでは、海外では24日に米3月S&Pグローバル米国製造業PMI、米2年債入札、25日に米10~12月期経常収支、米5年債入札、26日に米7年債入札が予定されている。25日にペイチェックス<PAYX>、ビヨンドミート<BYND>、27日にカーニバル<CCL>が決算発表を行う。
国内では24日に2月消費者物価指数(CPI)、25日に1月22~23日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨が公表される。23日にコーセル<6905>、25日にTAKARA & COMPANY<7921>、26日にハニーズホールディングス<2792>、27日にキユーソー流通システム<9369>などが決算発表を行う。25日にジェイファーマ<520A>、ベーシック<519A>、27日にセイワホールディングス<523A>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、5万2300~5万4800円前後。(岡里英幸)
株探ニュース