24年の日本株戦略はこれだ（データ分析編～その5）

■回答データの分析シリーズ　～　第1弾

その1-「23年に含み損が最大の銘柄のトップは『ニ』で始まる、では含み益は？」を読む

その2-「上級者・億り人が今年に期待する銘柄のトップはアレと、アレのアレ！？」を読む

その3-「新NISAの成長枠、上級者と億り人の約80%が利用、では運用銘柄はなに」を読む

■回答データの分析シリーズ　～　第2弾

その4-「指数に勝った「強い勝ち組」、その人たちが儲けた銘柄&損した銘柄はなに？」を読む

2023年に日経平均株価やTOPIX（東証株価指数）を上回るリターンを上げた強い勝ち組さんと、マイナスに沈んだ残念組さんを比較するシリーズの2回目は、

・24年の日本株市場の見通し

・24年の主な投資方針

・日本株の売買益、配当・分配金、株主優待の期待が大きい銘柄の上位ランキング

・アメ株の売買益期待銘柄の上位ランキング

――などを見ていく。

前回紹介したように強い勝ち組さんは、全回答者の3273人のうち12.1%の395人となり、残念組さんは同29.5%の964人になる。

「強い勝ち組」さんの半数は、強気見通し

まず24年の日本株市場の見通しを聞くと、強い勝ち組さんの半数近くが「強気」とする一方、残念組さんの場合は、「強気」派は最大なものの、その割合は35.5%と、強い勝ち組さんより15%ポイントほど低い水準となっている。

昨年の日経平均株価は2000年以降で3番目の上昇率となっている中で、強い勝ち組さんは、その上昇モメンタム（騰勢）は今年も続くと見ている人が多い。

これに対して、残念組さんは、昨年の上昇相場を乗り損ねたためか、強気派は全体の傾向と比べても低水準になっている。

■2024年の日本株市場の見通し

24年に狙うファクターや材料といった投資方針では、上位3つは「割安」「高収益」「成長セクター」の順で一致した（下の表）。

違いは、4位の項目だ。強い勝ち組さんは「インカムゲイン」が21.8%を占めたのに対して、残念組さんの場合、同項目は7位で、その割合は9.1%にとどまっている。

この差は、強い勝ち組さんの場合、運用額が多い人の割合が高く、守りの一環でインカムゲイン狙いへの配分意欲が高い可能性がある。

一方で、今年は東京証券取引所が上場企業に対して企業価値向上の具体策公表を事実上、強制し始めたことから、増配など株主還元を強化する企業が市場の注目を浴びることを予想して、注視項目に加えた可能性もある。

では、強い勝ち組さんはどんな銘柄に期待を寄せているのか。

■2024年の主な投資方針

注:回答は左から順に958、1986、7316。回答は4つまで。割合は回答人数ベース

■「主な投資方針」で聞いた18項目

残念組の銘柄トップはレーザーテク、JT、イオン、米アーム、では強い勝ち組は

強い勝ち組さんの注目銘柄を見ていく前に、まず残念組さんの期待の銘柄を見ていこう。

以下、日本株で「売買益」「配当・分配金」「株主優待」期待、アメ株で「売買益」期待の銘柄の順で、ランキングを掲載している。

「売買益」期待が最大のトップは半導体関連のレーザーテック<6920>、「配当・分配金」期待が最大のトップは日本たばこ産業<2914>、「株主優待」期待が最大のトップはイオン<8267>となっている（下の3つの表）。

そして、アメ株で売買益期待のトップは、英半導体設計大手のアーム・ホールディングスADR<ARM>となっている（4つ下の表）。

なお、強い勝ち組さんが期待する銘柄については、次ページの株探プレミアム会員専用ページで閲覧可能となっている。

次回は、新NISA（少額投資非課税制度）の利用法や運用目的、運用予定銘柄などについて見ていく。

■残念組が今年「売買益」狙いで期待が「最大」「2番目」「3番目」の銘柄（原則30位以内）

■残念組が今年「配当・分配金」狙いで期待が「最大」「2番目」「3番目」の銘柄（原則30位以内）

■残念組が今年「株主優待」狙いで期待が「最大」「2番目」「3番目」の銘柄（原則30位以内）

■残念組が「売買益」期待で挙げたアメ株（10位以内）

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株探ニュース