【杉村富生の短期相場観測】 ─17分野の成長戦略がターゲットに!(中)
「17分野の成長戦略がターゲットに!(中)」
●米軍のカーグ島占領作戦は自殺行為?
忙しい相場である。インデックス(日経平均株価、東証株価指数:TOPIXなど)は乱高下を繰り返している。ボラティリティ(変動率)が極端に高い。カラ売り比率は連日、40%前後だ。日経平均株価は3月23日に、ザラバ安値5万0688円をつけた。この日のカラ売り比率は42.0%、翌24日は41.9%だった。売買代金の4割がカラ売りというのは異常すぎる。
結局、需給面ではショート筋が買い戻せば急騰し、それが一巡すると急落となる。その元凶はイラン情勢だ。パキスタンのシャリフ首相がイランのペゼシュキアン大統領と電話会談、アメリカとの仲介の労をとっているが、そもそもパキスタンはイスラエルを国家として認めていない。戦争の当事者であるイスラエルがこの動きに納得するだろうか。
アメリカの政治サイトは、パキスタンのイスラマバードにおいて、イランのガリバフ国会議長とアメリカのバンス副大統領が会談する計画、と報じている。ガリバフ国会議長は革命防衛隊の司令官を務めたことがある。バンス副大統領とともに、保守強硬派だ。「イスラエル、アメリカは4月9日を戦争終結日に設定している」と報じられているが……。
和解(交渉)ムードとは裏腹に、アメリカ軍は第82空挺師団の3000人を中東に派遣する。通常の部隊ではない。空挺降下、強襲任務を担っている。共和党の議員には「石油輸出拠点のカーグ島を占領せよ」と主張する人物がいる。これは危険だ。中東全体が火の海になってしまう。トランプ政権は革命防衛隊の実力を過小評価している。
いずれにせよ、4月初旬まではイラン情勢、原油価格の動向に一喜一憂し、振り回される展開となろう。再三指摘しているように、3月決算期末とあって法人、機関投資家の買いは期待できない。自社株買いは自粛期間(期末の5営業日)だ。だからこそ、テーマ銘柄(17の戦略分野)をじっくり仕込もうじゃないか、と主張している。投資戦術である。
●短期的にはエネ関連にマトを!
短期的には再生可能エネルギー、蓄電事業を手掛けるパワーエックス <485A> [東証G]、 石炭輸入業務の住石ホールディングス <1514> [東証S]が面白い。パワーエックスは3月19日に6150円の高値をつけた後、27日には3800円の安値まで売られた。信用規制の強化と急騰の反動だが、ここは買える。
石炭の見直しは政府主導だ。政府は石炭火力発電所の稼働率上昇(50%超)を容認する方針を決めた。燃料の調達が不安定になっている状況下、背に腹は代えられない。非常事態である。中東情勢次第だが、エネルギー関連セクターはヘッジ的に、ポートフォリオに入れておく必要があろう。
さて、「17分野の成長戦略がターゲットに!」の第2弾(中)である。まず、資源・エネルギー・GX(グリーントランスフォーメーション)を取り上げたい。ここではペロブスカイト太陽電池、水素等(アンモニアを含む)、グリーン鉄の3分野がピックアップされている。積水化学工業 <4204> [東証P]、岩谷産業 <8088> [東証P]などに注目できる。
もちろん、INPEX <1605> [東証P]、ENEOSホールディングス <5020> [東証P]、伊勢化学工業 <4107> [東証S]、K&Oエナジーグループ <1663> [東証P]は外せない。特に、ペロブスカイト太陽電池の主原料ヨウ素の埋蔵量は日本が世界一だ。すでに、輸出価格は急騰(3年で2倍)している、という。
次はフュージョンエネルギー(核融合炉)だ。内閣府は世界に先駆けて、2030年代の実用化を目指している。この分野に強いのは助川電気工業 <7711> [東証S]、神島化学工業 <4026> [東証S]、浜松ホトニクス <6965> [東証P]、木村化工機 <6378> [東証S]、三菱重工業 <7011> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]など。
マテリアル(重要鉱物・部素材)では永久磁石を念頭に置いているようだが、レアメタルなどに物色対象を広げておきたい、と思う。この分野では信越化学工業 <4063> [東証P]のほか、定番の三井金属 <5706> [東証P]、三菱マテリアル <5711> [東証P]、JX金属 <5016> [東証P]、アサカ理研 <5724> [東証S]などが浮上する。
2026年3月27日 記
株探ニュース